modeling & text & photo:根本貫史(RMM)
車両基地または車両工場間の部品輸送用として活躍した配給列車クル・クモル(クモル145系)。晩年はエスカレーター輸送などバリアフリー工事に活躍し、東日本エリアでは2008年に引退しました。ここでは、普段なかなか見ることができない配給列車が活躍するシーンを、ジオラマで再現しました。
■ジオラマの製作
●土台
ジオラマのベースとなるのはA4(210×297mm)サイズの木製パネル。このパネルは画材店で入手することができるもので、1枚500円前後と価格も手頃です。レールやホーム、駅舎はTOMIX製を使用しています。ちなみにレールはワイドレールでバラストの散布を省略。そうなると、ホームの高さが低くなってしまうのでワイドレールの道床部分にホームを載せて、嵩上げとしました。
●法面の製作
ジオラマ奥の法面はスチレンボードとスタイロフォームで製作。線路部分が凹んだ掘割形状の地形という設定にしました。基本的な配置が終了したら、エアブラシを使って着色とウェザリングを施します。今回は基本的にパウダーやバラストといった粉末素材は使用していませんが、法面の地肌が露出する部分にのみ、今回はKATOのフォーリッジを貼り付けました。
●エレベーター工事を再現!
橋上駅舎の階段部分は、今回のメインとなるエレベーター設置工事を再現するため、プラ板で工事用防護壁を製作し、階段の片側部分を塞ぎ再現しました。バリアフリー工事の進む都心部の駅の雰囲気がこれでよりグッと出ました。
一通り作業が終わったら、ストラクチャー類を再び配置し、架線柱や看板といった小物類を設置してひとまずはジオラマの完成としました。また、夜間作業の再現ということもあるので、ホームと駅舎にはジオコレの電飾キットEを組み込み、ムーディーな情景となりました。
■クモル、入線。
▲終電後のホームに、エスカレーターを積んだクモル145が入線。初電までの限られた時間の中で、今まさに搬入作業が始まろうとしている。
▲「もうちょい手前…はいストップ!」
▲「おい!若エの! さすがに手では運べねえよ!!」…みたいな声が聞こえてきそうである。
※もちろんフィクションです。
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