DF200が本線機関車であった一方、貨物用ディーゼル機関車のもう一つの活躍の場が貨物駅構内の入換である。ここでは国鉄時代より長らくDE10形、DE11形が使用されてきた。これらの機関車は経年が40~50年(2017年時点)に達していたことから、置換えが必要であった。
また、入換機は短区間の貨物列車牽引にも使用されることから、ある程度の速度性能が求められるとともに、低等級の路線への乗り入れのため、軸重にも制約があった。JR貨物はDF200形における成功に鑑み、次世代の入換機DD200形についても電気式を採用することとした。
▲JR貨物DD200形900番代 セミセンターキャブの車体にV型12気筒のコマツFDL30Z型(1,217ps)を1基搭載。定格160kWのFT102形主電動機4個を駆動する。現在は愛知機関区に配置。’17.7.5 新鶴見機関区 P:松沼 猛
機器の小型軽量化が進んだため、DE10形に比べ 6t余りの軽量化に成功した。また、DE10形の3軸台車が整備上の難点となっていたため、軸数を4に減らしたが軸重は14.7tで、いわゆる3級線にも入線可能となった。
しかしながら、所定の牽引力を得るためには粘着力を左右する軸重を過度に軽量化することは好ましくなく、軸数を減少させ、JR貨物が既出の機関車で使用している2軸台車の基本形を踏襲したと考えられる。
これは、DF200形をはじめ既存の電気機関車と各種機器類を共通化することで、部品調達の共通化や教育・習熟プログラムの集約といった整備効率化が理由として考えられる。JR世代の気動車の開発コンセプトと軌を一にするものであり、電気式ディーゼル機関車の復権の背景であるとも言えよう。(電気式ディーゼル機関車編 終)
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本文:児玉光雄 要約・再構成:RM レイル・マガジン433号より