ブルーリボン賞にE5系。

▲2012年ブルーリボン賞に選定された東日本旅客鉄道E5系。P:鉄道友の会
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鉄道友の会(須田 寛会長、会員約3,300 名)は、恒例のブルーリボン賞の2012 年該当車輌に東日本旅客鉄道のE5 系を選定することに決定しました。また、鉄道友の会ブルーリボン賞・ローレル賞選考委員会が製造企画・車輌性能・外形・室内のデザイン、その他諸点のいずれかに卓越したものがあると認めた車輌である2012 年ローレル賞には、日本貨物鉄道HD300 形式900 番代を選定することに決定しました。
あらためてご紹介すると、ブルーリボン賞は1958(昭和33) 年の制定。鉄道友の会会員による投票をもとに、選考委員会が優秀と認めた車輌を選定します。いっぽう、ローレル賞は1961(昭和36) 年の制定で、製造企画・車輌性能・外形・室内のデザイン、その他諸点のいずれかに卓越したものがあると、ブルーリボン賞・ローレル賞選考委員会が認めた車輌を選定するものです。このブルーリボン賞・ローレル賞選考委員会は鉄道車輌に精通するベテランの鉄道友の会会員(10 名)で構成され、前年中に営業運転に就いた車輌の中から新車と見なせる車種をノミネートし、それらを対象に両賞の選考を行っています。
ちなみに今年のブルーリボン賞ノミネート車輌は下記の10 車種、ローレル賞は31 車種だったそうです。
東日本旅客鉄道E5系、日本貨物鉄道HD300形900番代、日本貨物鉄道タキ1200形、横浜新都市交通2000形、黒部峡谷鉄道3100形、東海旅客鉄道キハ25形、西日本旅客鉄道287系、近畿日本鉄道26000系(リニューアル車)、南海電気鉄道12000系、長崎電気軌道5100形

▲2012年ローレル賞に選定された日本貨物鉄道HD300形式900番代。P:鉄道友の会
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鉄道友の会では各賞の選定理由を以下のように発表しています。
●東日本旅客鉄道E5系は、日本で初めて時速300kmを超える速度で営業運転を目指して開発された新幹線車両です。2011年3月より「はやぶさ」の愛称で運転を開始し、主に東京~新青森間を最速3時間10分で結んでいます。
外観は、騒音とトンネル微気圧波低減のため、先頭部分を15mに及ぶロングノーズ形状としています。車体色は、飛雲ホワイトと常盤グリーンの2色を新たに採用して上下に配し、中間に締めた「はやて」色の帯と先頭車側面後方のハヤブサをイメージしたシンボルマークが両色を引き立てています。
客室は、従来のグリーン車と普通車の2クラス制に加え、より上位のグランクラスを新たに設けました。座席は、2+1列の配置で、リクライニング角度は45度、シートピッチは1300mmに及びます。グランクラス料金に含まれる軽食と飲物等、各種サービスは専任のアテンダントが提供します。普通車は、既存のE2系と比較してシートピッチを980mmから1040mmに拡大し、可動式ヘッドレストを新幹線普通車としては初めて装備しました。
車両性能は、高速走行の要件を充足するための技術が結集されています。先頭形状に加え、半径4000mの曲線で時速320km走行できるよう、車体を最大で1.5度傾ける傾斜装置を搭載しました。要件の中で最も困難が伴う車両内外への騒音は、発生源の一つである集電装置を営業運転で編成中1基のみの使用に留めるという長年の懸案を、台枠とすり板を改良することで実現しました。床下機器類は、台車を含めて全体を覆うカバーを編成全体に取り付け、機器に吸音材を装着しました。また、高速化に伴って発生する左右(枕木)方向の振動を低減するフルアクティブサスペンションを日本で初めて全車両に搭載しました。
以上のように、東日本旅客鉄道E5系は、競合する他の交通機関に対する優位性を高めるため、設計の主眼を到達時間の短縮と快適性の向上に置き、2012年度末までに国内最高となる時速320kmでの営業運転開始が見通されていることが、鉄道友の会の多くの会員の支持を集めたことから、ブルーリボン賞に選定しました。
●日本貨物鉄道HD300形式は、日本国内のディーゼル機関車としては、初のハイブリッド方式を実用化した車両で、既存のDE10形に代わる機関車として2008年より開発が進められてきました。
これまでのディーゼル機関車は、主に液体変速機を介して車両を駆動させていましたが、同形式はディーゼルエンジンによる発電とリチウムイオン電池による高性能電池技術を併用し、主電動機で車両を駆動しています。主電動機には、電力消費量の抑制において有利な永久磁石同期電動機を日本の機関車で初めて導入しました。
ハイブリッド方式の採用は、環境負荷の低減を目的としたものです。DE10形との比較では、東京貨物ターミナルの入換作業で平均的重量である700tけん引走行時の燃料消費量で36%、NOx排出量で62%の低減を達成しています。同時に、ブレーキ時に発生していたCO2は、回生ブレーキの採用によってエネルギーを電池に蓄えることで排出量を抑えました。
同形式は、入換用の機関車として位置づけられ、主に貨物駅での使用が想定されています。今日の貨物駅は、周辺が住宅地や商業地であることが珍しくなく、騒音の低減が一層求められています。この要請には、エンジンを小型化すること等により、エンジン高速回転時の騒音レベルで22dBの低減を実現しています。
車両の実用面に目を向けると、運転台からの視認性を向上させるために前面窓を大型化、乗降ステップと前面・側面の手すり形状を変更し、暗所作業で有効な連結器灯を設けることで、入換作業環境の改善が図られています。保守面では、省力化を考慮して車体が4つのモジュールに分けて構成されています。
試作機を示す900番代を与えられた同形式は、土地や気候等の条件を変えて試験を重ねた後、2011年7月より営業を開始しており、既に量産化が実現しています。また、今後開発される本線用電気機関車やディーゼル機関車へ技術を応用することが期待されています。
以上のように、入換用途という表舞台には登場する機会が少ないながらも、あらゆる環境に配慮した車両であり、日本の機関車技術の発展に寄与したことから選考委員会で評価され、ローレル賞に選定しました。
なお、E5系についてはアーカイブ「E5系量産車が完成」(→こちら)、「"はやぶさ"用E5系に試乗。」(→こちら)を、HD300形についてはアーカイブ「HD300‐901ついに登場」(→こちら)、「HD300形量産車登場」(→こちら)もご参照ください。
















