text & photo:RMM
とある中古模型店で見つけたなんだか古めかしい12系のNゲージ。現在の水準で考えるとお世辞にも「精巧」とは言い難いモデルですが、今見るとそのシンプルな造形が却って新鮮にも思えます。実はこの模型、今から約45年程前に生産されていた香港製のTOMIX 12系なのです。今回はこの模型に焦点を当てていこうと思います。
■香港製だったTOMIX 初代12系
1977(昭和52)年に発売されたこの初代TOMIX 12系。当時のTOMIXでは国産と香港製のモデルを並行して生産していた時代で、この12系は香港製となります。肉厚な車体やはめ込み式ではない窓ガラスなど、現在の精巧な模型と比べるとどうしても「おもちゃっぽさ」を感じてしまいますが、そんな雰囲気がレトロモデルの魅力とも言えるでしょう。
■謎の突起
車体を眺めていると気になるのが車体裾にある見慣れない「黒い突起」。もちろん実車にこのようなディテールがあるわけではなく、これは床板と車体を固定するためのもの。ディテールフルな現在の製品ではまず見られない設計です。ちなみに後の改良で車体と床板の固定に台車を介したネジ止め固定となり、この突起は姿を消しました。
■どんな機関車でも遊べる!
さて、各地で使用された急行型客車の12系は、模型的にも非常に遊びやすい形式です。実際に様々な機関車に牽引されたこの車両ですが、現行の製品の機関車とくっつけてしまうとディテールの差がやはりどうしても気になってしまいそうです。遊ぶときは同じような年代にリリースされた機関車と合わせて楽しみたいところですね。
精巧な出来ではないからといって魅力がないというわけでは決してなく、この玩具的なフォルムが却って味わい深く感じる造形に思えました。
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