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2005年12月30日
FS356/東武鉄道8000系

堂々たる鋳鋼製台車枠が印象的な東武鉄道8000系のミンデン台車。東武形式はTRS-62Mを名乗る(T台車はFS056、東武形式TRS-62T)。8000系は1963(昭和38)年から20年間に亘って実に712輌が製造された通勤電車だが、この内1974(昭和49)年までに製造された編成はこの台車を履いた。また、急行<りょうもう>用として1969(昭和44)年に誕生した1800系も、同系で軸ダンパ付きのFS356D/056D(東武形式TRS-62MD/62TD)を1973(昭和48)年製の増備車まで採用し、その改造車である300・350系でも引き続き使用されている。
写真は2004年に旧塗装に復元されたモハ8208のもの。
軸箱支持:ミンデン式 枕ばね:空気ばね
軸距:2300㎜ 車輪径:860㎜
写真:2004.10.29 森林公園検修区 RM

参考文献
「住友金属の台車25」鈴木光雄(『鉄道ピクトリアル№476』所収/1987年 電気車研究会)
『私鉄の車両24 東武鉄道』飯島 巌・卓はじめ・諸河 久(2002年 ネコ・パブリッシング)
2005.12.30作成
投稿者 k-takahasi : 21:36
LINK01 東武鉄道関連の台車

50050系 写真:RM
これまでに紹介した東武鉄道関連の台車
KS40J 岡山電気軌道3000形(元東武鉄道日光軌道線100形)
FS10 KH-20 5050系
FS356 8000系
SS115 100系“スペーシア”
SS167 SS067 50000系・50050系
投稿者 k-takahasi : 20:03
2005年12月27日
信濃路台車めぐり3/長電2000系
湯田中駅の改札口。なかなか粋です。
長野に来たからにはやはり長野電鉄のロマンスカー2000系を見なければなりません。2000系のうち1957(昭和32)年登場のA・B編成と1959(昭和34)年増備のC編成は下の写真のM台車:NA-4P/T台車:NA-4を、また1964(昭和39)年増備のD編成はM台車:NA-315/T台車:NA-315Tを採用しました。しかし、A編成は営団3000系の発生品のFS510に振り替えられ、またB編成が引退となった結果、現存する3編成はそれぞれ別形式を履いています。

NA-4P(M台車)
日車製NA-4系台車は京王デハ2700形(1953年)から採用された日本車輌初のプレス鋼鈑溶接組立の軽量台車です。NA-4Pはカルダン駆動のもので、長電2000系のほか、富山地方鉄道モハ14770形(1955年)、モハ14780形(1956年)、秩父鉄道300系(1959年)に採用されました。また、気動車用のNA-4Dも常総筑波鉄道キハ42002(1954年)、キハ48000形(1957年)で採用されましたが、現在ではそのほとんどが姿を消しています(写真は引退前のB編成モハ2003のもの)。

NA-4(T台車)
NA-4系台車のオリジナルは、軸箱上の「釣合テコ」から軸ばねを天秤状に釣り下げるゲルリッツ式に近似の方式を採っていたそうですが、現在はご覧の通り軸ばねを下から受ける一般的なウイングばねに改造されています。

湯田中を発車する引退前のB編成。残るはA・C・D編成の3編成ですが、待望の新特急車就役後はやはり引退となるのでしょうか。
写真2005.6.19/2005.11.20 高橋一嘉
2005.12.27作成 2006.2.12更新
参考文献:
『日車の車輌史 写真・図面集-台車編』
日本車両鉄道同好部・鉄道史資料保存会(2000年 鉄道史資料保存会)
『2000系ロマンスカー説明書』長野電鉄株式会社
投稿者 k-takahasi : 21:31
2005年12月24日
NA-315/長野電鉄2000系D編成

長野電鉄の特急電車2000系D編成の台車である。2000系は1957(昭和32)年が製造初年だが、D編成は1964(昭和39)年の増備車であり、A~C編成のNA-4P(M台車)/NA-4(T台車)では枕ばねがコイルばねであったのに対し、D編成では空気ばねを採用したNA-315(M台車)/NA-315T(T台車)に変更された。軸ばねはNA-4のようなゲルリッツ式に似た釣り下げ方式ではなく、当初から一般的なウイングばねである。写真は長野方先頭車モハ2008のNA-315。
軸距:2100mm 車輪径:860mm
軸箱支持:軸箱守(ウイングばね) 枕ばね:空気ばね
写真:2005.11.20 上条 高橋一嘉

写真:2005.11.20 附属中学前-朝陽 高橋一嘉
参考文献:
『日車の車輌史 図面集-戦後私鉄編』
日本車両鉄道同好部・鉄道史資料保存会(1998年 鉄道史資料保存会)
2005.12.24作成 2006.2.1更新
投稿者 k-takahasi : 21:46
2005年12月21日
頸城鉄道ホジ3

