photo:青柳 明
今回取り上げるED18という電気機関車は飯田線北部で活躍し、一度引退しましたがその後1992年に復活。「トロッコファミリー号」などの牽引に活躍し、現在はリニア・鉄道館で保存・展示されています。このED18ですが、実は瓜二つなそっくりな電気機関車が存在します。それがED17電気機関車です。
これらED17とED18ですが、元をただせば日本の電化黎明期にイギリスから輸入されたイングリッシュ・エレクトリック社が製造を担当した(以下E・E社)の電気機関車のひとつで、同じE・E社から輸入された電気機関車にはED13、ED50、ED51、ED52といった形式が存在し、いずれの形式も同時期に輸入されています。これらは昭和に入ると性能が近い日本国内のE・E社製の機関車で統一し、形式をED17へと改番されていきました。
さて、ED18に話を戻しますと、上記のE・E社製の電気機関車のうち1931~44年に、ED52から4両が勾配区間用に歯車比を大きくし、低速化・勾配登坂力を上げる改造が施されたED18という電気機関車が誕生します。ややこしい点として、このED18は再び改造を受けED17へと戻るのですが、そのED18のうち3号機のみが、飯田線への投入が決まります。線路の規格があまり高くない飯田線に入線するにあたり、機関車の軸重を軽減させる必要がありました。そのため、台車動輪間に遊輪を設けてた軸配置へと改造を受けたのです。これは動輪周りの改造のため、自ずと台車そのものを新製し交換するというものになり、続けてED17から16号機、17号機も同様に改造され、ED18のそれぞれ2号機、1号機へとなりました。
ちなみに、Nゲージ製品では塗装済完成品は2001年にマイクロエースからED18 2号機が、2002年にED17の19号機がリリースされ。2010年にいずれも側面の通風器が段となるED17 2号機とED18の1号機がリリースされています。ですがそれから、既に10年以上の月日が経ちましたが、現在のところ再生産の予定もありません。今なお根強い人気を誇るかつての飯田線に、彩りを添える電気機関車たち。そろそろバリエーション展開なども期待したいところです。
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旧型国電の動く博物館と呼ばれた飯田線では、国電の陰に隠れながらも、もう一つの古豪たちの最後の活躍の場でした。それは貨物列車の輸送を担った電気機関車で、特に天竜峡から辰野までの飯田線北部区間では軸重の重い大型の電気機関車が入線することは長い間できなかったのです。
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