text:鉄道ホビダス編集部
▲先頭に日根野所属の国鉄特急色編成を増結した「やくも」。
‘09.8.11 伯備線 方谷―備中川面 P:小澤友志
(鉄道投稿情報局より)
先日、「緑やくも」のリバイバルが発表され、さらに盛り上がりを見せている381系と伯備線。そもそも381系「やくも」が、国鉄型車両を使用した定期運行される最後の特急ということで、近年注目を集めていますが、国鉄色以外にもいくつかカラーバリエーションがあるのが特徴です。そんな381系「やくも」の色にはそれぞれ意味があったのをご存知でしょうか。
■速達列車として登場「スーパーやくも色」
’23.02.17 伯備線 根雨~黒坂 P:向田晋也
(今日の一枚より)
1994年、それまでの「やくも」より速達性を重視した列車である「スーパーやくも」が新設されます。これにより、「スーパーやくも」で運行される381系は、従来の国鉄色とは異なる紫系の専用カラーとし、さらには前面展望を楽しめるパノラマグリーン車も連結しました。
側面と前面には「SUPER YAKUMO」のロゴも配され、誰が見ても一目で列車名がわかるようになっていました。塗装デザインは紫系の色でまとめられ、斬新ながら落ち着いた印象に。また、通常先頭車(パノラマグリーン車ではない、いわゆる電気釜顔)の塗装パターンは、国鉄色の「ヒゲ」部分のようなデザインが前面に回り込んでおり、北海道を走っていた781系の国鉄色などを思わせるデザインにもなっています。
ですが、「スーパーやくも」という名称自体は2006年3月で「やくも」に統合される形で消滅し、それに伴いこのカラーリングもリバイバルされるまでは一時は消滅していました。
■「スーパーやくも」ではないアコモ改善車の色「緑やくも」
‘10.8.14 伯備線 方谷―備中川面 P:今井亮介
(鉄道投稿情報局より)
先述の「スーパーやくも」編成に指定されていない無印「やくも」用編成に対するアコモ改善工事施工車のカラーリングが、このグレーを地色に緑と黄色の帯を巻いた通称「緑やくも色」です。1997年に登場したこのカラーリングですが、後述の再リニューアルによりこの色も一時消滅しました。
そんな中、JR西日本から「懐鉄(ナツテツ)」シリーズ第3弾として、この「緑やくも」も2023年11月に復活することが発表。これにより、「やくも」の381系歴代カラーバリエーションが一堂に会することとなりました。
■全車リニューアルにより統一!「ゆったりやくも」
’22.01.06 伯備線 方谷〜備中川面 P:清水 聡
(今日の一枚より)
列車名が「やくも」に統一された翌年の2007年、「スーパーやくも色」と「緑やくも色」とバラバラであった色を再リニューアルにより統一することとなりました。それがこの白と赤の「ゆったりやくも色」です。このリニューアルではシートを中心に内外装含め更新されることとなり、新たに「ゆったりやくも」の愛称も付けられました。塗装パターンは前面中央に帯が入り、愛称幕下部分に5本の白帯が入るという、JR西日本の国鉄特急型リニューアルで定番となっていた塗り分けになりました。
これにより「やくも」の塗装が統一され、長らく大きな動きはありませんでしたが、381系の置き換えが発表されると、国鉄色復活を皮切りに、2023年11月からはゆったりやくも色のほか、国鉄色、スーパーやくも色、緑やくも色の4種類が見られるようになります。2024年春の273系導入まで1年を切りましたが、381系の活躍にも目が離せません。
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381系の興味深い振り子装置の発達史と、後継の振り子車両たちを一覧できる記事を掲載。そしてこの「やくも」のラストワンとしての存在を珠玉のグラフでご紹介します。
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・スペシャルギャラリー・381系「やくも」/EF64 1000の牽く貨物列車
・瀬戸大橋開通35周年、開業時回顧録
・津山まなびの鉄道館
◎主な再録記事
・日本の振り子車パイオニア381系
・走り始めた“WEST EXPRESS銀河”
・岡山、国鉄天国!
・岡山地区における国鉄型気動車の現況
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