動台車(浦川原方)

付随台車(新黒井方)
頸城鉄道の気動車ホジ3の台車。ホジ3は1932(昭和7)年に客車(ホトク1号/1914年日本車輌製)を気動車化改造した車輌である。台車は客車時代からのアーチバー台車を履いているが、気動車化に際して浦川原方の台車が動台車に改造された。動軸は内側軸のみだが、当初はロッド式で外側軸にも動力を伝達していたと言われる。車軸が露出しているのはその名残り。また、うねるように配されたゴムホースは1軸のみの動軸の駆動力を補う砂撒き管である。
軸距:1270mm 車輪径:558.8mm
写真:2005.6.19 百間町 高橋一嘉

『RM LIBRARY77 頸城鉄道』発売!
ホジ3をはじめ、頸城鉄道の姿を収録した書籍が発売になりました。ご購入はこちらから。
参考文献:『RM LIBRARY77 頸城鉄道』梅村正明(2005年 ネコ・パブリッシング)
2005.12.21作成
投稿者 k-takahasi : 21:00
2005年12月18日
SS167/東武鉄道50050系

東武鉄道50000系および50050系電車のM台車。東武形式はTRS-03Mを名乗る(T台車はSS067/東武形式TRS-03T)。モノリンク式軸箱支持のボルスタレス台車で、牽引装置はZリンク式。写真は50050系のM1車(モハ52051)のもの。
軸距:2100mm 車輪径:860mm
軸箱支持:モノリンク式 枕ばね:空気ばね(ボルスタレス)
写真:2005.12.8 南栗橋車両管理区 RM

2006年3月18日ダイヤ改正から東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線直通列車で活躍を開始した50050系。
東武鉄道50050系:RailMagazine269号参照
2005.12.18作成 2006.3.20更新
投稿者 k-takahasi : 18:33
2005年12月15日
WDT63 WTR246A/JR西日本321系

WDT63(クモハ320-11京都方)

WTR246A(クモハ320-11西明石方)
2005年12月1日から就役したJR西日本321系電車の台車。軸梁式軸箱支持方式で、全ての台車にヨーダンパが装備される。形式はM台車はWDT63、T台車はWTR246もしくはWTR246A。なお321系は全ての電動車の片台車をT台車としており、先頭車は運転台側がT台車、中間電動車は京都側がT台車の構成である。
軸距:2100mm 車輪径:860mm
軸箱支持:軸梁式 枕ばね:空気ばね(ボルスタレス)
写真:2005.12.2 網干総合車両所明石品質管理センター RM

JR西日本321系:RailMagazine265(2005年10月)号および269(2006年2月)号参照
2005.12.15作成/2006.1.15更新
投稿者 k-takahasi : 21:42
スタバ風?
321系の取材で西明石へ向かう<ひかり>の車中、車販のおばさんにコーヒーを頼むとこんな蓋が付いてきました。スタバをきっかけに今や自販機のカップコーヒーにまで飲み口のついたキャップが付いてくるご時勢ですが、これもやはりその流れなのでしょうか。ちなみに帰りの<のぞみ>では普通のフタでした。
投稿者 k-takahasi : 20:40
2005年12月12日
KS40J/岡山電気軌道3000形

全国各地で採用された住友金属製の路面電車用台車で、現在でも伊予鉄道モハ50形の一部や豊橋鉄道モ3200形(もと名鉄モ580形)の一部などでその姿が見られる。
写真はもと東武鉄道日光軌道線100形である岡山電気軌道3000形のもので、平軸受を維持している。100形は1953(昭和28)年の登場、製造は地元とも言うべき宇都宮車両(後の富士重工業宇都宮製作所)が担当した。1968(昭和43)年の日光軌道線廃止により岡山電気軌道に譲渡され、現在でも3輌が在籍している。
写真は2004年に“KURO”としてリニューアルされた3007号のもの。
軸箱支持:軸箱守(軸ばね) 枕ばね:板ばね
軸距:1400mm 車輪径:660mm
写真:2005.12.3 東山 高橋一嘉
岡山電気軌道3000形走行音のページ
http://www.hobidas.com/blog/rail/bogie/archives/2005/12/3005.html

参考文献:『路面電車ガイドブック』東京工業大学鉄道研究部・著(1976年 誠文堂新光社)
2005.12.12作成 2005.12.25更新
投稿者 k-takahasi : 21:00
岡山電気軌道3005号の音

