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RMライブラリー『控車のすべて』完成

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▲神戸港駅で8652とともに入換え中のヒ41。当時、この車輌は構内無線の供試車となっており、無線機や蓄電池が搭載されていた。 1955.12 神戸港 P:中谷一志

国鉄貨車の「控車」をご存知でしょうか。もちろん知っているという声が返ってきそうですが、その全体像となるとこれまでほとんど知られていなかったのではないでしょうか。今月のRMライブラリーはのべ9形式569輌におよぶ「控車」の実像に迫る『控車のすべて』。著者は本シリーズではお馴染みの吉岡心平さんです。

RML221_H1.jpgそもそも国鉄で『控車』という車種が設定されたのは1926(大正15)年のこと。控車は操車場や駅構内などで使用される「構内用」(主に控室あり)と、連絡船の桟橋で使用される「航送用」(主に控室なし)とに大別されますが、最初に設定されたヒ1000形(1928年の称号改正でヒ1形に変更)にも構内用と航送用の2種があったそうです。戦前期にはこのほかにヒ1050(→ヒ100)形、ヒ1100(→ヒ150)形、ヒ1150(→ヒ180)形、そしてヒ200形の5形式が登場したと記録されていますが、記録が少なく実態が分からないものもあり、特に塩釜に配置されていたヒ200形は2軸客車からの改造で、形式図によると客車そのままの車体を有する変わり種だったようです。

RML221_30-31p.jpg▲戦後、控車の最大勢力となったヒ600形。構内用の特徴である控室にも形態や大きさにバラエティがあり、中には中央部に配されるもの、さらに表紙写真のヒ725のように側板なし屋根のみというものもあった。

戦後は航送専用で上屋を持たないヒ300形、ヒ400形、ヒ500形が登場しますが、1954(昭和29)年にはヒ600形が登場します。当初、航送用のヒ500形に対してこちらは構内用として区別されていましたが、のちに航送用もヒ600形として製造されるようになり、1981年度までに253輌という膨大な数が誕生しました。

RML221_44-45p.jpg▲当初は航送用のヒ500形に対して構内用として区別されていたヒ600形だが、その後航送用もヒ600形となり、以後の控車はヒ600形に一本化された。

ヒ600形はこれまでの控車と同じく2軸貨車からの改造によるものですが、その種車は判明しているだけでも11形式に及びます。また改造工場は全国の14工場にも及び、構内用、航送用の別はもちろん、種車の違いによる差異、工場により控室の形態の差異や、用途に応じた推進運転設備やお立ち台の設置など、同一形式でも千差万別ともいうべき形態差が生じることとなりました。
本書は多くの写真により各種の形態差をまとめ、これまで「未開のフロンティア」とも言えた「控車」の世界に招待するものです。貨車ファンや模型ファン必読の一冊、ぜひ書架にお加えください。

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