2016年12月5日に増毛~留萌間が廃止されてから6年と4か月。本日3月31日限りで留萌~石狩沼田間が廃止されます。そして2026年には残る区間も廃止が予定されており、全線廃止へ向けたカウントダウンが始まりつつある留萌本線。「本線」でありながら徐々に短くなっていき、いずれは消滅してしまう運命のこの留萌本線とはどんな路線なのでしょう? 気になりますね。
そこで今回、在りし日思い出を記録しようと、廃止直前の様子を見てきましたのでご紹介したいと思います。詳細は動画でも公開していますので、そちらも併せてご覧ください。リンクはページの最後に貼ってあります。
■改めて留萌本線とは?
留萌本線は函館本線の札幌~旭川間にある深川という駅から留萌を結ぶ50.1kmの路線です。以前は増毛まで線路が延びていましたが、2016年12月4日限りで廃止され、留萌が終点となりました。同線は、石炭等の輸送を目的に建設された経緯もあって、かつては留萌駅には広大なヤードが広がり、留萌港で積み出しをする貨車で賑わっていました。
また、「本線」を名乗っている通り、その昔は留萌からは海沿いを延々と走って宗谷本線の幌延に接続する羽幌線が、さらに途中の石狩沼田からは札沼線が分岐していました。その他も民間の石炭輸送路線が2本ほど接続していたこともあります。
▲深川で発車を待つ留萌本線の列車。普段は単行だが、廃止前の乗客増で2用編成となっていた。
▲廃止間近とあって、車内はそこそこ賑わっていた。
▲部分廃止後、終着駅となる予定の石狩沼田駅。かつて札沼線が接続していた。
■乗る際は時間に注意
廃止されるということは乗客が少ないわけで、その分運行本数も少なく設定されており、1日の運行本数はたったの7本です。ましてや盲腸線(行き止まりの路線)なので、終点の留萌まで行くと、同じ道のりを引き返すことになります。
留萌本線の場合、行きの列車でそのまま折り返すと、午前の列車は留萌の滞在時間が10分程度となり、次の列車は数時間待たなければなりません。あらかじめ時刻をしっかり確認し、どの列車に乗れば時間を有効活用できるか考えておく必要があります。
これは“廃止対象路線あるある”で、今後、その他の同様な路線に乗りに行く場合は気をつけた方がよいポイントです。
▲ドラマで「明日萌」駅として使用された恵比島駅も今回廃駅となる(左写真)。駅間はのんびりした風景が広がる(右写真)。
▲留萌駅の様子。かつてヤードが広がっていた広大な構内と、幅が広いホーム。かつての繁栄が偲ばれる。
▲留萌駅の駅舎と内部の様子。路線名となっていることもあって立派なものだ。駅舎内には惜別メッセージが掲げられていた。
■思い出を記録しよう
一度廃止されてしまうと、写真や訪れた時の記憶の中だけでしか現役の姿を味わうことができませんが、思い出を手元に残す方法の一つに、ジオラマとして「形」で記録するという手法があります。以前、思い出のブックケースジオラマの記事をホビダスで掲載しましたが、その作例の一つが、かつて増毛~留萌間に存在した礼受駅でした。今回、新たな廃止区間の風景をジオラマ化し、思い出に浸るのもいいかもしれませんね。礼受駅を再現したジオラマは下の画像をクリックすると記事に飛びますので、ぜひこの機会にご覧ください。
動画でも紹介しています↓↓