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プラモデルのゆりかもめが走る!?新交通システムを鉄道模型 Nゲージ化する!

2022.05.07

modeling & photo(特記以外):根本貫史(RMM)

 プラモデルメーカーのフジミから発売している東京臨海新交通臨海線「ゆりかもめ」7200系のプラキット。この製品は鉄道模型のストラクチャーとして使える、走行機構を持たないディスプレイモデルです。今回はこの「ゆりかもめ」を、基本的な製品仕様から、Nゲージ車両として走行できるように加工した作例まで紹介します。

■製品の基本構成

 製品はプラスティック成型のキット形式で、塗装印刷済一体成型の車体と、未塗装の内装や床下関連のランナーパーツで構成されています。走行機構のないディスプレイモデルなので、特に床下機器や台車などのディテールが実車に忠実で、部品点数が多いのが特徴です。Nゲージのキットというよりは、車のプラモデルの部品構成にもよく似ており、そこはさすがプラモデルメーカー。従来の鉄道模型製品とは異なる観点で作られているのが非常に興味深い製品です。組み立てながら、普段知る機会の少ない実車の構造が理解できるので、部品点数は多いものの、楽しく組み立てることができます。

 また、基本セットとなる「先頭車輌セット」には、ディスプレイ用の専用レール(直線、曲線各2本)と橋脚5脚が付属します。レールはゴムタイヤ式新交通システム特有の案内軌条が再現されており、別パーツで点検用通路も付属します。

■車両の組立

▲基本的に車体は一体成型だが、妻板パーツは選択式の別パーツとなる。

 さて、車両の組立を紹介します。基本的には製品の組立説明書を参照に組立てれば問題なく完成しますが、ここでは実際に組み立てた際の注意点を中心に解説します。
 車体は基本的に一体成型ですが、妻板のみ選択式の別パーツとなっているので、説明書をよく確認しながら指定の妻板を取り付けます。本キットで、一番手間がかかるのは床下機器と台車で、1両ごとに機器の配置や装備する機器が異なるので、使用するパーツ番号と、取り付ける向きを間違わないように注意しましょう。また、説明書通りの順序では塗装作業に支障が出る場合もあるので、組立前にランナーに付いた部品の形状をよく確認し、塗装工程の順序を事前に考えておきます。詳しい手順は記事上の「この記事のすべての画像をみる」ボタンでご確認ください。

■Nゲージ(走行)化改造!

 ディスプレイモデルである本製品をどうにか走らせたいと、この製品に興味を持った方の多くは思うことでしょう。そこで、Nゲージの小型動力ユニットを使って走行化する方法を紹介します。当然ゴムタイヤでは走行できないので、新交通システムの雰囲気を損なうことなく、どう簡単に走行化させるかがポイントです。

■走行用専用軌道を作る!

 ゴムタイヤ方式の新交通システムらしい軌道を再現するため、TOMIXのワイドトラムレールをベースに専用軌道を製作しました。簡単に済ませるのならワイドトラムレールそのままでも良いですが、より新交通の軌道らしさを演出するため、製品付属のレールを参考に、プラ角棒で案内軌条と点検用通路、そしてプラ板で外壁を取付けました。

■完成!

 こうして新交通システムの雰囲気を持つNゲージの「ゆりかもめ」が完成しました!もちろん実際にゴムタイヤで走行しているわけではありませんが、側壁で床下が隠れるところや、ワイドトラムレールの効果もありちゃんとそれらしく見えるのが魅力です。ぜひあなたのレイアウトにも新交通システムを走らせてみてはいかがでしょうか?

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