近鉄モ6301形は戦前昭和13年、関西急行電鉄により、大阪~名古屋間直通運転用の狭軌区間用(ほぼ現在の近鉄名古屋線区間)に製造された1形である。戦後は近鉄6301形となり、初代名阪特急の狭軌線であった現在の名古屋線区間に活躍した。その後新型特急車の増備によりいち早く特急の座からは退いたが、伊勢湾台風をきっかけとした近鉄名古屋線の標準軌への改軌後も名古屋線の急行電車に活躍した。17m車であるが、大きなパンタグラフを振りかざし、正面の幌を膨らませて快走する姿は、いかにも関西の私鉄電車であると言う風格を見せていた。ほとんどが平坦線である名古屋線では、大阪線の2200系のような豪快な走り振りではなかったが、ノッチを入れっぱなしにして突っ走ると100km/h位の速度で軽快に走った。写真は当時新製された京都・伊勢特急、18200形(左)の試乗会でのスナップ。 ’66.12 宇治山田 P:永野晴樹『国鉄時代』vol.11は9月21日発売です。詳細は>