185系

特集・コラム

新交通システムが「模型」に!?3Dプリントで作った西武鉄道山口線8500系レオライナー!

2022.08.02

text & modeling:永井健太
photo(製作途中写真以外):根本貫史(RMM)

↓詳しい製作の様子はこちら!↓

 ここでは3Dモデリングによる鉄道模型製作の様子をご覧いただきます。今回は西武鉄道唯一の「新交通システム(AGT)」を採用した西武山口線8500系レオライナーをご紹介。現行で活躍するカラフルな全3編成を再現した作品をご覧に入れましょう。

■オリジナルカラーのレオライナー!V1編成(8501F)

 自身の3Dモデリング作品群の中では最初期に製作したもので、車体は妻面以外は一体成型で出力しています。レジンは「WANHAOグレー」を使用し、プリンタも改造前の「Shuffle 2018」を使用したため、低解像度故のモールドの甘さにかなり苦労しました。車体色はGSI クレオスのグランプリーホワイトを使用し、帯はハイキューツールのデカール用紙にカラー レーザープリンタで印刷したものを転写しています。白文字と編成マークはMDプリンタによ る自作インレタを使用しています。

 ディスプレイモデルなので、車内もできる限り再現しており、座席には手スリまで一体で表現しています。床下機器とタイヤ、集電シュー といった下廻りも全て3Dモデリングで、基本的には通常の車両と同様の方法です。

■2020年登場のグリーンカラー!V2編成(8511F)

 V2編成は、V1編成の製作から2年以上経過 しており、色々と実験的な要素も含めてブラッシュアップしました。まずは前作で上手くいかなかった前面とクーラーを高精細化。具体的には前面とクーラーを別パーツ化して角度を付けたうえで、「Sonic」で0.01mmピッチの超高精細設定で出力しました。レジンも「SK高精細レジン」へバージョンアップし、よりシャープな仕上がりを実現しました。

 側面窓は透明レジン出力による嵌め込み窓化をした上に、肉厚をさらに薄くして透過性を向上しました。 前面のライト類も同様にクリアパーツ化して、スッキリした仕上がりを得ることが出来ました。

 車体のラッピングは白デカールにカラーレー ザープリンターで印刷したものを転写。標記類はV1編成と同様の方法です。

■懐かしの旧西武標準色!V3編成(8512F)

 「西武園ゆうえんち」のリニューアルを記念 して今年5月に登場したばかりの旧西武標準色風のラッピングを施したV3編成を早速製作しました。本作は「DMM.make」で出力を発注し、 右写真のような板状キット状態の部品構成にしました。出力方法や素材が異なるため、表面処理がV1・V2編成に比べ大変でしたが、パーツの合いはこちらの方が良好でした。

 車体の基本は塗装で表現し、ロゴ類はMDプリンタで印刷した自作デカールを転写して表現しました。

■交換設備も再現!専用軌道!

 ディスプレイ用に専用軌道も用意しました。 出力は「DMM.make」のナイロン製で、直線とポイントの2種類を製作し変化を付けました。
 ガイド部分はエバーグリーンのH材を赤く塗装したものを取り付けて再現しました。また車両限界ギリギリのトンネルも特徴的なので、これも3Dモデリングで製作しました。


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 近年産業分野で幅広く活用されている「3Dプリンタ」による立体造形技術。普及と進化が進むにつれて、いわゆる「家庭用」と呼ばれる手頃なデスクトップサイズの製品が続々と登場。個人レベルでも3Dモデリングが容易に楽しめるようになり、各種模型ジャンルでも新たな造形ツールとして幅広く活用されています。
 2015 年に刊行した「鉄道模型3D プリンタガイド」では、元となる3D-CADの作図方法を中心に解説し、鉄道模型分野はもちろん、他の模型ジャンルでも幅広く活用されました。
 今回の本書では、前回より7 年経過したことによる環境の変化に対応。この間に普及した3D-CAD ソフト「AUTODESK Fusion 360※」による、Nゲージ車両の作図方法を主軸に、出力編ではオンライン出力サービスの最大手、「DMM.make」の3Dプリント造形サービスの活用や、手頃になった家庭用3Dプリンタの基本的な出力テクニックや素材となるレジンの種類や扱い方について詳しく紹介していきます。

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※Autodesk、Fusion 360 は、米国および/またはその他の国々における、Autodesk, Inc.、その子会社、関連会社の登録商標または商標です。

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