鉄道ホビダス

2015年10月アーカイブ

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▲またとない好天に恵まれた「SLキューロク館」前で記念写真に収まるWATTRAINメンバー。'15.10.25 真岡
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先週土曜日から始まったWATTRIN(World Association of Tourist Trams and Trains)の公式日程ですが、25日(日曜日)はビジネスセッションを中断して真岡鐵道の視察へと向かいました。2週間近いプログラムの多くは保存鉄道や博物館の視察が予定されており、真岡鐵道はその最初の訪問地です。

20151027224222-d89f84e09a3622b6d245f79e2ac76af441a10ff0.jpg折しもこの日の「SLもおか号」はハロウィーンのイベント列車となっており、車内には仮装をした子どもたちがいっぱい。これにはWATTRINの皆さん、ことに奥様方は大喜びで、期せずしてまたとない歓迎となりました。一行はまず真岡駅で下車、「SLキューロク館」で圧縮空気で動く49671号を見学しました。
▲真岡駅では井田隆一真岡市長兼真岡鐵道社長が出迎えてくれた。'15.10.25 真岡
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この圧縮空気での動態復活には皆さんかなり衝撃を受けられたようで、ことに前日のビジネスセッションでは石炭燃料の問題がシビアに論じられていただけに、矢継ぎ早に質問を浴びせられました。ひょっとすると、この真岡視察がひとつの契機となって、圧縮空気での動態復活が将来的に世界のトレンドとなってゆく可能性さえありそうです。

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▲東京ステーションコンファレンスで行われた公開シンポジウム「鉄道遺産の保存と活用」。公益財団法人交通協力会と日本鉄道保存協会の共催で開催。'15.10.26
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明けて翌26日(月曜日)午前中はWATTRAINのビジネスセッション2日目と、日本鉄道保存協会の年次総会が同じ東京ステーションコンファレンスで行われ、続いて交流を深める合同昼食会が賑やかに開催されました。14時30分からは公開シンポジウム「鉄道遺産の保存と活用」が行われ、200人以上の皆さんにご出席いただきました。

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▲JR東日本の大宮総合車両センター見学後は、東武鉄道と東武博物館のご厚意で大宮〜東向島間に8111Fの特別列車を仕立てていただいた。'15.10.27 大宮
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そして今日、27日(火曜日)はWATTRAINと日本鉄道保存協会参加メンバー合同で朝から大宮総合車両センターを見学。JR東日本のお取り計らいで、入場中のC61 20号機も拝見することができました。それにしても、さすが世界各国の保存鉄道の重鎮ばかりとあって、見学中に出る質問も想像さえつかないディープなものばかり。アテンド役の私もたじたじの状況でした。

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▲8111Fの特別列車の前サボを手にするブレット・フィッツパトリックさん(オーストラリア)。左はデイビッド・モーガン会長。'15.10.27 東武博物館
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大宮総合車両センター見学後は東武博物館へ。ただし、移動時間を考えるとかなり無理があり、そこで東武鉄道と東武博物館が格別のご配慮を下さり、8111Fの直通特別列車を仕立てて下さいました。これには日本鉄道保存協会参加者の皆さんはもとより、WATTRAINの皆さんも初めて乗る"ナローゲージのコミュータートレイン"の保存車に大感激の様子でした。

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▲WATTRAINの皆さんと日本鉄道保存協会メンバーとの記念撮影。この後、東京スカイツリー見学へと向かった。'15.10.27 東武博物館
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明日よりWATTRAIN一行の大井川、リニア・鉄道館、博物館明治村、嵯峨野観光鉄道、梅小路等の視察アテンドのため、小ブログは今週一杯休載とさせていただきます。

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▲いろいろな意味で衝撃的だったイギリスのDavid Madden(デイビッド・マッデン)さんの講演"The Future of Coal"(石炭の将来)。パワポで投影されているのはEUの規制にともなって破壊されてゆく石炭火力発電所。'15.10.24 鉄道博物館
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先週24日(土曜日)からいよいよWATTRIN(World Association of Tourist Trams and Trains)の公式日程がスタートしました。初日は鉄道博物館の鉄博ホールを舞台に、ボルティモア&オハイオ鉄道博物館のコートニー館長の基調講演を皮切りに、アルゼンチン、オーストラリア、日本、イギリス、イタリア、アメリカの各国がそれぞれの興味深いテーマで講演を行いました。残念ながらすべて拝聴することはかないませんでしたが、"The Future of Coal"(石炭の将来)と題するイギリスのDavid Madden(デイビッド・マッデン)さんの講演が強く印象に残りました。マッデンさんは冒頭で、「石炭の将来」と題してはいるものの、これは探り当てた回答を披露するものではなく、疑問と問題を提起するものです...と念を押されて講演を始められました。

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▲英語、スペイン語、日本語の同時通訳が入った会場は、ドメスティックな会議とはまったく異なるシビアさが印象的だった。'15.10.24 鉄道博物館
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言うまでもなく保存鉄道の中心をなす蒸気機関車の主たる燃料は石炭です。米国内には実に350年分の使用量に相当する石炭が埋蔵されているとされ、中国、インドでも同様ですが、石炭燃料の燃焼による大気汚染と温暖化はいまや国を超えた地球規模の課題となっているのはご存知のとおりです。イギリスでは現在稼働している24箇所の炭礦すべてを2016年までに閉鎖し、さらに石炭による火力発電所を国策として2023年までに廃止もしくはバイオマス等の低負荷のものに転換する方針となっているそうです。

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▲日本からは大井川鐵道で長年にわたって蒸気機関車の管理を行ってきた鉄道部石川次長がプレゼンテーションを行った。'15.10.24 鉄道博物館
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英国内の石炭火力発電所が1時間に使用する石炭は約3,500t。いっぽう、保存鉄道の蒸気機関車が使用しているのは1時間あたり約1.3tに過ぎませんが、現在の規制ではその用途に関わりなく一律削減の対象となってしまいます。歴史的近代化遺産としての保存蒸気機関車と火力発電所が同一に論じられ、規制されて良いのか、生臭い言い方ながらロビー活動も含めた国際的連携が急務となってきているとマッデンさんは力説されていました。
ちなみに、英国では一般の方にあらぬ誤解を与えぬように、鉄道趣味誌においても煙の多い蒸気機関車の写真は掲載しないのが編集者の常識となっているそうです。わが国の現状に照らし合わせてみると、なんとも言葉がありません。

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▲初日のビジネスセッション終了後、パレスホテルに場所を移してコンファレンス・ディナーが行われた。昼間は盆栽博物館などノン・レイル・プログラムを楽しまれた奥様方も交えてのひととき。米国ボルティモア&オハイオ鉄道博物館のフランシス・スマイル議長と談笑されているのは鉄道博物館の大信田尚樹館長。'15.10.24 パレスホテル大宮
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WATTRAIN Congress 2015始まる。

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▲姉妹館提携記念銘板除幕式を終えて記念撮影に臨まれる米国ボルティモア&オハイオ鉄道博物館のフランシス・スマイル議長、コートニー・ウイルソン館長、鉄道博物館大信田館長、清水さいたま市長、東日本鉄道文化財団清野理事長。'15.10.23 鉄道博物館
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20151023230932-0a9c6b3a77976dd97a293fead8ffbe1ee3e7101c.jpg今日は鉄道博物館と米国ボルティモア&オハイオ鉄道博物館との姉妹館提携記念銘板除幕式が行われ、午前中はその様子を拝見してまいりました。除幕式にはボルティモア&オハイオ鉄道博物館のコートニー・ウイルソン館長ご夫妻を始め、日本側からは清水勇人さいたま市長らが出席、ヒストリーゾーン二階のステンドグラス前のオープンスペースで華やかに式典が行われました。
▲ボルティモア&オハイオ鉄道博物館のコートニー・ウイルソン館長と鉄道博物館の大信田尚樹館長の手によって記念銘板の除幕が行われた。'15.10.23 鉄道博物館
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▲日本鉄道保存協会主催のWATTRAIN Congress 2015ウエルカム・パーティーのオープニングで挨拶される清水勇人さいたま市長。トランスレーションは交通協力会の菅理事長、左はWATTRAINのデイビッド・モーガン会長。'15.10.23 パレスホテル大宮
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そして午後は大宮駅前のパレスホテル大宮へ移動、昼過ぎからWATTRIN(World Association of Tourist Trams and Trains)のレジストレーションが始まりました。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、台湾、オーストラリア、アメリカ、アルゼンチンと世界各国から保存鉄道関係者が続々と到着、ことにアルゼンチンからの5名の皆さんが到着するなり「2日間かけて地球を半周してようやく到着しました」とおっしゃっていたのが印象的でした。

