modeling & text & photo:根本貫史(RMM)
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道路と鉄道との交差方法として、平面交差の場合は踏切によって交差しますが、近年は保安上の理由や鉄道・道路双方が円滑に走行できるよう、特例を除き地下や高架による立体交差のみに制限されています。また、既存の踏切を廃止する場合にも用いられ、道路または鉄道の一方が立体化されます。
線路が地上(軌道と道路が同一レベル)の場合、道路が線路を跨ぐ「オーバーパス」と、線路の下を潜る「アンダーパス」があり、いずれも既存の線路を活かした工法です。新規路線や複々線化の場合は、鉄道が連続立体交差(高架線)される事例が多いです。 模型の場合、部屋の床面が地上となるのでフロアーレイアウトで立体化するには高架の一択になります。情景付きレイアウトの場合は地上レベルを任意で設定できるので、地下化による立体は可能です。
■製作開始!
今回はフロアーレイアウトでもアンダーパスを再現できる方法として、高架線路を使った部分モジュールの作例を紹介します。単調になりがちな高架線の風景にそのまま組み込める構造で、フロアーながら簡単に地形の変化や立体的な情景が楽しめます。
今回製作に使うベースはt5.0のスチレンボードで、道路部分はt1.0のプラ板を使用し、いずれもB4サイズ(257×364mm)となっています。これをベースサイズはB4そのままで長手方向に配置します。線路はTOMIXの複線レール(S280)を基準とし、ベースの中心に配置。道路は長手方向に設置しました。
また、道路の勾配は手元にあったTOMIXの複線曲弦大トラス鉄橋のアーチ部分をt1.0プラ板にトレースし、帯状にカットすることで再現しています。
■トンネル内はライトが光る!
さらに今回は演出としてトンネル内はジオコレの照明キットを組み込みました。ですが製品は白色と電球色しかないので、白色をベースにオレンジのマスキングテープを貼って、ナトリウムランプ特有のオレンジ色の発光色に変えて雰囲気を出してみました。
■完成!
フロアーレイアウトの単調な高架線が、高架下にモジュールを差し込むだけで立体的な情景へと生まれ変わりました。組み込むだけで小さく楽しめる情景としてアンダーパスという選択肢も十分「アリ」です。
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また走らせる車両や建物、アクセサリーの選択で沿線の情景や季節感が演出することもできます。アンダーパスは作例のように都会特有の風景に思えますが、実はマイカー使用頻度の高い地方都市の方が多く見られるため、意外と地方を走る電車でもこの情景とマッチします。ぜひ立体交差で情景にも立体感を与えて、より模型をカッコよく走らせてみてはいかがでしょうか?
※こちらの記事は『RM MODELS 273 2018年5月号』の記事から抜粋しており、情報は当時のものとなります。あらかじめご了承ください。