■京都線の採寸を変えた?地下鉄直通車
阪急電鉄3300系は大阪市営地下鉄(現・Osakaメトロ)堺筋線への乗り入れに備えて、1967年に登場した京都線向けの通勤車であり、1969年までの2年間で総勢120両が一斉投入された。
また、直通先の大阪市交通局との乗り入れ協定に基づき製造されたため、神宝線系統の車両よりも幅100㎜広くなり、長さが100㎜短くなっている。この採寸はのちの京都線系統の車両に採用されていくこととなり、現在にも引き継がれている。
設備面では同時期に計画された5000系との共通点が多いが、デビュー当時は5000系と同じ阪急の標準的な非表示幕車のスタイルに手動の行先表示幕が装備されていた点が異なる。ただし、これは地下鉄直通の一部種別と回送のみに使用され、普段は行先表示板が使用されていた。なお、1982年から1985年にかけて行われた冷房改造時に併せて行先表示幕と種別表示幕が装備され、現在の姿となった。
現在、一部に廃車が発生しているものの、8輌編成5本と7輌編成9本が健在している。編成の中でも運転台を撤去した中間車や運転台を撤去せず中間封じ込めとした車両を組み込んでいるなど編成によって仕様が細かく異なっている。
また、神宝線系統から3000系列が引退した今、阪急に残る最後の3000系列となった。
▲阪急3300系 京都線系統で長きにわたって活躍している3300系。
現在も96輌が在籍し、京都本線・千里線および地下鉄堺筋線乗り入れでも活躍している。
‘14.9.21 阪急京都本線 淡路~上新庄 P:廣瀬 匠
本文:RM 要約・再構成:RM レイル・マガジン437号より