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2006年04月30日
FS363 FS363T / 福井鉄道モハ300形

FS363(モハ301-2先頭側/M台車)

FS363T(モハ301-2連結側/T台車)
1966(昭和41)年に誕生した静岡鉄道300形電車の台車である。当時、静岡鉄道では自社長沼工場で車輌新造・改造全般を行なっていたが、300形では足回りに新品が用意され、駆動装置も平行カルダン駆動となった。
1985(昭和60)年から全3編成が順次福井鉄道に譲渡され、静鉄時代のMc+Tc編成から、編成両端をM台車、連結側をT台車としたMc+Mc編成に改造された。
軸距:2100㎜ 車輪径:860㎜
軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:コイルばね
写真:2006.3.18 市役所前 高橋一嘉

大名町交差点をゆっくりと渡る300形。熊本、日立、福井と散った静岡生まれの電車のうち、最後の現役車輌であった。 2006.3.19 福井駅前-市役所前
参考文献
「住友金属の台車25」鈴木光雄(『鉄道ピクトリアル№476』所収/1987年 電気車研究会)
2006.4.30作成
これまでに紹介した福井鉄道関連の台車
C-9
投稿者 k-takahasi : 20:59
2006年04月27日
N-DT283HX/JR北海道ハイブリッド車体傾斜システム

「振り子」+「車体傾斜」……JR北海道が3月8日に発表した「ハイブリッド車体傾斜システム」の試験台車、N-DT283HXである。キハ281・283系の曲線ガイド式振子機構と、キハ201・261系の空気バネによる車体傾斜機構と組み合わせたもので、振り子6°+車体傾斜2°の傾斜角8°として、従来の振り子車では120km/hで通過していた曲線区間を140km/hで通過できるようになるとのこと。キハ283系の履くN-DT283と同様に自己操舵機構も備わる。車輪径はN-DT283の810㎜より一回り小さく760㎜となっている。
初めて振り子機構を実用化した381系電車の誕生から33年目に登場したこの新システム、今回の試験ではキハ282-2007が履いているが、実用化の暁にはどのような車輌が北の大地を駆けることになるのだろうか。
写真:2006.3.23 札幌運転所 奥野和弘
2006.4.27作成
※ハイブリッド車体傾斜システムの試験については5月20日発売のRailMagazine274号でも紹介の予定です。
投稿者 k-takahasi : 18:52
2006年04月24日
FT2 / JR貨物コキ106形

1997年に就役したJR貨物のコンテナ車、コキ106形の台車。コキ100形以来のFT1に比べ、軸箱支持方式が軸ゴムとシェブロンゴムを併用した「複合ゴム支持方式」となった。2001年に登場したコキ110形もこの台車を履いている。写真はコキ106‐467のもの。
軸距:1900mm 車輪径:860mm
軸箱支持方式:複合ゴム支持方式 枕ばね:コイルばね
写真:2006.4.15 川崎貨物 名取紀之

JR貨物の20ftコンテナ3個を積んだコキ106-467。
参考文献
「日本貨物鉄道コキ106形」森田英嗣
(『鉄道ピクトリアル』№660所収 1998年 電気車研究会)
2006.4.24作成
これまでに紹介した国鉄貨車関連の台車
TR213
これまでに紹介したJR貨物形式の台車
FT130
投稿者 k-takahasi : 21:00
2006年04月21日
TS-837B TS-838B / 江ノ島電鉄 新500形

TS-837B(端台車/M台車)

TS-838B(連接台車/T台車)
江ノ電“新”500形の台車である。原形式のTS-837、TS-838は1989年から開始された300形および初代500形のカルダン駆動化の際に採用されたもので、初代500形のものはTS‐837A、TS-838Aとして20形に転用された。新500形では2005年に引退した304+354が1991年から履いていたものを転用しているが、新500形は江ノ電初のVVVFインバータ制御を採用しており、端台車に装架される主電動機は三相かご型誘導電動機(60kW)に変更されている。これに合わせて電食防止のため台車各部の絶縁対策が施されている。台車枠に見える2枚の銘板は上が1991年の製造時、下が今回の改造に際してのもの。
軸距:1650mm 車輪径:860mm
軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:コイルばね
写真:2006.3.24 極楽寺検車区 RM

