’39年に旧東横電鉄時代に製造されたモハ1000形を前身とするデハ3500形。このうちデハ3508は、’47年4月に渋谷駅構内で発生した車輌火災による被災車輌で翌月に一旦、クハ3650形クハ3657号として復旧。しかし車体の老朽化が著しくなり、当時製造中だった、クハ3670・3770形用の全金属車体への載せ換え、同時にデハ3508号へ復帰を果たした。この時点で唯一の貫通スタイル。ノーシル・ノーヘッダーと他の仲間達とは姿形が全く異なる車輌となった。その後の車体更新で張上げ屋根、前灯シールドビーム化改造は仲間と共に施工。唯一の貫通スタイルはそのままとなり、’89年まで活躍。ちなみにこの大更新後、同線に所属のデハ3801号と似た者同士となったが、車輌の向きのほか、下回りが異なるため、容易に見分けがついた。 ’87.12.22 目蒲線 多摩川園 P:梶村昭仁