2005年、市民団体の募金活動などにより東武時代の塗装に見事復元された岡山電気軌道3005号(元東武鉄道日光軌道線110号)の走行音です。住友金属製KS40Jに装架される主電動機は45kW×2/輌。日光の山々を駆けた健脚ぶりは今だ健在です。
写真:2005.12.3 東山 高橋一嘉
注意
1、題材の性格上、音が急に大きくなる場合があります。必ず音量は小さめに調節した上で再生してください。また、周囲の状況にもご注意ください。
2、再生にはWindows Media Player等が必要です。また、使用される機材の条件等により再生できない場合もあります。
小橋→西大寺町
旭川の中洲を飛石のように渡っていく岡電随一の変化に富んだ区間。太鼓状に勾配のついた橋にモーターも唸る。
okaden3005.wma(525KB/65秒)
県庁通→城下
日本銀行岡山支店などが並ぶ岡山の中心部、城下筋を行く。運転士さんが操るコントローラーの音が大きく響くのは直接制御の路面電車ならでは。
okaden3005_2.wma(472KB/58秒)
2005.12.12作成
投稿者 k-takahasi : 03:19
2005年12月09日
OK-14/土佐電氣鐵道200形
川崎車輌(後の川崎重工業)が昭和20~30年代にかけて開発・製造した軸梁式台車、通称OK台車は、関東では京急、関西では山陽電鉄のものが有名だが、路面電車用のものもかなりの数が西鉄の軌道線に納入されている。
写真のOK-14は土佐電氣鐵道200形221号のもの。200形は1950(昭和25)年から21輌が製造されたが、1955(昭和30)年製の215号以降は自社若松町車両工場の手による土佐生まれの電車となり、その内215・216・220・221号の4輌にこのOK-14が組み合わされた。OK台車の貴重な現存例である。
軸距:1400mm 車輪径:660mm
軸箱支持:軸梁式 枕ばね:コイルばね
写真:2005.10.19 桟橋通四丁目 高橋一嘉
参考文献:『路面電車ガイドブック』東京工業大学鉄道研究部・著(1976年 誠文堂新光社)
2005.12.9作成 2005.12.18更新
これまでに紹介した土佐電氣鐵道の台車
KL-21A OK-14
投稿者 k-takahasi : 20:44
2005年12月06日
信濃路台車めぐり2/須坂のOSカー
次は長野電鉄へ。鉄道・道路併用橋として有名な村山橋は架け替え工事の真っ最中ですが、新しい橋も併用橋になるとのこと。完成する頃には元小田急のHiSE車も入線しているはずですから、新たな長電を象徴する光景が生まれるかも知れません。

さて、かなり覗き込み気味なアングルですが、須坂で見かけたOS10系の台車、日本車輌製のNA-36です。1980(昭和55)年製ながら下揺れ枕を吊っています。『日車の車輌史』によれば、このプレス鋼鈑溶接組み立ての台車枠は国鉄キハ40系のDT44と同じプレス型を使用しているとのこと。しかし、揺れ枕吊り、そしてコイルばねとの組み合わせによってDT44とは全く違った独特の雰囲気になっています。
ちなみに、1966(昭和41)年登場のOS0系のNA-18は揺れ枕吊りを省略したインダイレクトマウントでした。14年後に登場した2代目で旧来の方式に戻ったことにはどのような理由があったのでしょうか。(つづく)

残念ながら2003年に引退したOS10系だが、今だ須坂駅構内に留置されており、現役時代とほとんど変わらない姿を保っている。 写真:2005.11.20 須坂 高橋一嘉
参考文献:
『日車の車輌史 写真・図面集-台車編』
日本車両鉄道同好部・鉄道史資料保存会(2000年 鉄道史資料保存会)
2005.12.6作成
投稿者 k-takahasi : 21:45
2005年12月03日
KD71/近畿日本鉄道15200系“あおぞらⅡ”

KD71系は1969(昭和44)年に登場した近鉄12200系に採用されたシュリーレン台車である。当初の形式はM台車:KD71/T台車:KD71A。以後、車輌の増備とともに幾度かの改良を経て、1977(昭和52)年に登場した12400系でも同系のものが採用された。
写真は12200系改造の15200系“あおぞらⅡ”、モ15202(元モ12230)が履くKD71。(RM)
軸距:2200㎜ 車輪径:860mm
軸箱支持:湿式円筒案内式(シュリーレン) 枕ばね:空気ばね(ダイレクトマウント)
写真:2005.11.29 明星検車区 高間恒雄

18200系置き換えのため12200系から改造された団体専用車15200系。愛称は18200系の“あおぞらⅡ”を受け継ぐ。
近畿日本鉄道15200系“あおぞらⅡ”:RailMagazine269(2006年2月)号参照
参考文献
『復刻版 私鉄の車両1 近畿日本鉄道Ⅰ 特急車』
飯島 巖・藤井信夫・井上広和(2002年 ネコ・パブリッシング)
2005.12.3作成/2006.1.15更新
投稿者 k-takahasi : 23:24