江ノ島電鉄新500形についての詳細は現在発売中のRailMagazine273号でご覧ください。
2006.4.21作成
投稿者 k-takahasi : 20:58 | コメント (0)
2006年04月18日
DT72 TR256 / JR東日本E721系500番代

DT72

TR256
2006年度開業予定の仙台空港鉄道との相互直通運転開始に備え誕生したJR東日本の一般型交流電車E721系500番代の台車である。E721系は仙台地区の低いホームでも扉部分のステップを不要とする低床構造がその特徴であり、台車もE531系のDT71/TR255を基本としながら、低床化に対応して車輪径はひとまわり小さくE351系などと同じ810㎜となり、M台車の大歯車も小型化されている。牽引装置は1本リンク式。各軸には軸ダンパを装備。また、先頭台車はアルミナ噴射による増粘着装置を装備している。
軸距:2100mm 車輪径:810mm
軸箱支持:軸梁式 枕ばね:空気ばね(ボルスタレス)
写真:2006.3.28 仙台車両センター RM(青柳 明)

低床構造の独特のスタイルが特徴的なE721系。仙台空港鉄道でも同一仕様のSAT721系を用意する予定である(JR東日本E721系については4月21日発売のRailMagazine273号で詳細を紹介の予定です)。
2006.4.18作成
これまでに紹介したJR東日本の電車関連の台車のリンク
これまでに紹介した国鉄形式の電車関連の台車のリンク
投稿者 k-takahasi : 20:58
2006年04月15日
KW161B / 西日本鉄道3000形

西鉄初のステンレスカーとして2006年3月に就役した3000形電車のM台車。T台車はKW162Bを名乗る。2000年登場の6050形5次車以来の方式を踏襲した軸梁式軸箱支持のボルスタレス台車で、牽引装置は1本リンク式である。2連のMc車連結側のものは1個モータ仕様。また、3連大牟田方のTc1車も将来の高加速度化に対応するためKW161Bを履いている(モータは未装架)。写真は3連のM車モ3301のもの。
軸距:2100㎜ 車輪径:860㎜
軸箱支持:軸梁式 枕ばね:空気ばね(ボルスタレス)
写真:2006.3.23 筑紫車庫 宇都宮照信

西日本鉄道3000形電車については4月21日発売のRailMagazine273(2006年6月)号で紹介いたします。
2006.4.15作成
投稿者 k-takahasi : 20:58
2006年04月12日
DT11 / 日本国有鉄道クモハ11248

昭和3年度に増備された鉄道省モハ30形電車から採用された釣合梁式の台車で、旧称はTR22。それまでの電車用台車であるTR14(後のDT10)の台車枠構造を改良したもので、続いて登場したモハ31、32形にも採用されたが、1932(昭和7)年に誕生したモハ40系からは軸ばね式のTR25(後のDT12)に移行、国電用の動台車としてはDT11(TR22)が最後の釣合梁式となった。1996年まで鶴見線で活躍したクモハ12050番代(もとモハ31形の両運化改造車)が履いているのもこの形式である。
写真は1980(昭和55)年まで南武支線で活躍したクモハ11248(もとモハ31076/1931年製)のもの。
軸距:2450mm 車輪径:910mm
軸箱支持:軸箱守(釣合梁) 枕ばね:板ばね
写真:2006.3.28 鎌倉総合車両センター RM(中)

参考文献:
『旧型国電車輌台帳』 沢柳健一・高砂雍郎
(1997年 ジェー・アール・アール)
『ガイドブック 最盛期の国鉄車輌1 戦前型旧性能電車』浅原信彦
(2004年 ネコ・パブリッシング)
2006.4.12作成
投稿者 k-takahasi : 09:09
2006年04月09日
DT13 / 相模鉄道ED10形

