text:鉄道ホビダス
‘23.7.23 拝島電留線 P:東條ともてつ
近年、各地の鉄道会社で盛んに行なわれている有料の撮影会の中でも、「夜間撮影会」が盛り上がりを見せています。以前は滅多に開催されていなかった夜間のイベントですが、その魅力や押さえておきたいポイントについて迫っていこうと思います。
■暗い中、ムーディーな雰囲気で車両を撮影!
通常、鉄道車両の撮影会は普段は絶対に入れない車両基地内で行なわれることが多いですが、日中に開催されることがほとんどで、無料の基地開放イベントなどではなおさらです。そんな車両基地に夜間入れるというだけで特別感がありますが、車両がライトアップされて煌々と佇む様は、日中では味わえないムーディーな雰囲気を楽しむことができます。
■「夜だからこそ」見れる光景
夜間撮影会ならではの特徴として、LED式の行先表示器などをハッキリ写すことができるというのもあるでしょう。日中、それも日が出るとLED表示器はちょっと目立ちにくいということもしばしば。夜間であればかなり鮮明に行先や種別を撮影することが可能です。
また、車両基地ではなく信号場や駅構内を使った撮影会というのも過去に開催されています。これは西武鉄道で開催されたもので、普段は降りられない正丸トンネル内の信号場にて車両の撮影を楽しめました。
また、JR東日本でも終電後の中央線立川駅構内に停車させた209系とE233系による、普段出すことのない「レア表示」な行先・種別を撮影できるイベントが開催されており、これも列車が来ない終電後であるからこそ実現したイベントと言えます。
さらに、現役車両だけではなく、ナイトミュージアム・ナイトパークなどのイベントにて、引退した保存車両のヘッドライトや室内灯が再び整備され点灯されることもあります。こうした例は保存車ながら、現役当時を彷彿とさせる「生きた車両」を演出するという点において、非常に魅力的なものとなっています。
▲碓氷峠鉄道文化むらでも定期的にナイトパークやナイトキャンプイベントが開催されている。ヘッドライトが点灯する様はさながら現役時代のよう。
P:RM
もちろん単純に日中では味わえない、暗闇の中ライトアップされる車両の姿を撮影できる魅力も大いにあるでしょう。このため、「夜間である」というのがある種の付加価値となって撮影会を盛り上げているという見方もできそうです。
■夜間撮影会に行く際持っておきたい装備
言うまでもありませんが、夜間撮影会では足元は真っ暗であることが多いです。投光器などである程度明るさは確保されている場合がほとんどですが、暗い箇所は非常に暗いので、落とし物などには十分気をつけましょう。また、バラストやレール、枕木と車両基地内は足元に障害物が多くあります。暗い中での撮影になるので特に移動する際は注意する必要があります。
‘22.11.12 関東鉄道 水海道車両基地 P:木村公一
(鉄道投稿情報局より)
また、撮影機材では三脚の使用がOKである場合が多くあります。最近のカメラの性能は非常に高いですが、それでも感度を上げすにスローシャッターで綺麗に撮影することができるならそれに越したことはありません。三脚とレリーズがあると夜間撮影会の強い味方になってくれることは間違いないでしょう。ただし、三脚の使用ができるかどうかは募集画面に書かれていることが多いので、必ず事前にチェックし、使用の可否を確認した上で持っていきましょう。