text & photo:上石知足(鉄道ホビダス)
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今もなお発展を続ける鉄道玩具であるプラレール。60年以上の歴史を持つプラレールですが、今から約40年前に発売された情景パーツであるこの「ライト付えき」はファンの間でも「逸品」として名高いもの。その名の通り、歴代情景部品の中でも珍しくライトが点灯するギミックを持っており、その姿はどこか懐かしく情緒的です。今回はそんな「ライト付えき」を用意。「鉄道絶対領域」的なそのディテールに迫ります。
■豆電球でぼんやり光るムーディーな駅
パーツ構成は基本的に豆電球一つの光源を透明パーツで導光し光るシンプルな形態。灯りは暖かい色味で光り、現代のLEDにはない独特の風情を感じることができます。だが、経年からか、以前よりもどこか光量が弱くなったように感じました。近いうちに一度点検をしてみる必要がありそうですね。
■「その世代」の人にはわかる!懐かしの鉄道駅のディテール
この製品が発売されたのは1980(昭和55)年頃で、その頃には見られた駅の特徴が各所に散りばめられています。例えば都心部の駅で昔は見られた行灯式の列車接近表示機が色は反転したデザインながらも、その雰囲気は再現されていたりします。首都圏では数年前まで中央線の一部の駅に残っていたこの表示機ですが、現在では姿を消して見ることができなくなってしまいました。
また、リアルな「Kiosk」のロゴマークや、古いタッチで描かれたシール表現の駅員さんや店員のお姉さん、駅の入り口を見れば「初乗り100円」の券売機に、紙幣使用可能な機械が普及する以前に見られた両替機など、現在ではなかなか見ることができないものばかりが揃っているのは、さながらタイムスリップをしたかのような気持ちにさせてくれます。
■ニクいギミックは他にも
この駅の光る以外の数少ないギミックの一つが券売機に存在します。そのギミックというのが、券売機の「100円」の水色のレバーを押すと上の路線図の「100円区間」の部分が光り、また逆に「100円-520円」のレバーを押すと100円の箇所とは違う「100円から520円までの区間」の部分が光るというもの。ものすごい細かい箇所のギミックにはなりますが、シンプルながらも凝った内容のギミックがファンの心をくすぐります。
■ただの駅とは思えない存在感を放つ情景製品
赤い屋根、白い駅舎、緑色の地平部分という3色のプラスティックパーツで構成されるこの「ライト付えき」ですが、そのいかにもおもちゃらしい配色と見た目ながら、随所に昭和を感じるディテールやムードを感じることができ、まさに大人の魅力溢れる逸品となっています。生産された年数は3年程とごく僅かで、なかなか出回ることのない絶版製品ではありますが、レイアウトに配置すると光るということもありその存在感は抜群。独特の魅力を持つ情景製品になっています。
※おことわり
こちらの記事で紹介したものは全て絶版製品となっています。現在ラインナップにはない製品になりますので、メーカー等へのお問い合わせはご遠慮ください。
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