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▲午前中、鉄道博物館で除幕式をされていたボルティモア&オハイオ鉄道博物館のコートニー・ウイルソン館長もお出でになり、パーティーは賑やかなものとなった。'15.10.23 パレスホテル大宮
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▲WATTRAINのデイビッド・モーガン会長と話し込むアルゼンチンの皆さん。明日のビジネス・セッションでは"Sustainability in Tourist Trains"、"The Permanent Challenge of Reducing Costs in Steam Locomotive Restoration"の2本を担当される。'15.10.23 パレスホテル大宮
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明日の朝からはいよいよ本格的なビジネス・セッションが始まります。今回の統一テーマは"Sustainability,inspiring the new generation"、つまり「持続可能性、新世代への勇気づけ」です。軽い昼食を挟んで18時まで、びっしりと会議が続きます。

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▲月夜の七戸駅ホームに佇むレールバス101。現役時代を彷彿させる光景。'13.10.19 P:名取紀之
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南部縦貫レールバス愛好会さんから、来たる11月7日(土曜日)に開催予定の「レールバス 夕暮れ撮影会 2015秋」のご案内をいただきました。しかも今年はなんとキハ104(旧国鉄キハ10-45)の動態復帰の御披露目も予定されているとのことです。

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▲ひさしぶりにエンジン音を響かせて庫外へと出てきたキハ104。P:南部縦貫レールバス愛好会
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長年にわたって修復作業に取り組んできたキハ104ですが、他団体の協力やボランティアの方々の献身的な努力もあってエンジン・トルクコンバーターの不調を快復、走行可能な状態にまでなったそうで、試運転も完了したとのこと。当日、車輌の状態に突発的な異常がなければレールバスとのツーショットが実現します。

20151021154419-c0bcf71c1c26063310238290ebdcc6d6d411b645.jpgレールバス 夕暮れ撮影会 2015秋
○日時
 2015年11月7日(土)12:00~18:30
 雨天決行・入場無料
○会場
 南部縦貫鉄道旧七戸駅
 青森県上北郡七戸町笊田48-1
○内容
・レールバスのデモ走行(※レールバスの体験乗車は行わない。)
・レールバス車内見学
・機関庫内見学
・レールバス夜間撮影会の実施
・グッズ販売 など
○問合せ
 七戸町観光協会
 TEL 0176-58-7109
詳しくは下記を参照
南部縦貫レールバス愛好会 ウェブサイト(→こちら
※夕暮れから日没まで撮影時間を延長し車輌をライトアップする。なお、今年は撮影場所・撮影アングルの変更を計画しており、例年とは違う形での撮影となる予定。
▲庫内に収納されている状態のキハ104。今回の撮影会では機関庫内の見学も可能。'13.10.19 P:名取紀之
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▲旧七百駅構内に保存されている車輌たち。モハ3401、モハ3603(塗装修復中)、ED301、ED402、トラ301・302の各車が七百レールファンクラブの皆さんによって保存されている。'13.10.19 P:名取紀之
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そして翌11月8日(日曜日)には旧十和田観光電鉄七百駅構内にある「七百鉄道記念館」で2回目となる一般公開が行われます。十和田観光電鉄株式会社の協力により、今年5月に行われた第1回一般公開以来、約5ヶ月ぶりの一般公開となります。

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▲11月8日の一般公開のフライヤー。
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七百鉄道記念館(しちひゃくてつどうきねんかん)第2回一般公開
○日時
 2015年11月8日(日)10:00~15:00 雨天決行・入場無料
○会場
 青森県上北郡六戸町大字犬落瀬字権現沢14-66
○同時開催
・写真集「我が愛し十鉄」発売 著者:小沢純二
・旧七百駅舎内での写真集発売記念DVD上映会
・とうてつ名物「駅そば」販売
○その他
・駐車場の台数には限りがあるので、できるだけ路線バスなどをご利用下さい。
・一般公開日以外の日は原則、非公開です。
・既に架線は取り外されており、電車が動くことはありません。
・安全などの事情で、一部立入禁止箇所を設定している場所があります。
・現場では、係員の指示に従ってください。

冬の訪れを前に、紅葉が最後の彩を見せる上北地方、土日と連続する魅力的なイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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▲高松方先頭車8600形(Mc)から見た8600系量産車の3輌編成。編成番号はE1とE2で、公開されたのはE2編成。'15.10.19 高松運転所 P:RM(伊藤真悟)
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JR四国は、昨年3月に8600系特急型直流電車(量産先行車)を投入し(アーカイブ「JR四国8600系特急型直流電車(量産先行車)を公開」参照→こちら)、同年6月23日より高松~松山間の特急「いしづち103・104号」で営業運転を行っていますが、このほど量産車(グリーン車含む3輌編成2本6輌、2輌編成2本4輌)を新製し、このうちの3輌編成が10月19日に高松運転所で報道公開されました。

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▲松山方先頭車の8700形(Tsc)。貫通幌付で、後位側屋根上にパンタグラフを搭載する。客室は前位側がグリーン席で後位側が普通席。後位側に車いす対応の多機能トイレ、洗面台、多目的室を備える。定員はグリーン席12名、普通席17名の計29名。'15.10.19 高松運転所 P:RM(伊藤真悟)
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外観は量産先行車と同様ですが、3輌編成は松山方から8700形(Tsc)+8800形(T)+8600形(Mc)で、8700形の前位側がグリーン席、後位側が普通席となっているのが特徴です。

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▲3輌編成に組成される付随車の8800形(T)。床下には電動空気圧縮機を搭載する。定員は68名。'15.10.19 高松運転所 P:RM(伊藤真悟)
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8700形のグリーン席は2人掛け+1人掛け腰掛が4列(定員12名)で、腰掛には電動レッグレストと読書灯を装備しているほか、全席にコンセントを設置しています。一方、普通席は2人掛け+2人掛け4列と車いす対応席1席を設け、定員は17名となっています。また、後位側には車いす対応の多機能トイレ、洗面台、多目的室が設けられています。

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▲8700形のグリーン席。暖かみのある照明、木質の壁や床のカーペットで、より落ち着きのある重厚で上質な空間としている。'15.10.19 高松運転所 P:RM(伊藤真悟)
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20151021151637-fc30831477dd622c339074dc8b6c689fa3fdfbf4.jpg8800形は全室普通車で定員は68名。トイレ等の設備はなく、8600形にトイレ・化粧室、男性用トイレが備えられています。
普通席の腰掛モケットは、量産先行車と同様にアクセントカラーのオレンジとグリーンを鮮やかに配色し、8700形の普通席と8600形がグリーン、8800形がオレンジを基調としています。また、背もたれと連動して座面が前方にスライドするリクライニング機構や各座席へのコンセント・可動式枕・ドリンクホルダー・コートフック等も量産先行車のものが引き継がれています。

▲グリーン席の腰掛は、電動レッグレスト、読書灯を装備したワンランク上のものとしている。なおシートピッチは1170mm。'15.10.19 高松運転所 P:RM(伊藤真悟)
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システム面も量産先行車と同様で、制御方式に発電・回生ブレーキ付VVVFインバータ制御、主電動機に全閉外扇式三相かご形誘導電動機を採用し、空気バネ式車体傾斜方式を取り入れています。

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▲8800形の客室内。腰掛はオレンジを基調としており、量産先行車と同様に床は木目調。普通席のシートピッチは980mm。'15.10.19 高松運転所 P:RM(伊藤真悟)
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▲8600形の客室内。こちらはグリーンを基調とした腰掛。なお、グリーン席、普通席の画像とも腰掛の可動式枕へのリネンは未取り付け状態である。'15.10.19 高松運転所 P:RM(伊藤真悟)
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ちなみに量産車の2輌編成は、量産先行車と同じく松山方から8750形(Tc)+8600形(Mc)となっています。この8600系特急型直流電車の量産車は、今後、各種性能試験を実施したのち、年度内までに高松~松山間の特急「いしづち」と岡山~松山間の特急「しおかぜ」に充当される計画となっています。
なお、この量産車につきましては、11月21日発売の本誌388号で諸元表などとともに詳しく紹介する予定です。
取材協力:四国旅客鉄道株式会社

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▲山手貨物線大塚付近を行き交うEF15 48とEF12 13。武蔵野線開業まで山手貨物線は物流の大幹線であった。'63.2 P:浅原信彦 (RMライブラリー195巻『国鉄EF12形電気機関車』より)
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今月のRMライブラリーは小林正義さんによる『国鉄EF12形電気機関車』をお届けします。小林正義さんはこれまでにも125・126巻で『国鉄EF13形-戦時型電機の生涯-』(→こちら)、147~149巻で『国鉄アプト式電気機関車』(→こちら)、そして179巻で『EF18形電気機関車-異端電機の生涯-』(→こちら)を著されており、RMライブラリーでは今回が4作目となります。

