鉄道ホビダス

2018年9月 1日アーカイブ

たまにこちらに出没します、鉄道ホビダス担当です。本日は横浜の原鉄道模型博物館にて「東急電鉄展~街と人のために~」のオープンセレモニーの模様を取材してまいりましたので、ご覧に入れたいと思います。

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▲オープンセレモニーでのテープカットの模様。写真左から原 丈人・原鉄道模型博物館副館長、東京急行電鉄株式会社 巴 政雄副社長、株式会社総合車両製作所 橋爪 進常務。

横浜市とは縁の深い東急電鉄、その歴史を紐解くと、日本資本主義の父と言われる渋沢栄一が創立した「田園都市株式会社」という会社に行きつきます。イギリスの「ガーデンシティ」という考え方を取り入れ、郊外で文化的な生活を送る新しい都会人のライフスタイルを提唱するもの。つまり東急電鉄が当初からの理念として目指したのは単なる輸送機関ではなく、そこに「街を作る・文化を作る」ということでした。展示第一会場ではその田園都市株式会社創立100周年の節目にあたり、当時の貴重な文書などを展示。最大の立体展示物は当時の田園調布あたりで典型的に見られた富裕層所有の木造平屋建て住宅1:12スケール模型で、間取りや室内の調度まで克明に再現された見ごたえあるものです。特に当時典型的であった「基本的に和風建築だが、玄関脇の応接間だけ取ってつけたように洋間としてある」あたりが見どころです。また、RMM144号で記事を掲載した、日暮昭彦さん製作の東急5000系青ガエルのOJ作品も展示されています。

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▲1:12というドールハウス標準スケールで再現された、昭和初期の田園都市での典型的な邸宅。1室だけ洋間とした応接間が特徴。

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▲戦後の東横線沿線発展の立役者とも言えた東急5000系(初代)青ガエル。日暮昭彦さんによるOJでのフルスクラッチモデル。

第二展示室は東急電鉄とそのグループ会社であった東急車輌製造(現・総合車両製作所)が送り出した鉄道車輌、その中でも特にステンレスカーに焦点を当てたものとなっています。これは日本初のステンレスカーとされる東急5200系の誕生から60周年を記念したもの。今回の展示では米国バッド社との技術提携に際して取り交わされた契約書原本や技術的マニュアルなど、門外不出であっただろう資料が多数展示されていますし、ステンレスカー製造のキモと言えるスポット溶接技術もかみ砕いて解説。1Fエントランス部には廃車となった東急7000系(廃車時は7700系)のカットボディ現物も展示されており、溶接痕を改めて間近で観察することもできるでしょう。

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▲東急車輌製造→総合車両製作所は横浜市内唯一の鉄道車輌メーカーであることも、今回企画展でフィーチャーされている一要因。

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▲写真左は総合車両製作所にて現役で使用中のスポット溶接機を借り出して展示しているもの。写真右は1Fエントランス部に設置された東急7000系(7700系)のカットボディ。

原信太郎さんと東急電鉄との関わりという点では、同氏の一番のお気に入りは玉電=玉川線でした。ここでは戦前から撮りためておられた玉川線鉄道車輌の貴重なスチル写真が多数展示されており、戦前の2本ポールから1本ポール、そして戦後はビューゲルにと、集電装置が変遷していたことなどが理解できる展示となっています。

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▲原信太郎さんがご自身で撮りためていた玉川線の電車たち。貴重な戦前期のものも多数展示されている。

今回の展示は比較的アカデミックなものと言うことができますが、「鉄道模型」博物館ならではの展示では1番ゲージの新作モデル・東急玉川線200形「ペコちゃん」と、従来展示のみで走行は初めて披露と言われるアメリカ・シカゴ バーリントン&クインシー鉄道の「ゼファー号」が目玉。後者は世界初のステンレスカーと言われており、おそらく模型現物もステンレスかどうかは未確認ですが銀色の金属地肌仕上げで大変魅力的なものです。「いちばんテツモパーク」でほぼ終日走行が見られるとのことです。

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▲東急電鉄巴副社長と、原 丈人副館長による「いちばんテツモパーク」での出発式典。

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▲原信太郎さんの模型哲学をしっかり受け継いで製作された最新の模型となる東急玉電200形。

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▲こちらは原信太郎さん自ら手掛けたゼファー号。世界初のステンレス車ということで今回展示会中走行を披露する。

この「東急電鉄展」は12月3日までのロングラン開催。横浜へお越しの際にはぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。

原鉄道模型博物館公式ページ

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