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特集・コラム

いつでも満開の桜を… Nゲージでオールシーズン楽しめるお花見ジオラマを作る!

2022.04.03

text & modeling & photo:根本貫史

 春になると満開の桜を絡めた鉄道写真を撮りたくなるのと同様、お気に入りのNゲージ車両も桜と絡めてディスプレイしたい!そんな想いで製作したのがこのジオラマです。もちろん暖かな陽気が続く今のような春の時期でも、草花も眠る真冬でも、ジオラマならオールシーズンでお花見を楽しむことができます!

■車窓から一瞬見える桜の風景

 穏やかな春の陽気、軽やかな走行音が響く車内。そこへ一瞬響く「ゴーッ」という小さなデッキガーダー橋を渡る音。その音とともに車窓は一瞬ピンク色に染まる…。その一瞬しか見えない桜の風景を、B4サイズのパネル1枚に切り取れば、桜の季節が過ぎてもお気に入りの車両とともにお花見が楽しめます。そんな春の風景を再現してみました。

■モデルとなったのは南武線と阪急電車

 このジオラマのモチーフとした場所は南武線の登戸〜宿河原間にある「二ケ領用水」の桜並木です。このジオラマでは様々な車両を置いて楽しめるように、特定した場所にはこだわらずに雰囲気重視で製作することにしました。また、写真を見て一目惚れしてしまった阪急甲陽線の夙川の雰囲気も織り交ぜています。

■満開の桜の木の作り方

 さて、補足として桜の作り方をご紹介します。最初はジオコレの桜を使うつもりでしたが、イメージしたものより小柄だったので、枝ぶりの大きい同じくジオコレのケヤキを使用しました。桜の花にはヒルマモデルクラフトの樹木の葉(粉末状のライケン)の白と桜色を白の割合を多めに配合して使用しました。さらにゴマすりを使用して粉末をより細かくし、ゴム系接着剤で枝に接着しました。

 枝に直接付いたライケンはしっかり固着しますが、ライケンは弾性があり、特にライケン同士で絡んでいるものは簡単に外れてしまいます。そこでより確実な固着と花の着色を兼ねて、メディウム水溶液にピンクのアクリル絵の具を混合したものをスポイトでライケンに染み込ませました。これでライケンのボリューム感を維持したまま丈夫に固着してくれます。
 今回の作例では桜の木を自作しましたが、各メーカーから市販されている完成品を活用すれば、もっと手軽に満開の桜並木を再現することもできます。自分に合ったやり方でチャレンジしてみるのもいいでしょう。

 そのほか川や線路沿いに生い茂った雑草にはシルフローのミニネイチャーを適宜使用し、細密感を演出。架線柱はTOMIXの複線架線柱に銀河モデルの架線を吊り下げてジオラマの総仕上げとしました。

 現実の桜は見頃を迎え、これから散っていくでしょうが、このジオラマのある一角だけは、ずっとうららかな風が流れています…。

↓詳しいメイキング写真はこちら!↓

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