20151020150510-5ccaa6c025fe7a6c13d78306bf0bcfa0f8ee7856.jpgEF12形について改めて説明いたしますと、1941(昭和16)年に1次車が落成した貨物用電気機関車です。1934(昭和9)年に登場し、増備が重ねられてきたEF10形の改良型とも言えるもので、その最終グループをベースに主電動機出力を増強したもの、と言えます。EF10形では増備の過程で各種の改良が重ねられていたため、その完成形とも言うべきEF12形は、登場時は「最高の出来映え」と称賛されました。

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▲細密イラストによるEF10形からEF12形までの車体形態変遷の解説。EF12形はEF10形第6次型の車体を受け継いだ。 (RMライブラリー195巻『国鉄EF12形電気機関車』より)
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しかし、このEF12形が完成したころは、ちょうど第二次世界大戦が激化しつつある状況であり、翌年から誕生した2次車では資材を節約すべく外板を厚さが薄くなり、その中でも完成が1943(昭和18)年~1944(昭和19)年にずれ込んだ9・10・12・14・15号機は本来2台装備するはずの電動発電機が1台のみという、戦時設計となってしまいました。そして、このEF12形を下敷きに、究極の戦時設計型ともいうべきEF13形が誕生し、結局EF12形は17輌のみに終わってしまったのです。

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▲7・8号機の活躍。最高の出来映えと称賛された1次型はこの7・8号機までであった。 (RMライブラリー195巻『国鉄EF12形電気機関車』より)
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EF12形はEF10形のように関門トンネルや飯田線でも活躍したり、あるいはEF13形のように車体載せ替えなどの大きな改造をしたわけでもなく、配置区所も関東地方の機関区に終始したため、どちらかと言えば地味な印象が残る機関車となりました。最後は吾妻線で運用されていた高崎第二機関区所属機が1981(昭和56)年に運用を終了、保存されることなく翌年形式消滅しました。

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▲10号機の活躍。戦時供出されたのだろうか、この10号機をはじめ、EF12形には製造銘板が取り付けられていないものが多く存在した。 (RMライブラリー195巻『国鉄EF12形電気機関車』より)
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本書では、そのベースとなったEF10形の成り立ちから筆を起こし、その上から誕生の経緯や形態、装備、その後の改造、そしてEF13形への移行までを、小林さん自身の手による細密イラストも織り交ぜつつ解説。さらにEF12形全機の写真を掲載し、それぞれの現役時代の活躍を再現するものです。ぜひ既刊の『国鉄EF13形(上・下)』と合わせてご覧ください。

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▲旧湯ノ岱駅構内を快走する足こぎ式トロッコ。江差線木古内〜江差間廃止から1年5か月、束の間の賑わいが戻ってきた。'15.10.11 P:辻 晴穂
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去る10月11日(日曜日)、昨年5月に廃止された江差線湯ノ岱駅跡で足こぎ式トロッコを走らせようというイベント「湯ノ岱駅まつり」が開催されました。企画したのは「北海道夢れいる倶楽部」をはじめとした実行委員会の皆さんです。

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▲旧湯ノ岱駅はこの日に限って「天の川トロッコ鉄道湯ノ岱温泉駅」に名を変え、駅前に乗り入れた函館バスからは続々と降車客が...。。'15.10.11 P:辻 晴穂
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江差線現役時代から疑似駅「天ノ川駅」(アーカイブ「さようなら"天ノ川"駅」参照→こちら)を設けて江差線応援の一助とするなどしてきた「北海道夢れいる倶楽部」では、湯ノ岱駅周辺に残された軌道と施設を活用して新たな取り組みができないかと、今回のイベントを企画したものです。構内の軌道500mほどを利用して旧湯ノ岱駅を「湯ノ岱温泉駅」、南端を「南湯ノ岱駅」北端を「北湯ノ岱駅」と命名して足こぎ式トロッコを走らせようというのです。

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▲雑草の生い茂ってしまった構内は「北海道夢れいる倶楽部」のメンバーの手で足こぎトロッコが走行できるように整備された。'15.10.11 P:辻 晴穂
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▲駅舎内では江差線関連の様々なグッズ販売も行われた。また、9日には日本郵便北海道支社から「天ノ川駅」を記念したフレーム切手セット「想いでの江差線 さようなら天ノ川モニュメント」も発売されている。'15.10.11 P:辻 晴穂
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肝心の足こぎ式トロッコは「狩勝高原エコトロッコ鉄道」(→こちら)から借り受け、有料で体験運転を実施、10時から17時までの"営業時間"中はひきもきらない盛況だったそうです。

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▲終日大賑わいだった「湯ノ岱駅まつり」。来年以降は自前のトロッコでと夢が広がる。'15.10.11 P:辻 晴穂
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「北海道夢れいる倶楽部」では、今回の好評を受けて来年以降は自前の足こぎ式トロッコを調達してイベントを本格化したいと夢描いているそうです。

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▲新宿方のデヤ901形を先頭にした新しい事業用車。9000系に比べて前面の帯はライト下に回り、側面の帯は「DAX」にあわせて太くなっている。'15.10.15 若葉台車両基地 P:RM(伊藤真悟)
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京王電鉄では、京王線で総合高速検測車「DAX」(→登場時の記事はこちら)による軌道・架線の検測、チキ290形による資材輸送をデワ600形の牽引で行っていますが、デワ600形が鋼製車体であり経年により老朽化していること、直流電動機を搭載しているため故障発生リスクが高いことなどから、今年の9月に新しい事業用車輌を導入いたしました。

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▲京王八王子方のデヤ902形から見る。パンタグラフ(PT7110-F)は各車とも京王八王子方に取り付けられており、デワ902形は「前パン」車。各車とも車体側面の種別・行先表示器はない。'15.10.15 若葉台車両基地 P:RM(伊藤真悟)
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この新しい事業用車輌は、新宿方からデヤ901形(901号車、Mc1)+デヤ902形(902号車、Mc2)の全電動車2輌編成で、9000系をベースとしたステンレス車輌です(先頭部は鋼製)。このため形式と車号は900番代となりました。

20151016193748-d02b71cafd5e90fc57befc4f2b8c7fa25efba9ec.jpg前面塗装は、営業車輌との差別化や夜間走行時の視認性を考慮して黄色とされており、「DAX」との一体感を創出するため側面には帯状のラッピングが施されています。また、デヤ901形・デヤ902形は降雪時の線路除雪も可能とするため、先頭台車には排雪板が取り付けられています。

▲各車の先頭台車(TS-1017A)に取り付けられた排雪板。'15.10.15 若葉台車両基地 P:RM(伊藤真悟)
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▲乗務員室側から見たデヤ902形の車内。ブレーキ制御装置などの機器が搭載される。右手前の機器は、バッテリーリレーと蓄電池箱。'15.10.15 若葉台車両基地 P:RM(伊藤真悟)
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主制御器はVVVFインバータ制御装置を搭載し、主回路素子にIGBTを用いた2レベルインバータ方式、補助電源装置はIGBTを用いた2レベルインバータ方式のSIVを採用しています。主制御器や補助電源装置など、すべての機器は1輌ずつに搭載されており、機器故障発生時にも走行が可能となるようにシステムが2重化されています。

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▲車内妻部には4人掛けの腰掛が2ヶ所設置されている。'15.10.15 若葉台車両基地 P:RM(伊藤真悟)
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20151016193954-42d40e70d8432f6f8c8d81f878ab460628b7640a.jpg車内は各車とも京王形デジタルATC装置やブレーキ制御装置、蓄電池、元空気タンクなどの機器が搭載され、妻部には片持ち式の4人掛け腰掛が2ヶ所設置されています。なお、側窓は妻部を除いて固定式とされていますが、ロール式カーテンは取り付けられています。また、営業用車輌に見られるような車内案内表示器は取り付けられていません。

▲側窓は妻部を除いて固定式とされている。但し、ロール式カーテンは営業用車輌と同様に取り付けられている。'15.10.15 若葉台車両基地 P:RM(伊藤真悟)
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▲運転台は9000系10輌固定編成に準じており、速度計の左にATC表示灯が備わる。'15.10.15 若葉台車両基地 P:RM(伊藤真悟)
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20151016194108-1dc34a3f8d83ce69f0016098baa179724b2d484d.jpgこのデヤ901形・デヤ902形は、9月より性能確認試験等の試運転を実施していますが、運用開始時期は現時点では未定です。ちなみに、検測時にはデヤ901形+「DAX」+貨車+デヤ902形、除雪作業時は「DAX」を切り離したデヤ901形+貨車+デヤ902形の編成を予定しているとのことです。
▲デヤ901形・デヤ902形の車輌製造担当は株式会社総合車両製作所。'15.10.15 若葉台車両基地 P:RM(伊藤真悟)
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さて、レイル・ファンとしては気になるデワ600形の処遇ですが、残念ながら2016年度に廃車となる予定で、これにより同電鉄に所属する電動車はすべてが交流電動機を搭載することになります。
なお、このデヤ901形・デヤ902形については、本誌388号(11月21日発売号)で図面類を交えてご紹介する予定です。
取材協力:京王電鉄株式会社

