185系

特集・コラム

京都市交通局、初の受賞を記念して…ローレル賞受賞式開催される

2023.09.25

text & photo:RM
取材日:’23.9.23 場所:京都市交通局竹田車両基地
取材協力:京都市交通局

 京都市交通局では、2022年3月より営業運転を開始した烏丸線用の新型車両20系が、鉄道友の会の「2023年ローレル賞」を受賞したことを記念して、ローレル賞受賞式及び受賞記念イベントを開催しました。

▲出席の方々による集合写真。

 20系は、現行の地下鉄烏丸線車両10系20編成のうち、1981年の烏丸線開業以来40年以上使用し老朽化した9編成について、2021~2025年度にかけて更新するために投入された車両。現在、3編成が営業運行を開始しており、4編成目も搬入が完了しています。

▲ローレル賞記念プレートをヘッドマークとして装着した20系第1編成。

 ローレル賞の受賞理由としては…(以下プレスリリースより)

 設計に際しては、2017~2018年度に、工業デザインの専門家や公募の市民を委員とする「烏丸線車両の新造にかかるデザイン懇談会」を設置し、幅広い議論に基づき、「みんなにやさしい地下鉄に」、「京都ならではの地下鉄に」、「愛着がわく地下鉄に」の3つの明確なコンセプトを策定しました。次に具体的な外観、内装デザインを各3案制作し、市民と利用者の投票により最終案を決定しています。

 内装は「華やかで雅なカラー」でまとめています。両先頭車の運転室側2扉間に多目的スペース「おもいやりエリア」を設置し、車椅子、ベビーカー、大型スーツケースに対応しています。「おもいやりエリア」の立ち掛けシートの背面部は京都の伝統産業品の飾り付けスペースとし、西陣織、清水焼、京扇子等、今後登場する編成を含め編成・車両毎に異なる18種の「京都ならでは」を展示していきます。両先頭車内では車号と事業者標記に京象嵌を用いるとともに、中間車では通路部上部には釘隠し、吊手のさやに北山丸太と京くみひもを活用しています。車外でも交通局章に金属工芸の鎚起を用いています。 これらは、伝統産業をより一層身近に感じてもらう機会を増やし、業界全体の振興に繋げたいという伝統産業関係者と事業者の思いが一致して実現しました。

 外観は「前面の造形に曲面を多用した、より近未来的なイメージ」となりました。構体はアルミニウム合金のダブルスキン構造で、90%以上をモノアロイとしてリサイクルに配慮しています。車体床面を10系1・2次車と比べ60mm下げる等によりホームとの段差を低減するとともに、扉には認識しやすいようにラインカラーのエメラルドグリーンを配置しています。制御はハイブリッドSiCを用いた速度センサレスVVVF装置で、全閉式電動機を用い、将来のATO運転にも対応するなど、地球環境に配慮した最新水準の車両技術を用いています。

 このように、公営交通事業者の通勤車の制約の中で、市民参加によるデザイン策定、多目的スペースの設置、バリアフリー、多言語案内表示等のインバウンド対応、車両内外デザインでの伝統産業品との協創など、完成度が高く最新技術と京都らしさを併せ持つ優れた車両であることを評価し、ローレル賞に選定しました。

▲鉄道友の会の佐伯 洋会長(右)より、賞状が門川大作・京都市長に授与されました。

▲つづいて記念の盾も授与されました。

▲なんと鏡割りの儀式も行われました! 受賞の喜びが伝わります。

 なお、当日は一般のレイル・ファン向けに受賞式見学・グッズ等販売会(入場無料)と受賞記念撮影会&乗車体験(有料・事前申込制)も開催されました。

 なお、京都市交通局としてはブルーリボン賞/ローレル賞を通じて今回が初の受賞となります。また、20系は2023~2025年度に2編成ずつ増備され、当初計画の9編成が出揃う予定です。

関連記事
2023年ブルーリボン賞はHC85系! ローレル賞はあの地下鉄車両!

P:鉄道友の会

  • このエントリーをはてなブックマークに追加