text & photo:瀧口宜慎(RMM)
その大きさ故、なかなか自宅で広げることが難しいとされがちな1:80スケールの16番鉄道模型。ですが家の中で全く遊べないかと言われると、そういうわけでもなく、工夫次第で小さくても面白いレイアウトは組むことができます。ここでは一畳サイズのテーブルを使って、貨車の入換運転にチャレンジしてみることにしました。そして入換の醍醐味はなんといっても自動連結・自動解放…ということで、ここではケーディカプラーとアンカプラー線路を使って自動解放も一緒に挑戦してみます。
↓テーブルトップで16番を楽しむ写真はこちら!気になる裏ワザも?↓
■テーブルトップ入換運転に必要なものリスト
今回のテーブルトップ運転のために揃えたものは以下のとおりです。まずエンドレスを構成するため用意した急曲線のKATO HOユニトラックR370-22.5と、短距離で分岐が可能となるKATO HOユニトラックR550(右・左)手動ポイント、さらに自動開放を実現する「ケーディカプラー」の標準的なNo.5と、開放用線路となるKATO HOユニトラックアンカプラー線路S123Uを用意。これらを組み合わせて一畳の広さのテーブルに16番のレールを敷いていきます。
▲テーブルトップ運転に備えて用意したもの。KATO HOユニトラックR370-22.5(左上)/KATO HOユニトラックR550(右・左)手動ポイント(右上)/KATO HOユニトラックアンカプラー線路S123U(左下)/「ケーディカプラー」No.5。
■各車にケーディカプラーを取り付ける。
まずは走行中の自動開放をするべく、ケーディカプラーへの交換を行ないます。今回は入換運転ということで、貨車と機関車のカプラーを交換しましたが、初めての方はまず交換方法が比較的簡単な貨車から交換して手を慣らし、その後ディーゼル機関車への取り付けへとステップアップしていくと良いでしょう。また、そのまま慣れてきたら電気機関車への取り付けにもチャレンジして、より幅広い車両を用いての入換運転を楽しんでみましょう。
■準備が整ったら入換運転を楽しんでみよう!
カプラーの交換と、レイアウトも実際に組み終わり準備が整ったところで、入換運転の実践をしてみましょう。自動開放、自動ポイント切り替え、自動連結…と、ただのエンドレスとは一味違う運転の喜びが得られるはずです。そして驚きなのは何より一畳の大きさのテーブル上でこれを繰り広げることができるという点。まずは小さく、憧れの鉄道模型運転遊びを実現してみてはいかがでしょうか?
■番外編 線路はN、車体は1:80「ナローゲージ」という選択
Nゲージよりも大きいスケールで、なおかつ小さなテーブルトップで遊べるスケールモデルというのはないのでしょうか…?そのような問いかけに応えるのが実物の軽便鉄道をスケールダウンした「ナローゲージ」の世界でしょう。「HOナロー」と呼ばれる規格ですと、線路はNゲージ同様の9mmで、車体の縮尺は16番同様の大きさで、Nゲージより一回り大きなサイズ感で、小さく・可愛らしく鉄道模型を楽しむことができます。また、史実の軽便鉄道も旅客だけでなくさまざまな形態の貨物列車が存在し、車両の繋ぎ方一つとってもバリエーションが豊富という点も魅力の一つ。ここでは鉄コレ ナローゲージ80やドイツ製のプラスティック製ナローゲージモデルのミニトレインズを、工場内軌道的に線路を配置して遊んでみました。
少々複雑な線路配置として、工場内軌道を表現して小さいながら変化があるレイアウトに。さらに、ナロー特有のさまざまな形態の列車たちは見た目も楽しいですね。このように、工夫次第で小さくまとめつつ大きな模型を楽しむことはできます。まずは目の前にあるテーブルの上で何かできないか、考えてみるのはいかがでしょうか?
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◆この記事の詳しい内容は今月のRM MODELSで!
春は新生活のスタートと共に、新たな趣味を始めるには絶好の時期。これから鉄道模型を始めてみようという初心者の皆さんに向けた、毎年恒例の入門特集です。今回の特集では、「新幹線」や「複々線」など最初から楽しみたいテーマを掲げて「鉄道模型の魅力を先に知る」ことからスタートする、「逆引き」という専門誌ならではの切り口でお届けします。
また、今月は久々の「映える撮影用背景紙」が付録となっております。今回のテーマは「車両基地」!A面が正面撮影用、B面が角度付きで左右両方から撮影可能な仕様となっています。鉄道模型は好みの車両を「撮影」するのも楽しみ方の一つです。付録と車両をセットして、スマートフォンのカメラで撮影するだけという、初心者でも簡単に楽しめる内容となっているので、こちらもぜひ併せてお楽しみ下さい。