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崩れ落ちた羽後交通ユキ3。

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▲ついに崩れ落ち、廃材の山と化してしまった羽後交通ユキ3。木造車の末路はあまりにはかない...。'15.9.17 P:日比政昭
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ひさしぶりにお会いした鉄道友の会理事の日比政昭さんから「羽後交通のユキ3がついに崩れ落ちてしまいました」と聞き、小ブログで紹介させていただこうと、画像をお送りいただきました。日比さんは鉄道友の会の「保存車・廃車体一覧」の編纂で長年にわたって全国各地の保存車・廃車体を訪ねておられ、ユキ3の状態もかねてより気にかけておられたそうです。

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▲同地点から見た4年前のユキ3の状況。すでにかなり傾いでしまっており、積雪に耐えられるのか懸念されていた。'11.7.23 P:名取紀之
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現地へ行ってみないと状況がわからなかったひと昔前と違って、現在はインターネット上で閲覧できる航空写真、さらにはGoogleストリートビューのような便利なサービスもあり、保存車・廃車体の現状把握もかなり楽になってきました。ところが、このストリートビューで確認できない個体もあり、ユキ3もその一例でした。

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▲倒壊したのち多少は整理されたのだろうか、周囲にはまるでバリアを張るかのように塩ビパイプが巡らされている。'15.9.17 P:日比政昭
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▲4年の歳月のもたらしたもの。'15.9.17 P:日比政昭/'11.7.23 P:名取紀之
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日比さんは現状を確認しようとわざわざ現地に出向かれ、このような"惨状"を目の当たりにされたとのこと。私が現認した4年前(アーカイブ「羽後交通ユキ3は今...。」参照→こちら)は、まだ辛うじて車輌としての形を保ってはいたものの、全体に平行四辺形に歪んでしまっており、遠からず"バタン"と倒れそうな気配ではありました。

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▲こちらは北炭真谷地のホハ1の末路。農地の片隅に資材小屋として置かれていたが、この写真を撮影してから数年後には姿がなかったという。'04.6.19 沼ノ沢付近 P:名取紀之
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鋼製車ならまだしも、木造車となると風雨に堪えられる歳月は限られており、小ブログでこれまでに紹介した木造車廃車体も次々と消えてしまっています。沼ノ沢付近の農地で資材庫として使われていた北炭真谷地専用線のホハ1(アーカイブ「"真谷地"の残像」参照→こちら)は、紹介後間もなく姿を消してしまったようです。

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▲近江鉄道桜川駅構内に残されていた木造車の"ダルマ"。その出自は明治31年に遡る歴史的車輌だったが、その後、撤去されてしまったという。'09.8.15 桜川 P:名取紀之
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また、近江鉄道桜川駅構内に残存していた明治期の古典客車の末裔(アーカイブ「近江鉄道桜川駅の謎の廃車体を探る」参照→こちら)も、その出自の稀少さゆえ何らかのかたちで保存されることを願ったものの、紹介して間もなく解体・撤去されてしまったと聞きます。

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第22回「鉄道の日」を祝う。

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▲祝賀会開催にあたり主賓挨拶をされる石井啓一国土交通大臣。'15.10.14 京王プラザホテル P:RM(名取紀之)
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今日は22回目となる「鉄道の日」。これを記念して東京・新宿の京王プラザホテルで「鉄道の日」実行委員会主催による祝賀会が華々しく開催されました。


▲日本鉄道大賞を受賞した沿線自治体と鉄道事業者7者の代表者の皆さん(前列)。後列は日本鉄道賞表彰選考委員会の皆さん。'15.10.14 京王プラザホテル P:RM(名取紀之)
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祝賀会には先週就任されたばかりの石井啓一国土交通大臣も来賓としてお見えになり、全国の鉄道事業を営む経営者の方々と積極的に言葉を交わしておられました。この「鉄道の日」に先立ち、先週末には日比谷公園で恒例の「鉄道フェスティバル」が開催され、10日(土)は7万9千人、11日(日)は6万3千人、両日合計で実に14万2千人が来場したそうです。今年3月の北陸新幹線金沢延伸開業、来年3月の北海道新幹線新函館北斗開業と、社会インフラ自体を大きく変貌させる鉄道の発展が、来場者の大きな増加にもつながったようです。

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▲特別賞を受賞された大井川鐵道前田 忍社長。後ろは「鉄道の日」実行委員会の森地 茂会長。'15.10.14 京王プラザホテル P:RM(名取紀之)
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さて、この「鉄道の日」の祝賀会では「日本鉄道賞」の表彰が行われるのが通例で、今年は日本鉄道大賞、日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「被爆と復興の記憶」特別賞、日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「高度な安定輸送実現」特別賞、日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞「SLを活用した観光鉄道の持続的チャレンジ」特別賞の4件が栄えある表彰を受けました。

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▲日本鉄道大賞に輝いた「沿線自治体との緊密なパートナーシップによる北陸新幹線金沢開業」。'15.2.5 金沢 P:RM(伊藤真悟)
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まず日本鉄道大賞ですが、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、東日本旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社、長野県、新潟県、富山県、石川県による「沿線自治体との緊密なパートナーシップによる北陸新幹線金沢開業」が受賞しました。沿線自治体と鉄道事業者の緊密なパートナーシップにより、北陸新幹線金沢開業が成功をおさめたことを顕彰しての大賞受賞です。

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▲特別賞を受賞した中国放送と広島電鉄による「被爆電車特別運行プロジェクト」。'15.10.14 京王プラザホテル P:RM(名取紀之)
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日本鉄道賞表彰選考委員会による特別賞は3件。まずは被爆しながらも2006(平成18)年まで現役として走り続けた「被爆電車653号」を復活させるプロジェクトを進め、この夏23日間にわたって特別運行を実現した株式会社中国放送、広島電鉄株式会社の「被爆電車特別運行プロジェクト」に「被爆と復興の記憶」特別賞が授与されました。

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▲同じく特別賞を受賞した京浜急行電鉄。高度な安定輸送実現がその授賞理由となった。(国土交通省鉄道局鉄道サービス政策室発表資料より)

次は「わが国最高水準の安定輸送の実現」したとして、京浜急行電鉄株式会社に「高度な安定輸送実現」特別賞が、そしてもうひとつは蒸気機関車「トーマス」でSLの新たな魅力を発信した大井川鐵道株式会社に「SLを活用した観光鉄道の持続的チャレンジ」特別賞が渡されました。京急は線路配線や信号などの地上施設、運行管理システムなどの設備の改良、先頭車輌の動力車化といった、ハード面の改善と工夫を長期にわたって営々と積み重ねてきたことに加え、高度なプロフェッショナリズムへのゆるぎない信念に基づいた「人間優位」の運行管理思想を社内の隅々まで徹底して、わが国で最高水準の安定輸送を着実に提供し社会に大きく貢献してきたことが顕彰されたものです。

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▲そしてもうひとつの特別賞が大井川鐵道の「きかんしゃトーマス」。40年近い動態保存のノウハウをベースに新たな需要を切り拓いた。'14.9.5 千頭 P:RM(伊藤真悟)
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大井川鐵道株式会社は所有機関車を「きかんしゃトーマス」のキャラクターに変身させることにより、新たな魅力を発信し、蒸気機関車体験のない世代にも大きな反響を呼び、地域にも経済効果をもたらしているとしての授賞です。先ごろ経営的に大きな転機を経験した大井川鐵道ですが、表彰式に出席された前田 忍社長も、この受賞は大きな励みとなると喜んでおられました。

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▲由利高原鉄道鳥海山ろく線には魅力的なロケーションが多い。子吉川沿いを行くYR−3002。11月3日には紅葉に包まれたこの区間を「エボルタ電車」が走る。'13.12.19 吉沢ー川辺 P:RM(名取紀之)
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去る10月1日、由利高原鉄道が開業30周年を迎え、由利本荘市内のホテルで盛大に祝賀会が開催されました。実は私もご招待いただいていたのですが、どうしても都合がつかずうかがえませんでした。春田啓郎社長のお話では、祝賀会の参加総人数は実に240人、姉妹鉄道締結をしている台湾鉄路管理局からも鐘副局長らが参加されたそうです。

