蒸気機関車の動態保存運転のパイオニア、大井川鐵道では、兵庫県加東市の播磨中央公園で展示されていたC56 135を2022年2月に譲り受け、既に新金谷構外側線に搬入。その後、動態化を目指して調査および整備を行っていた。
P：大井川鐵道提供
当初、まず動態復元が可能かどうかを見極めるとアナウンスされていたが、それに十分耐える状態であったことが判明。そのために必要となる修繕費がおよそ3億円と算出され、クラウドファンディング（CF）にてファンの方からも資金を募ることとなった。
大井川鐵道は1976年から「SL急行かわね路号」の運転を開始した保存鉄道のパイオニア的存在。現在車籍を持つ蒸気機関車はC11形190および227号機、C10形8号機、C56形44号機の4両（これに日本ナショナルトラスト保有のC12形164号機もあるが長期休車中）だが、近年車両の不具合が続出し、SL運休が相次いでいた。
そこで、同社創立100周年となる2025年を目標に、C56 135の動態復元を目指すことになったもの。修繕内容と総経費概算は下記の通りとされている。
（記者会見資料より）
この全費用3億円に対して、1億円をCFで募ることにした。鉄道関連のCFで目標1億円というのは史上最高額だが、仮に目標額に届かなかった場合でも、修繕および動態化は実施する方針とのこと。
◎CF「蒸気機関車に再び命を、昭和の汽笛を次世代へ」
■目標金額：1億円
■形式：通常型/ All-in 形式※
■募集期間：2022年9月20日（火）～11月30日（水）23時まで
■URL ：https://readyfor.jp/projects/daitetsu
■資金使途：蒸気機関車C56形135号機の動態化にかかる修繕費用（人件費、運営費含む）、本プロジェクトにかかる運営費
■支援コース：3,000円～5,613,500円まで35コース
■リターン：ナンバープレート、ヘッドマーク、MYヘルメット、奉名板への名前掲載、客車清掃、SL撮影会など盛り沢山！
※All-in形式は、期間内に集まった支援総額を実行者が受け取れる仕組みのこと。
（記者会見資料より）
修繕完了は2025年12月を予定し、2025年度中に運行開始したいという意向である。