戦後製造された国鉄モハ63形電車(後の73系)に採用された台車で、旧称はTR35。それまでのTR25(後のDT12)をコロ軸受けに改良したものである。戦前期、すでに1936(昭和11)年に就役した関西急電用のモハ52にはコロ軸受けを持つTR25A(後のDT12A)が採用されており、TR35も当初はTR25Aと呼称されたようだ。
70系モハ71の一部にも採用されたほか、73系改造の郵便・荷物電車や事業用車にも受け継がれた。また、戦後混乱期の63形の割り当てなどにより私鉄でもかなりの数が使用された。
写真は相模鉄道ED10形電気機関車が履くもので、もともとは小田急経由で入線した63形私鉄割り当て車であった3000形が履いていたものである。
軸距:2500mm 車輪径:910mm
軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:板ばね
写真:2006.3.5 相模大塚 高橋一嘉

参考文献:
「モハ63形電動客車の特性と功罪」中川浩一(『鉄道ピクトリアル№684』所収 2000年 電気車研究会)
『復刻版 私鉄の車両20 相模鉄道』
飯島 巖 小山育男 井上広和(2002年 ネコ・パブリッシング)
2006.4.9作成
投稿者 k-takahasi : 21:00
2006年04月06日
博物館の台車3 / “走るホテル”20系

TR55B
正確にはまだ博物館入りしていませんが、「鉄道博物館」に収蔵されるナハネフ22 1が履くTR55Bです。ご存知の通り、国鉄20系客車は1958(昭和33)年に誕生し、当時は“走るホテル”と謳われたブルートレインの始祖。当初の台車は客車用としては初めて本格的に空気ばねを採用したTR55でした。
写真のナハネフ22 1は1964(昭和39)年10月ダイヤ改正での<富士><はくつる>運転開始に合わせて誕生したもので、この時すでに20系の台車は改良が重ねられTR55Aを経てTR55Bに進化していました。ナハネフ22 1は東北方面を中心に活躍しましたが、国鉄末期の1986(昭和61)年に廃車となり、その後大船工場(後の鎌倉総合車両センター)に保管されてきました。これが幸いして鉄道博物館入りが決定、3月29日未明に修復整備のため大宮総合車両センターに陸路移送されたものです。

収蔵後はおそらく見ることの出来ないであろう、台車の上面。

長年住み慣れた鎌倉総合車両センターから搬出作業中のナハネフ22 1。「鉄道博物館」は2007年10月14日に開館の予定。どのような姿での展示になるのか、期待が膨らみます。
写真:2006.3.28 鎌倉総合車両センター RM(中)
参考文献
「20系固定編成客車のすべて」岡田誠一
(『鉄道ピクトリアル』№763所収/2005年 電車研究会)
2006.4.6作成
これまでに紹介した国鉄型客車関連の台車
TR73
投稿者 k-takahasi : 21:24
2006年04月03日
TS-332 TS-332T / 東京急行電鉄300系

TS-332(両端/M台車)

TS-332T(連接部/T台車)
東急世田谷線の300系電車の台車。300系は1999年の登場だが、台車は一足早く1994年から開始されたデハ70、80形の足回りの更新に合わせて製作されたものである。東急車輛製の軌道線用台車としては阪堺電気軌道向けのTS-331(モ701形)に続くもので、形態的にもこれに近い。デハ70、80形は1輌にM台車(2個モータ)+T台車の組み合わせで履いていた。
連接車となった300系への転用に際しては編成両端がM台車、連接部がT台車とされ、M台車はVVVF制御化のため主電動機を換装、合わせてアルミナ噴射による増粘着装置が取り付けられている。
軸距:1600㎜ 車輪径:660mm
軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:コイルばね
写真:1999.6.23 東急車輛製造 RM

大先輩、デハ200形の塗装をまとって活躍中の301号。 2005.11.9 松原-山下 高橋一嘉
東京急行電鉄300系:RailMagazine192(1999年9月)号参照
2006.4.3作成
投稿者 k-takahasi : 21:06
2006年04月02日
LINK08 東京急行電鉄関連の台車

これまでに紹介した東京急行電鉄関連の台車
TS-301 岳南鉄道5000系
PⅢ-708 TS-835 上田電鉄クハ7500形
TS-302 TS-501 東京急行電鉄デハ200形
TS-332 TS-332T 東京急行電鉄300系
投稿者 k-takahasi : 20:58