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▲開業30周年記念植樹風景。左から台湾鉄路管理局鐘副局長、由利高原鉄道春田社長、鳥海山ろく線運営連絡促進協議会正木会長。'15.10.1 P:由利高原鉄道
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20151008114212-0b8ba2934b58e03fd831c32bf11f40dbd931528d.jpg由利高原鉄道が誕生したのは1985(昭和60)年10月1日。前身の矢島線は国鉄時代に第1次特定地方交通線に指定され、一時はバス転換がほぼ決定した中での方向転換、第三セクター化でした。旧矢島線の全線(羽後本荘~矢島間23.0㎞)を鳥海山ろく線として引き継いだ新会社・由利高原鉄道は、以後30年間に1,300万人もの乗客を運び続けてきました。
▲三陸鉄道の望月正彦社長の記念講演「三陸鉄道 復旧・復興の取組み」。'15.10.1 P:由利高原鉄道
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▲春田社長を中心に、来賓・鉄道関係者による集合写真。秋田おばこ姿のアテンダントの皆さんの姿も...。'15.10.1 P:佐藤和博
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2011(平成23)年に、いわゆる公募社長として春田啓郎さんが社長に就任されると、鳥海山ろく線の埋もれた魅力を掘り起こそうとさまざまな取り組みをされ、ことに情報発信を積極的にされてきました。その成果もあって、年々、団体客が増加してきているそうです。

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▲由利本荘市の「ふるさと納税返礼品」に加わった由利高原鉄道の「おばこ号貸切」。全国的にも珍しい試みとして注目を集めている。(由利本荘市ホームページより)
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全線が同じ由利本荘市内という利点もあって、行政も由利高原鉄道を積極的に後押ししてきており、最近では何と「ふるさと納税」の返礼品に由利高原鉄道の貸切ツアーまで登場しました。「ふるさと納税返礼品」といえば地元の名産品というのが定番ですが、由利本荘市は53品目ある返礼品の中の2つに「おばこ号貸切」を設定しています。寄付額10万円以上に対して鳥海山ろく線全線で貸切列車を走らせる"返礼"と、片道のみ貸切列車を走らせ、その代りオリジナルヘッドマークを装着(運転終了後プレゼント)できる"返礼"の2パターンで、全国的にも稀有な例として注目を集めています。

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▲エボルタ電車が走る前郷~矢島間はタブレット閉塞区間としても知られる。'13.12.19 前郷 P:RM(名取紀之)
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ところで、いま一番注目なのが、11月3日に行われる「エボルタチャレンジ」でしょう(アーカイブ「エボルタ電車が由利高原鉄道へ」参照→こちら)。川越工業高校電気科「電車班」製作の「エボルタ電車」が、乾電池のパワーだけで鳥海山ろく線前郷~矢島間往復20㎞を走り抜いてギネス記録にチャレンジしようというものです。30周年を迎えた由利高原鉄道全面協力のもとでのこの前代未聞の挑戦に、いまから期待が膨らみます。

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▲8月に行われた「エボルタ電車」の走行試験。製作途上の車輌を持ち込み、深夜に除雪用モーターカーの牽引によって各種の確認が行われた。そしていよいよ"本番"が、来たる11月3日に前郷〜矢島間で行われる。注目のスタート予定は12時10分。写真提供:パナソニック株式会社
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▲今日から開幕した「第8回 タムロン鉄道風景コンテスト 私の好きな鉄道風景ベストショット」の入賞作品写真展。会場はそごう大宮店3階。'15.10.9 P:RM(名取紀之)
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「第8回 タムロン鉄道風景コンテスト 私の好きな鉄道風景ベストショット」の入賞作品写真展が、そごう大宮店3階特設会場で始まりました。初日の今日(9日)はオープンに先立ちデパート開店前にオープニングセレモニーが行われ、さいたま市長臨席のもと、大賞、ユーモア賞を受賞された皆さんに賞状と賞品が手渡されました。

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▲大賞受賞の喜びを語る富澤涼一さん。写真は近年本格的に始めたとのこと。ただ、鉄道模型歴は実に半世紀以上だそうで、そう聞くと大賞作品もどことなく模型に見えてくるから不思議。'15.10.9 P:RM(伊藤真悟)
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▲広田さん、矢野さん、そしてタムロンの小野守男社長(左端)に囲まれる小・中・高校生の部の大賞受賞者の北村伶奈さんと、ユーモアフォト賞を受賞された西河博美さん(右)。西河さんは小ブログの読者でもあるとのこと。感謝!'15.10.9 P:RM(伊藤真悟)
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▲一般の部の大賞(さいたま市長賞)に輝いた富澤涼一さん(東京都調布市/63歳)の「新種!電車桜」。

今年の応募人数は1,753名、応募総作品数6,554点で、昨年より微減となったものの、これは作品展を「鉄道の日」に合わせるために今回だけ募集期間が一か月短くなってしまったことによるもの。ただし、「小・中・高校生の部」の応募数はそれにもかかわらず昨年対比で増加しており、8年目を迎えたこのコンテストがいかに裾野を広げてきたかがうかがい知れます。

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▲小・中・高校生の部の大賞(さいたま市教育委員会教育長賞)は北村伶奈(東京都墨田区/17歳)さんの「いすみ鉄道女子会」。

広田尚敬さんと矢野直美さんによる厳正な審査(アーカイブ"第8回「タムロン鉄道風景コンテスト」審査終了"参照→こちら)の結果、総計87名の方が入賞されました。審査に同席させていただいた私の目から見ても、今年は明らかにレベルが上がっており、ことに「小・中・高校生の部」の底上げ感は感動ものでした。

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▲すっかり毎年のお楽しみとなったユーモアフォト賞は西河博美さんの「夏のおもてなし」が受賞。

一般の部の総評で広田さんは「今年は類型的な作品が減り、個性的作品が目立ちました」と記しておられ、小・中・高校生の部の総評では矢野さんが「どこかで見た写真...というのではなく、それぞれに工夫されていて、(中略)鉄道写真の未来に期待を持つことのできた審査でした」と振り返っておられます。
※すべての入賞作品は、株式会社タムロンのウェブサイトにてご覧いただけます。
https://www.tamron.co.jp/

■第8回タムロン鉄道風景コンテスト「私の好きな鉄道風景ベストショット」 入賞作品写真展
会期:2015年10月9日(金)~10月31日(土)(23日間)10時00分~20時00分
会場:そごう大宮店 3階特設会場(埼玉県さいたま市)
入場料:無料
後援:さいたま市 さいたま市教育委員会 さいたま商工会議所
協力:そごう大宮店 レイル・マガジン
主催:株式会社タムロン

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▲タムロン賞は星野雄飛(神奈川県川崎市/18歳)さんの「Diversity」。

10月末まで「鉄道の日」を挟んでの会期となっており、しかも場所は大宮駅前。入賞作品をウェッブ上で見るのと、大伸ばしプリントで見るのとでは大きな違いがあります。ぜひこの機会に写真展会場に足を運んでみてください。

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神鉄 旧101号名残の公開。

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▲「神鉄トレインフェスティバル」に最後の出演を果たした旧デ101号。今年度中の引退が発表されている。'15.10.4 鈴蘭台 P:宮武浩二
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先週日曜日(10月4日)、神戸電鉄の主催する「神鉄トレインフェスティバル」が同社鈴蘭台車庫で開催されました。さまざまなイベントの中で今年注目されたのは今年度で引退することが決まった構内入換車(無番=旧番デ101)の撮影会でした。当日の様子を宮武浩二さんがお送り下さいましたのでご紹介いたしましょう。

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▲いよいよ1度目の構内入換のために動く101号。山岳電車らしい重厚な吊り掛けモーターの音が圧巻である。非パンタ川の連結器は入換を容易にするため大型に改造されている。'15.10.4 鈴蘭台 P:宮武浩二
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▲一度目の入換を終えて定位置に戻った101号。パンタをあげて走行するのもあとわずかである。空気配管からのエアー漏れのためか、コンプレッサーが休みなく稼働したままであったが、これも旧型電車ならではの音であって参加者も満足顔であった。'15.10.4 鈴蘭台 P:宮武浩二
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鈴蘭台車庫の構内入換車は今年度末で引退することが発表されており、撮影会ではたいへんな人気ぶりでした。通常は本線寄りの検車庫前に常駐している旧101号ですが、当日は撮影しやすい場所の1番線で展示、さらに構内の入換えを数回行うなどサービス満点のイベントとなりました。

