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39年目の紀州鉱山跡を訪ねる(上)

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紀伊半島の懐深く、バッテリー機関車が牽かれて5号隧道を行く。紀州鉱山専用軌道は今も生きている。 2017.3 P:高橋一嘉

kishu03.jpgRMライブラリー212巻では名取紀之・元編集長による『紀州鉱山専用軌道』をお届けしました。その中でも紹介されている通り、紀州鉱山は1978(昭和53)年に閉山しましたが、閉山直後の調査で長らく途絶えていた温泉が湧出、その後、鉱山施設跡地に観光施設が整備され、残されていた軌道が「トロッコ電車」として活用されることになりました。そのため、一部区間とは言え、紀州鉱山専用軌道は今も体験することができるのです。閉山から39年目の春を迎える熊野市紀和町を訪ねてみました。
瀞流荘(旧・小口谷)駅で発車を待つ列車。先頭のバッテリー機関車は現役当時からの414号機。現役当時は主要区間は電化されていたが、現在は架空線は撤去されている。 2017.3 P:高橋一嘉

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湯ノ口温泉駅を俯瞰する。奥に口を開けるのは惣房まで約3kmという6号隧道。今は列車の運行はないが、隧道内へ線路が続いている。手前の分岐は機関車の付け替え用ですぐ右で行き止まりである。 2017.3 P:高橋一嘉

kishu05.jpg現在、トロッコ電車として軌道が運行されている区間は瀞流荘(旧・小口谷)〜湯ノ口温泉(旧・湯ノ口)間約1kmです。瀞流荘は旧・小口谷駅の構内にできた温泉ホテルで、熊野市からバスで約50分(1日5往復)、阿田和から約40分(1日4往復)と山間部ながら交通の便は悪くありません。瀞流荘駅はホテルの裏手にあり、事務所・出札口・待合室などがある木造駅舎と、立派な屋根付きのホームがあります。
瀞流荘駅からトロッコ電車の運行には使用されていない板屋への2号隧道を見る。こちらも線路は残されており、予備の客車と黄色いバッテリー機関車の姿が見える。2017.3 P:高橋一嘉

kishu04.jpg現役時代と同じ川の上に位置する湯ノ口温泉駅。現役当時、機関車の修理工場などが並んでいた手前の谷は湯ノ口温泉の入浴施設やバンガローが並ぶ保養地に変貌している。 2017.3 P:高橋一嘉

一方の湯ノ口温泉は旧・湯ノ口駅構内の跡にできた入浴施設で、湯治客のためのバンガローなども整備されています。近年になって改築されたきれいな施設で、鉱山時代の面影は感じられませんが、トロッコ電車のホームは5号隧道と6号隧道の間のわずかな橋梁の上という、現役時代と同じ場所にあります。ちなみにここにはバスの便はなく、山道を自動車で来なければトロッコ電車で来るしかないという場所です。(つづく)

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ぼんやりと白熱灯が灯る客車の車内。もっとも、現役当時にはこの白熱灯もなかったそうで、隧道内では真っ暗だったそうだ。 2017.3 P:高橋一嘉

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