鉄道ホビダス
  • TOP
  • 台車近影

kumamotoKS40J.jpg
KS40J(151)
 間もなく引退が伝えられている長崎電気軌道151号の台車である。
 長崎電気軌道150形は、1956(昭和31)年に廃止された箱根登山鉄道の軌道線からの転入車である。その出身は東京都電と玉電(東急玉川線)の2つに分かれるが、どちらも木製車であったものが、長崎への転入時に外板を鋼板張りとして、車体は同形態に改造されている。
 現在まで唯一残った151号は、東京都電出身車の方で、王子電気軌道からの買収車であり、王電時代は400形と言ったそうだ。『宮松金次郎・鐵道趣味社写真集 東京市電・都電』(2015年ネコ・パブリッシング)には、登場から3年後、1928(昭和3)年に撮影された400形の姿がある。場所は舟方車庫、現在の荒川車庫である。窓が小さく腰高な感じで、現在のイメージとはずいぶん異なる。この頃の台車はボールドウィンL形のように鋼鈑リベット組み立てによる台車枠であるが、その後、時代を追うごとに何度か振替られているらしく、小田原時代から長崎転入時の台車は都電D-11だったようだ。
 さて、近年は滅多に動かなかった151号が引退を前に運転されると聞き、3月9日、長崎を訪ねた。引退間際ながら美しく磨き上げられ、台車もほとんど汚れのない姿には驚かされた。
 現在の台車は長崎転入後に履き替えたもので、モータは内掛け、重ね板ばねの上にちいさなコイルばねが乗っているのでBrill77Eかと思ったら、熊本市から譲り受けた住友KS40Jとのことである。台車枠には筋交いもついていて、KS40Jにしてはあまり見慣れない姿だが、熊本市電で現役の1060形や長崎電軌600形(元熊本市170形)も同様の形態のKS40Jであり、やや新しい1080形の台車(これはかなり個性的なもの...)にもやはりBrillのように板ばね上にコイルばねを重ねている。「熊本好み」とでもいうべきなのか、興味は尽きない。


 さて、気になることはまだまだありますが、ここで時間切れとなりました。『台車近影』の更新は今回が最後です(最近はあまり更新できていなかったので、なにをいまさらと思われるでしょう)。2005年9月のスタート以来約15年、個人的な興味から始めたブログが最後には紙の本としてまとめることができ、しかも予想外に大変ご好評いただいたことは、ブログを含め読者の皆様に感謝しかありません。いままでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
 それではまたの機会まで。
2019年3月 高橋一嘉

参考文献:『全日本路面電車現勢』鉄道ピクトリアルNo.223(1969年電気車研究会)

ホビダス・マーケット新着MORE

  • 俺がイル
ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2018 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.