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▲昭和初期の電車に多く見られた渡り板も残されている(左)。非営業車になったあと窓の多くは閉鎖、扉も乗務員扉を残し閉塞されたが、特徴あるシル、ヘッダーは残されたこともあって現役当時を彷彿させる(右)。'15.10.4 鈴蘭台 P:宮武浩二
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▲吊り掛けモーターにスポーク車輪は現在では簡単に見ることのできない代物(左)。長く塗装されていないためか剥離も目立ち、苔のようなものまで付着している(右)。'15.10.4 鈴蘭台 P:宮武浩二
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また旧101号の傍らでは、硬券を模した見学記念券が1枚100円で販売されこちらも人気が高かったようです。

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▲撮影記念として発売された硬券を模した記念券。入換用車両の見学記念券はおそらく本邦初ではなかろうか。記念券は1枚100円で販売されていた。裏面には車両の歴史が紹介されている。P:宮武浩二
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旧101号(デ101)は神戸有馬電気鉄道が開業間もなく日本車輌で10輌を新製した半鋼製車で、抑速発電ブレーキを搭載するなど、当時の山岳電車を代表する存在でした。山岳電車らしい重厚な吊り掛け駆動の音、スポーク車輪も現役車輌としてはおそらく最後かもしれません。

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▲今年が最後の展示となるため撮影展示に際して少しでも楽しんでもらおうと3回構内入換を行った。一回目の構内入換を待つカメラの放列。'15.10.4 鈴蘭台 P:宮武浩二
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▲入場した101号。これが最後の見納めになるとあって101号を一目見ようと大勢のファンが訪れ名残を惜しんだ。'15.10.4 鈴蘭台 P:宮武浩二
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同じ時代の山岳電車であった富士山麓電気鉄道の1号が保存(アーカイブ「保存された富士山麓モ1」参照→こちら)されているだけに、原型はかなり失われているものの、今回の旧101号の引退は残念です。引退まであと数か月あります。なにか朗報がこないものかと期待しています。

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都電荒川線に8900形。

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▲8800形とは異なり、直線基調の先頭形状となった8900形。'15.9.17 荒川車庫 P:RM(伊藤真悟)
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東京都交通局は、「人にやさしい」を設計コンセプトに、さらなる先進性と快適性をめざし、このほど荒川線に8900形を導入しました。

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▲一般席の腰掛モケットは青を背景色に、さまざまな表情の"とあらん"がデザインされている。'15.9.17 荒川車庫 P:RM(伊藤真悟)
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20151007135031-897bb09c05a22dff92d91123b2d518006fbda421.jpg外観は直線基調の先頭形状で、シンプルですっきりとしたフォルムとして、先進性をイメージさせるデザインとなっているほか、客室内は優雅さを表現したデザインとし、壁面は清潔感と落ち着きのあるアイボリー柄、天井とロングシート袖仕切りはナチュラルなベージュの木目柄としています。また、床敷物はノンスリップタイプの石目柄を採用し、出入り口付近の黄色とのコントラストを大きくして視認性を向上させているのが特徴です。
▲クロスシートの優先席はモケットの背景色を緑色として明確化している。'15.9.17 荒川車庫 P:RM(伊藤真悟)
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腰掛のモケットは、荒川線の沿線に咲くバラをモチーフにした柄を背景に、荒川線のマスコット"とあらん"をデザインし、優先席は背景色を緑色としています。

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▲運転台は、8800形と同様に左手マスコン、右手ブレーキの2ハンドル式。運転台の色はつや消し黒でまとめられ、ガラスの反射軽減対策を施している。運転席の腰掛にも"とあらん"が...。'15.9.17 荒川車庫 P:RM(伊藤真悟)
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20151007135143-64262e1ec2ea52a27bec70cc4d74fbce115abc7e.jpg立席握り棒はすべり止め効果の高いパイプを採用し、視認性向上の目的からオレンジ色塗装となりました。また、新たに降車ボタンを座席側と立席側に増設しています。このほか、吊り手は2通りの高さのものを交互配置し、袖仕切りの大型化や2ヶ所の車いすスペース設置、客室灯へのLED照明、15インチダブル画面のカラー液晶表示器を採用するなど、さまざまな人が利用しやすい車内設備となっています。
▲新宿線10-300形4次車と同様に、ハート型の吊り手を1ヶ所設置している。'15.9.17 荒川車庫 P:RM(伊藤真悟)
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さらに、主回路はIGBT素子によるVVVFインバータ制御、ブレーキは回生/発電ブレンディング方式と、いずれも最先端の技術を採用しています。

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▲車内の案内表示器は、左画面に行先、次駅および乗換案内を、右画面に広告などの動画コンテンツを表示。表示器の上には監視カメラを搭載する。'15.9.17 荒川車庫 P:RM(伊藤真悟)
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今回、8900形はオレンジ基調の8901号と8902号の2輌が導入され、去る2015(平成27)年9月18日から営業運転を開始しています。また、2016(平成28)年度までに8903・8904号(ブルー)、8905・8906号(ローズレッド)、8907・8908号(イエロー)の計6輌が導入される予定となっています。
取材協力:東京都交通局

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▲廃止が発表された東追分駅に停車する千歳行キハ40 1787。'15.9.6 P:三菱大夕張鉄道保存会
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三菱大夕張鉄道保存会の奥山会長から先日行われた「汽車フェスタ」のご報告とともに、夕張地区の廃止予定駅の近況などをお送りいただきました。

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▲汽車フェスタ前夜祭、廃線の駅に夜汽車が...。'15.9.5 P:三菱大夕張鉄道保存会
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三菱大夕張鉄道保存会では去る9月5日、6日に南大夕張駅跡で「汽車フェスタ2015」を開催、多くの皆さんにご来場いただきました。前夜祭の5日は天候にも恵まれ、南大夕張駅跡に夜汽車の光景が再現されました。また、翌6日もミニコンサートや保線モーターカーの乗車会、オハ1車内での鉄道模型運転会等を開催して終日賑わいました。

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▲汽車フェスタ前夜祭での除雪車、モーターカーのライトアップ。'15.9.5 P:三菱大夕張鉄道保存会
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▲保線モーターカーも運転され、賑わった(左)。右はオハ1車内での模型運転会。'15.9.6 P:三菱大夕張鉄道保存会
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さて来春の「北海道新幹線」の開業が大きく報道される中、道内在来線は駅の廃止や無人化などのニュースが続きます。1892(明治25)年に北海道炭礦鉄道(北炭)が夕張線として開通させ、D51 241が1975(昭和50)年12月24日にわが国最後の蒸気機関車による営業用貨物列車を牽引してから40年を迎える石勝線の一部区間(追分-新夕張-夕張)も例外ではありません。

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▲10月からの無人化を前に、清水沢駅も最後の窓口営業。'15.9.5 P:三菱大夕張鉄道保存会
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20151006143858-135547f3b1ba8719362f046d183230affdc05c2c.jpg1897(明治30)年に開設され、その後大夕張炭鉱の開坑等により、炭鉱最盛期の1960年代には石炭輸送や三菱大夕張鉄道線への乗換客で大いに賑わった清水沢駅も、10月1日には無人化され、9月末には名残の「硬券入場券」を求める多くのファンで賑わいました。
▲清水沢駅舎、大夕張鉄道線が発着した1番線の痕跡もない。'15.9.5 P:三菱大夕張鉄道保存会
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▲今年度末の廃止が予定されている十三里駅。'15.9.5 P:三菱大夕張鉄道保存会
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20151006143943-c8010f6233416c25d16fb5e1e273b4370976f13e.jpg「十三里駅」(とみさとえき)と「東追分駅」は今年度中の廃止が発表されています。十三里の駅名の由来はこの付近に追分駅を起点とした十三哩(じゅうさんマイル)標があったことから。周辺は純然たる農業地帯で「夕張メロン」の産地です。駅前に夕鉄バスの停留所もありますが、朝晩の通学主体のダイヤ。列車も一部の普通列車は通過します。
▲十三里駅の周囲は夕張メロンの産地。'15.9.5 P:三菱大夕張鉄道保存会
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▲東追分駅近くの踏切。大手飲料メーカのCMに登場する(左)。牧歌的な光景の広がる東追分駅(右)。'15.9.6 P:三菱大夕張鉄道保存会
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「東追分駅」は跨線橋の入口が待合室代わりでノートが置かれています。付近は北海道らしい牧歌的な光景が広がり、大手飲料メーカーのCM撮影地ともなっています。「十三里駅」「東追分駅」は共に2004(平成16)年に信号場に格下げされた楓同様の機能が残されるものと思いますが、北海道の歴史と歩んだ鉄道情景がまた失われようとしています。

