185系

特集・コラム

今なお現役2020!50年選手15選 ー関東私鉄車両第2回ー

2020.07.01
■青森から大阪まで!各地で活躍!東急7000系
 日本初のオールステンレスカー7000系は1962年〜1966年にかけて134輌が製造された。7000系は回生ブレーキ、アウターローター形ディスクブレーキを搭載したパイオニア台車などを採用。制御装置はメーカーによって仕様が異なり、永久直列制御を行う東洋電機製と直並列切換制御を行う日立製作所製に分かれている。
 1987〜1991年にかけて7700系に改造された4輌編成14本56輌を除いた78輌についても廃車解体をせずに地方私鉄5社(弘南鉄道、北陸鉄道、水間鉄道、福島交通、秩父鉄道)に譲渡された。なお、譲渡に際して先頭車が不足するため、中間車に運転台を取り付ける工事を東横車輌電設(現・東急テクノシステム)で実施している。
7000系中間運転台改造車_600.png
▲北陸鉄道7200形 北陸鉄道石川線の7000系7200形は先頭車化改造車。旧7000 系の先頭車化改造車は左右非対象非貫通デザイン。’18.7.11 北陸鉄道石川線 道法寺〜井口 P:寺尾武士

 東急は7000系の冷房化を行うため、56輌をVVVFインバータ制御化し、7700系とした。VVVFインバータ制御化した理由のひとつは冷房用電源のスペースを床下に確保するためである。また、パイオニア台車の耐荷重が冷房装置を搭載した車体に耐えられなかったため、台車も同時に交換された。
 2000年に十和田観光鉄道に譲渡された以外に、池上線・多摩川線に残った7700系は2018年までに引退。このうち、15輌が養老鉄道に譲渡されることとなり、2019年4月27日から養老鉄道7700系として順次運行を開始している。7700系は3輌編成3本、2輌編成3本の15輌を導入しており、形式はデハ→モ、クハ→クとなった以外車号も変更はない。塗装は東急時代の赤帯、通称歌舞伎と呼ばれる塗装に加え、赤色を緑色に置き換えた緑帯、緑歌舞伎の4パターンとなる。
東急7000 養老鉄道 調整済_600.png
▲養老鉄道7700形 養老鉄道で営業運転を開始した7700 系。3輌編成3本、2輌編成3本の15輌を順次導入する。カラーは歌舞伎2色、帯2色の4パターン。写真は緑歌舞伎編成。 ‘19.5.16 養老鉄道揖斐線 室〜大垣 P:寺尾武士

本文:RM 要約・再構成:RM レイル・マガジン436号より

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