三岐鉄道の主力電気機関車で現在9輌が在籍しているが、出自により細分化されている。ED451〜453は三岐鉄道の全線電化に合わせ、1954年に製造された。なお、三岐鉄道の電気機関車右運転台が特徴となっており、1970年に重連総括制御装置が追加増備された。
ED454・455は、元は1957年に富山地方鉄道に導入したデキ19040形19041・19042であった。この2輌は有峰ダム建設のセメント輸送用として小野田セメントが発注したもので、工事終了後には三岐鉄道への転用を前提とし、ED45形に準じた設計となっていたが、車体の裾絞りがないなど、外観に相違点が見られる。
ED458の前身は東武鉄道ED5000形ED5001で、1950年に製造されているため、ED45形の中では最古参となっている。1978年に廃車後三岐鉄道に譲渡され、重連総括制御化や右運転台化などの改造を1979年に実施し、1993年にED458に改番された。
また、ED459は東武鉄道が1963年に製造したED5060形ED5070で、1991年に譲渡された。ただ、当初ED5060形はED5069・5070の2輌が譲渡され、改造する予定だったが、景気の後退で貨物需要が伸び悩んだため改造は中断。ED5069は部品を提供し、解体された。しかし、中部国際空港建設用埋立土砂輸送のため、ED5070の改造工事を再開。2000年にED459として竣工した。
このような出自の違いによる形態の違いに加え、台車や扉の交換を行った車輌もあるため、バリエーションが非常に豊かとなっているほか、中には車齢60年を超えるものもあり、非常にディープな世界となっている。また、牽引しているタキ1900もバリエーションが豊富となっており、こちらも一緒に楽しみたい。
▲三岐鉄道ED45形電気機関車 富田駅にED453牽引のセメント列車が到着。本機は1954年に製造された三岐鉄道生え抜きの車両。2018.11.4 関西本線 富田 P:廣瀬 匠
本文:RM 要約・再構成:RM レイル・マガジン437号より