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▲石炭輸送の大動脈だった頃、夕張線十三里付近を走るD51重連。'72.2.20 P:伊藤保則
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▲土曜日に行われたプレイベント「軽便讃歌Ⅵ」での湯口 徹さんの講演。学生時代、泰和車輌を訪問した際のまるで喜劇のような顛末が語られ、会場は大盛り上がり。投影されているのはその際にノートに書き写したという車輌図面の数々。'15.10.3
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先週末、すっかり秋の風物詩ともなっている「軽便鉄道模型祭」が行われました。会場としてながらく親しまれてきた目黒のさつき会館が建て替えのため使用できなくなり、今年は人形町の綿商会館に場所を移しての開催です。
これまた恒例となった前日のプレイベント「軽便讃歌Ⅵ」は湯口 徹さんの講演で幕を開けました。伝説の名著『簡易軌道見聞録』のベースとなった殖民軌道・簡易軌道での実体験は、決して親交の浅くない私でさえ初めてうかがう内容が多く、あっという間の一時間でした。続いて登壇されたのは今井啓輔さん。『私が見た特殊狭軌鉄道』(レイルロード刊)シリーズが完結したばかりの今井さんは、湯口さんの講演を受けての簡易軌道各線の現況を含めた探訪記をご披露くださいました。たびたび現地に赴いてのオーラルヒストリーの蒐集からは、従来見えてこなかった簡易軌道の日常が浮かび上がってきます。

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▲今回の白眉ともいえるのがDMC(1:48/12.7㎜)石井伸明さんの「坑車総站」。ベースは昨年の展示作品と同じだが、なんと"雨の日"に生まれ変わっている。ぬかるんだ基隆炭礦のあの日が甦る...。'15.10.4
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簡易軌道関連の講演が2本続いたあとは、北海道から一気に最南端の鉄道に飛び、倉地光男さんの「南国の砂糖きび列車を追って」です。沖縄返還の遙か前、南海の孤島・南大東島で現役と聞く蒸気軽便に会いに行くお話は、鉄道趣味を超えてアドベンチャーの領域とさえいえましょう。
今年の講演「軽便讃歌Ⅵ」はこの3本。終了する頃には秋の日はとっぷりと暮れ、人形町界隈は宵闇に包まれていました。

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▲同じく石井さんの石井伸明さんの「坑車総站」より。'15.10.4
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「軽便鉄道模型祭」の本番は翌10月4日の日曜日。会場が変わったことで昨年よりスペース的にゆとりができ、4階がトレーダーズルーム、5階がモデラーの作品展示と区分され、ギャラリーの皆さんもゆったりと見学することができたようです。詳細は今月発売の『RM MODELS』誌上でご紹介いたしますので、ここではそのほんの一部をダイジェストとしてご覧いただくことにいたしましょう。

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▲Oナローモジュールクラブ(ONMC)桜山軽便鉄道の今井貴裕さんの新作モジュールは冬の神社とその周辺。目線の中心に踏切を据え、パースペクティブを活かした構成となっている。'15.10.4
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▲同じく今井貴裕さんの新作モジュールから。水路とその脇の小屋の表情が秀逸。'15.10.4
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▲草軽に拘り続けるONMCの小林隆則さんの新作は秋のモジュール。各所に配置されたフィギュアは、プロットを決め、それに見合う人物写真を探し出し...とたいへん手間のかかったもの。'15.10.4
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20151004225708-c53b5839cba3a2075d9d1cbf195603ae3bced62d.jpg個人的に目を引いたのが石井伸明さんの基隆炭礦をモチーフとした「坑車総站」。実は昨年も出品されておられるのですが、決定的に違うのは、今年はその作品に"雨"を降らせたこと。かつての87分署の名作「冬物語」を嚆矢として、今では雪をテーマとして取り込んだ作品は少なくありませんが、あえて雨、それも機関車までもがずぶ濡れの土砂降りの雨を表現した作品は本邦初ではないでしょうか。
▲ONMCのモジュールには表情豊かなフィギュアが見られたが、これはいずれも舘野 浩さんの作によるもの。'15.10.4
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石井さんにうかがったところでは、雨に濡れた表現はさまざまな試行錯誤を繰り返し、最終的にはシリコン系、エポキシ系と10種類以上のマテリアルを使い分けているとのこと。ちなみにそのままではなく、大量に黒色を混入することが"らしく"見える秘訣なのだとか...。

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▲服部英之さんの「馬面電車の走る秋」。福島交通の前身の信達軌道がもし762㎜軌間のまま電化されていたら...との設定でのエンドレス。片面は鄙びた街路をゆく併用軌道、裏面はこのような林間の交換設備とリバーシブルになっている。'15.10.4
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20151004225956-cc540b010a949a33a248e4575f91203c372b2b07.jpg軽便鉄道模型祭というと、開催に合わせて発行される南軽出版局の書籍を楽しみにしておられる方も少なくないのではないでしょうか。今年の書籍は『貝島炭礦鉄道』(2600円+税、A4変型104頁、別刷付録付)で、あの『鉄道讃歌』所収の写真を核に、KEMURI PRO撮影の未発表写真がふんだんに収録されています。庄司の採砂場で使われていた米国ビサイラス製のスティーム・ショベルの調査を端緒とした蒸気ショベルの発達史なども収録されており、産業考古学的見地からも貴重な一冊といえましょう。
▲「馬面電車の走る秋」より併用軌道部の夜景。巧みに仕込まれた照明がトップライトにはない表情を創る。'15.10.4
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また、昨年の講演記録をまとめた『軽便讃歌Ⅴ』(1200円+税、A4判52頁DVD付)も同時に発売となっており、書泉グランデ、書泉ブックタワー、旭屋書店なんばCITY店、全国有名模型店等で購入することができます。

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▲新刊の『貝島炭礦鉄道』(左)と、昨年の講演録『軽便讃歌Ⅴ』(右)。『軽便讃歌Ⅴ』には1960年代の軽便鉄道16社の動画等を収録したDVDが付録する。

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▲英国とともに欧州の保存鉄道大国であるドイツでは大型蒸機の本線走行もたびたび実施されている。写真は昨秋行われた"01er Dampf-Festival & Nacht der Sinne"でのひとコマ(アーカイブ「ノイエンマルクト...前夜」参照→こちら)。01 118と01 0509-8の重連が牽く特別列車。'14.9.20 Neuenmarkt-Marktschorgast P:名取紀之
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来たる10月26日(月)に、日本鉄道保存協会と公益財団法人交通協力会の共催で、公開シンポジウム「鉄道遺産の保存と活用 ―海外諸国の事例に学ぶ―」が開催されます。これは世界各国の保存鉄道団体の連合体である「WATTRAIN」(World Association of Tourist Trams and Trains)の国際大会が、日本鉄道保存協会の年次総会に合せて日本で開催されるのに伴い、多くの方に先進的保存鉄道の取り組みを知っていただきたく企画されたもので、参加は無料となっています。

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▲わが国の鉄道博物館と姉妹館提携を結んだ米国ボルティモア&オハイオ鉄道博物館(Baltimore&Ohio Railroad Museum)。元客車工場だった扇形庫内には1周まるまる車輌が展示してある。'07.7.15 P:松尾彦孝
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WATTRAINは、鉄道遺産の保存活動をしている各国の団体を束ねる国際的な連合体で、イギリス、ヨーロッパ、アメリカ、南米など各国の団体が加盟、日本は日本鉄道保存協会(JR各社、大井川鐵道、鉄道博物館等約40団体で組織)が加盟しています。会長は2008年の日本鉄道保存協会総会で特別講演をしていただいた(→こちら)デビッド・モーガン(David Morgan)さん。モーガンさんは英国の代表的保存鉄道であるノース・ノーフォーク鉄道およびグレイト・セントラル鉄道の会長、ウェスト・サマセット鉄道、セバーンバレー鉄道の副会長を務め、英国およびアイルランドの保存・観光鉄道の連合体である保存鉄道協会の会長と、欧州保存・観光鉄道連合(FEDECRAIL)の議長も兼任される世界的に著名な鉄道保存のスペシャリストです。

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▲モーガンさんが副会長を務められているセバーンバレー鉄道はイングランドでも屈指の規模を誇る保存鉄道。閉塞方式などすべてが現役当時のまま維持されている。'13.9.13 Highley(Severn Valley Ry.) P:名取紀之
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当日は、イギリス、イタリア、オーストラリア、アルゼンチン、アメリカの代表者が登壇し、各国の保存の状況や取り組みについてショートプレゼンテーションを行います。そののち、各国の法制、財政状態と資金調達、ボランティアの役割などについてディスカッションを行なう予定です。すべて同時通訳が入りますので、どなたでも安心してご聴講いただけます。

20151002115806-8a915f2e37c601d52d442d1e35a321c78d27585c.jpgシンポジウム「「鉄道遺産の保存と活用 ―海外諸国の事例に学ぶ―」
日時:10月26日(月曜日) 14:30~17:30
場所:東京ステーションコンファレンス(東京駅日本橋口・サピアタワー5階)→こちら
料金:無料 ※同時通訳がつきます。

