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燃料電池試験電車クヤR291が試験走行。

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2001(平成13)年度から、次世代の動力源として注目を浴びる「燃料電池」を利用した鉄道車輌の開発に取り組んできた財団法人鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が、このたび燃料電池により発電した電気を用いて初めて電車の試験走行を行ない、その様子がプレス公開されました。
▲鉄道総合技術研究所内の試運転線を軽快に走るクヤR291。一見“片運”のようだが実は“両運”車である。'06.9.29 鉄道総研 P:RM(高橋一嘉) 

「クヤR291‐1」と形式番号を付けられたこの燃料電池電車は、外見はJR西日本の223系2000番代車の上回りとJR東日本のE231系の足回りをドッキングさせたような形態。横断的に研究成果を提供する鉄道総研ならではの“東西折衷”です。

kuyaR291n2.jpg燃料電池はあらためてご説明するまでもなく、水の電気分解と逆に水素と酸素の反応によって電気を発生させるもので、非常にクリーンなエネルギーとして注目を集めています。たとえば現在の非電化線区の気動車を燃料電池電車に置き換えることにより排出ガスをなくすことが可能ですし、電化路線に投入することによって架線柱や架空線といった地上設備を不要にすることもできるわけです。現在のところ、大容量かつ変動負荷といった鉄道車輌の特性をいかにクリアするかが鍵となっており、鉄道総研でも今後はハイブリッド化を含めたさらなる研究開発を行なってゆくそうです。
▲後位側の“正面”を先頭にした試験走行。一応簡易運転台と前部標識灯が備えられている。'06.9.29 鉄道総研 P:RM(高橋一嘉)

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▲試験電車のシステム構成。

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▲車体はJR西日本の223系2000番代、足回りはJR東日本のE231系(DT61+TR246)の設計を援用した、いわば東西折衷スタイルとなっている。形式はなぜか「クモヤ」ではなく「クヤ」を名乗る。P:鉄道総研提供

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▲NUVERA社製の燃料電池(左)と、試験システムの搭載状況(右)。P:鉄道総研提供
R291n2.jpgちなみにとかく混同されがちですが、これまでにいくつか見られたハイブリッド車(キヤE991形)や福井鉄道と福井大学が共同で行っている試験車などはいずれも「リチウムイオン電池」によるもので、発電機能を持つ燃料電池による電車の試験走行は世界で初めてとなるそうです。ただし、電車以外も含めるとカナダの鉱山用機関車(出力17kW、自重2.5t)がすでに燃料電池鉄道車輌として先鞭をつけてしまっているのはちょっとばかり残念です。
▲いわば燃料にあたる高圧水素タンクシステム。P:鉄道総研提供

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▲今回の試験で用いられた燃料電池システムの概略構成。

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▲鉄道総研内の試験線で待機するクヤR291形。左にはなにやらかつて見慣れた車輌が…。'06.9.29 鉄道総研 P:RM(高橋一嘉)

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