2023年10月28日(土)より一般公開が始まり、11月5日(日)まで開催されている「ジャパンモビリティショー2023」。以前は「東京モーターショー」として開催されていたものですが、今回から名称も一新し、自動車だけではない新しい未来の「モビリティ」の可能性が見られる展示会となっています。そんな中今回、今までとは一味違う「車両」が来たということで、話題になっています。
↓ショーアップされた電車の写真を見る!↓
■ビッグサイトに本物の電車が来ちゃった
今回モビリティショーに現れた車両というのは、現在JR東日本が試験運転を行なっている水素ハイブリッド電車のFV-E991系「HYBARI」で、西展示棟1階の「Tokyo Future Tour」内の「Life & Mobility」というコーナーで展示されいます。この電車の燃料は水素となっており、すでに自動車の分野では実用化されている燃料電池を、より高出力が必要な鉄道に応用するべく試験が繰り返されています。「モビリティ」の名前にある通り、自動車という枠組みにとらわれない、これからの乗り物という視点を感じ取ることができます。
普段は業者向けの展示会や、一般向けのイベントなどが開催されるビッグサイトですが、そういった会場に実際に今も車籍を有し、営業線を走行している本物の車両が、一時的にやってきて展示される… というのは日本ではあまり見られなかった鉄道車両の展示方法。開催前に公開されたイメージ図にもこの「HYBARI」が展示されているイラストが掲載されており、SNSなどを中心に「本当にビッグサイトに電車が展示されるとは」と驚きの声が多く見られました。
また、普段はホーム上から見る機会が多い鉄道車両ですが、地面から嵩上げされて展示されているというのもあり、実際に屋内会場で見るとより際立ってその大きさを感じます。
■ショーアップされる車両を見て「展示会」なことを実感
▲会場の乗り物と共にショーアップされ、「展示会に電車が来た」という印象を強く感じた。
車両が展示されるこの「Tokyo Future Tour」コーナーでは、定期的に未来の東京をモチーフにした、様々な乗り物が活躍するショーも開催。乗り物たちが駆け抜け、パフォーマンスが行なわれる中、「HYBARI」も一緒にショーアップされており、この瞬間を見ると「展示会の会場に電車がやってきた」という雰囲気を十二分に感じられました。
■レイル・ファンも唸る!?間近で見られる床下機器
先述の通り、会場の地面から少し高い位置に展示されていることから、車両の脇を歩くとちょうど目線くらいの高さに床下機器がずらりと並びます。まるで車庫内で点検をする作業員の気分になるようなアングルですが、ここに車両の要となる燃料電池装置や、燃料である水素をこの燃料電池装置自体に送り込む配管ユニットなど、「メカメカ」した機器類を目の前で見ることができます。ここに従来の電車とは違うポイントが多くあるため、立ち寄った際はぜひ押さえておきたいポイントです。
また、普段走行している時には絶対に見られないような連結面(妻面)側であったり、ボルトで固定されている半永久連結器の構造であったり、台車であったりをじっくりと見られるのもまた魅力。何より、これが保存車やレプリカなどの類ではなく、現在進行形で試験中の車両であることが驚きです。
不思議と車庫や駅で見る電車とは一味違って見えた今回の「HYBARI」。ぜひこの貴重な機会に訪れてみるのはいかがでしょうか。