【申し込み方法】
住所、氏名、電話番号、所属先を明記の上、交通協力会シンポジウム事務局までファックスで申し込み。
FAX:03-6269-9809
(問い合わせは03-6269-9808)

※満席でお断りする場合以外、特段の連絡をいたしませんので、当日直接会場にお越しください。

▲日本鉄道保存協会の総会での特別講演に来日された際のモーガンさん。この時が初来日であった(再掲)。'08.10.3 碓氷峠鉄道文化むら P:名取紀之
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なお、日本鉄道保存協会の年次総会はこのシンポジウムとリンクして10月26日(月)・27日(火)に開催されます。また、世界各国から来日されるWATTRAIN参加者の皆さんは、10月23日(金)から11月4日(水)まで約2週間にわたって日本各地の保存鉄道や博物館を視察される予定です。

※写真はイメージで、必ずしもシンポジウムで言及されるものではありません。

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▲今から44年前、1971(昭和46)年夏の小沢駅全景。下り方から構内を見た状況で、手前の線路が岩内線。1番線には発車を待つ岩内行きキハ22の姿が見える。'71.8.22 小沢 P:名取紀之
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岩内線廃線跡探訪バスツアーの開催
「あれから30年 岩内線廃止とたら丸誕生」展がオープンした9月12日には、関連事業として「岩内線廃線跡探訪バスツアー」が開催されました。現在、岩内線の跡地の大部分は、「岩内共和道路」として利用されています。その工事は2005年から進められ、昨年12月には国富までの全線が開通し、岩内線の跡は道路としてふたたび岩内への重要な交通路となりました。しかし、この道路建設から外れた小沢と国富の間はいまだに路盤が残っています。今回のツアーは、そこを中心としながら小沢から岩内までの岩内線跡を辿りました。

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▲小沢駅1番線の現状。小沢駅も無人化されて往年の活気はないものの、跨線橋だけは岩内線ありし日の面影を伝えている。P:木田金次郎美術館
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まずは、美術館から岩内線の起点・小沢駅までバスで向かいました。小沢駅では、岩内線が発着した旧1番線跡や当時から残る跨線橋などを、岡部学芸員の解説を受けながら見学しました。今は無人化されていますが、跨線橋内には往時の小沢駅駅員一同が描いた歓迎看板が残っています。岡部学芸員によると、これは油絵具で描かれており、画家・西村計雄を生み出した共和町らしいということです。ちなみ、現在も小沢駅前で販売されている「トンネル餅」は、この西村の父が考案したものです。

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▲小沢駅跨線橋に残る歓迎看板。油絵具で描かれているため、今でもはっきりと色彩が残っている。P:木田金次郎美術館
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20151001141908-e634fdcfd56b8124739079e62bb510a7cee928ae.jpg一行はバスに乗り、小沢駅と旧国富駅の中間あたりから今も残る路盤を辿りました。岩内線が函館本線から離れるセトセ集落の踏切跡から廃線跡を歩き、国道5号の跨線橋をくぐり、旧国富駅に至る約1.2kmの廃線跡は、草が茂っているものの歩行には支障なく、あいにくの雨天でしたが一同ハイキングを楽しみました。岩内線の車窓から眺められるようにして掲示されていた農家の納屋の琺瑯看板や「瀬戸川支流橋梁」など、当時の名残がみられました。
▲小沢―国富間の線路跡を歩く。背後のツアーバスには「たら丸」がラッピングされている。P:木田金次郎美術館
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▲かつての線路に向かって今も掲示されている琺瑯看板。P:木田金次郎美術館
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▲瀬戸瀬川支流橋梁(左)と、線路跡に沿って繁茂する外来種・オオハンゴンソウ。車輌で種子が運ばれてきた名残だろうか。P:木田金次郎美術館
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旧国富駅はホームが残っており、かつて住友金属鉱山国富鉱山へ延びていた専用線のトロッコに乗って通学したという、参加者のお話が飛び出したりと、思いがけない証言も得る機会となりました。

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▲国富駅跡を往年の写真と現地を比較して解説。P:木田金次郎美術館
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▲国富跨線橋を見学する参加者(左)。右は国富駅付近の線路跡の状況。P:木田金次郎美術館
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次の旧幌似駅は「幌似鉄道記念公園」として、岩内線で唯一、駅舎や貨物上屋、スハフ42やワフが保存されているところです(「岩内共和道路」工事のため十数m移設されている)。ここでは私、伊藤が、駅舎などに用いられている古レールの解説を行いました。100年以上前の外国製レールもあるという話に、一同驚きの声が上がっていました。ちなみに、駅舎の補強材や貨物上屋の支柱には、1910年代前後のイギリスのBarrow Steel、アメリカのCARNEGIE、それにドイツや、国産レールが多く使用されています。

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▲幌似駅で古レールをみるツアー参加者の皆さん。P:木田金次郎美術館
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▲岡部学芸員によるレールのフロッタージュ。P:木田金次郎美術館
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終着岩内の一駅手前にあった旧西前田駅では、考古学が専門の、とまりん館学芸員・吉田玄一さんから、「岩内共和道路」の工事の際に、この駅付近まで岩内線と並走していた、「茅沼炭砿鉄道」の路盤跡が縄文遺跡の上から出土したという興味深いお話も。札幌方面から参加された方もおり、当時岩内線を利用していた地元の参加者の皆さんからは、笑顔や昔話が絶えない2時間のバスツアーでした。

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▲幌似鉄道記念公園全景。実物車輌としてはスハフ42 502とワフ29587の2輌が保存されている。P:木田金次郎美術館
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▲西前田駅跡で茅沼炭鉱鉄道の路盤跡発掘の話を聞く。P:木田金次郎美術館
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木田金次郎美術館では、2003(平成15)年にもお隣の共和町・西村計雄記念美術館と共同で廃線跡を徒歩で辿るというツアーを開催しています。この際はほぼ全線にわたり路盤が残っていたとのことでした。なお、この時の様子は展示室内に展示された写真で振り返ることができます。

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▲運転室の破損していた窓が復元されたニセコ駅構内の旧新得機関区転車台。P:伊藤大介
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ニセコ町鉄道遺産の最近の取り組み
昨年、鉄道写真家・荒川好夫先生のご尽力によって動態化に成功した旧新得機関区転車台ですが、その後、管轄するニセコ町役場商工観光課の尽力により破損していた運転室窓ガラスの修復などが行われました。今後、再塗装なども計画しています。こうなってくると鉄道車輌を保存したいと思うのですが、難しいことでありますので、まずは小樽市総合博物館のご協力を得て軌道自転車をお借りし、実際に転車台を含めた線路上を体験運転してもらうイベントを11月1日午後から予定しております。またこの際には、転車台も稼動させるほか、転車台や旧真狩線、隣接する旧でんぷん工場などの産業遺産の解説も予定しています。「C62ニセコ号」の運行が終了し、この転車台が使用されなくなって20年目になりました。ニセコ町では、わずか5年の稼動期間で、現役当時を知る方も年々少なくなってきています。このようなイベントを通して、鉄道遺産などへの理解を深めていただき、保存活動への賛同者を増やしていきたいです。そしていずれは、鉄道車輌を保存できれば...と夢描いています。

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▲ふたたび44年前の小沢駅。銀山方から構内を遠望したところで、左側が函館本線、右が岩内線の線路。ちなみに、この頃からオオハンゴンソウが群生していた。'71.8.22 小沢 P:名取紀之
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伊藤大介さんありがとうございました。岩内線が廃止されて30年とうかがって、あらためて時の流れの速さに圧倒される思いです。私が岩内線に最後に乗ったのは、まさにその30年前の1985(昭和60)年の正月のことでした。岩内駅から盃温泉へ、学生時代の仲間との温泉旅行での往復が乗り収めとなってしまいました。ところで、岩内といえば忘れてならないのが茅沼炭化工業の専用鉄道。岩内と発足(はったり)を結ぶこの専用鉄道は、晩年は8100形の活躍で知られ(広田尚敬『昭和三十四年二月北海道』参照)ますが、もっと重要なのは、この茅沼こそが日本最初の「鉄道」敷設の地だったことでしょう。『トワイライトゾ~ン・マニュアル』第一巻巻頭でも『茅沼炭化礦業開礦百年史』所収の墨絵をひいてトワイライトゾ~ン幕開けの辞としておりますが、官設鉄道新橋~横浜間開業の実に3年前、1869(明治2)年にこの茅沼の地にお雇い英国人の指導で敷設された2.2㎞(軌間762㎜)の鉄道こそが、営業・非営業を問わなければわが国最初の「鉄道」でした。つまり見方を変えれば岩内は日本の鉄道発祥の地ともいえるわけです。

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