昭和3年に開業したもと奈良電気鉄道のデハボ1000形は昭和38年に近鉄となり、形式もモ430形となった。京都・奈良間を結ぶ高速電車であるが、当初より大和西大寺と奈良間は当時の大軌、現在の近鉄奈良線に乗り入れるという形態であった。戦後丹波橋で京阪とも乗り入れることになり、路線を変更したが、京都行き列車は京阪本線を平面で横断したため、列車増発の為昭和43年に現在のような旧線を復活した立体交差の姿となった。旧奈良電デハボ1000形の急行電車は平坦区間でノッチを入れっぱなしにして走ると90km/h程度は軽く出て、軽快に飛ばした記憶がある。大阪万博を控えて、近鉄奈良線を始めとした600v区間は1500Vに昇圧したため、大半は廃車となったが、その内2両は大阪線用の木造荷物電車、モワ2831形と車体を取替えて昭和52年まで活躍した。 ’67.12 京阪丹波橋(近鉄京都線が乗り入れ時代) P:永野晴樹