鉄道ホビダス

2013年5月アーカイブ

こんにちは、編集長はねへんです。今回のブログはちょっと私的な内容も織り交ぜてお送りしたいと思います。

以前にもそんな話題に触れたことがありますが、私は小5~高校までを千葉県木更津市で過ごしました。木更津に引っ越す時点で既にNゲージは始めており、当初大きな不安を抱いていたのが、「木更津に模型店はあるのだろうか?」という点でした。ところが、駅に着いた時点で「模型の國」という広告看板を横っ腹に貼り付けた日東交通のバスに遭遇! 「あ、模型店あるんだ!」という期待が盛り上がったものです。

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1軒の家屋に、食堂と同居しているカタチだった「模型の國」。建物自体、おそらく開業時と同じもの。長年ともに頑張ってきた「中橋食堂」(ご親戚筋らしい)も昨年閉店してしまった。

多分そのひと月後くらいだったでしょう、ようやくお店を訪ねたのは...。木更津駅の西口、「旧市街」という感じの街並み。その中でも「模型の國」の店構えは一際小さく、ちょっとビビリながら店内にお邪魔したのを覚えています。お店はおじさんとその奥さんの二人で切り盛りしているようで、古い模型店に共通の、ちょっとカビ臭く、でも懐かしい感じの匂いがしました。店名の通り、プラモデルから鉄道模型、ミニカー、ラジコン、ライトプレーン等、およそ模型の範疇に入るものはすべて。また、竹ヒゴや角材といった、昔ながらの自作用素材等も扱っていました。肝心のNゲージも、それまで通っていた有名店に敵わないのはしょうがないとして、特徴的な壁面のガラスケースにずらりと単品ケースが陳列されていたのをはっきり覚えています。内気な自分にとって、この新しい土地でも自分には模型という絶対に裏切らない友達が一緒にいてくれるとわかったことがむやみに嬉しく、大げさに言えば生きる勇気をもらったように感じたのかもしれません。

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店内レイアウトは、私が通っていた頃とは少し違えてあった。天井に吊り下げられたライトプレーンなどは、昔ながらの模型店の風情が満点。

と言っても、実は私はこの時代それほど多くの小遣いはもらっておらず、めったにNゲージを買うことはできませんでした。むしろ、クルマのプラモデル(せいぜい800円くらいのもの)を買うことが多く、Nゲージはため息をつきつつ眺めるだけ。しかも田舎の模型店なので新製品が入るタイミングも遅く、また在庫の回転も遅かったので、「めったに眺めが変わらない」という感じもしていました(笑)。塗装のやり方とか、道具の使い方とか、いろいろおじさんに教わりながら、少しずつ模型の作り方を覚えていった時代でした。

高校を卒業して木更津を離れ、だいぶ足が遠のいてしまったのですが、風の便りにいまだ元気に営業中ということは聞いていました。しかし悲しいことに奥さんは大病を患って先立たれてしまい、以来おじさんがお一人で店頭に立たれていたのです。店構えは昔と変わらず...。

そんな「模型の國」さんが、去る5月15日で閉店されることをさる筋から耳にし、久しぶりにお店にお邪魔してきました。この機会にいろいろお聞きしたのですが(10代の頃は改まっておじさんの身の上話などを聞くことはなかったので)、開店は今から56年前の1957(昭和32)年。おじさんはもともとこの土地の人ではなく、東京生まれ・東京育ち。新婚の奥さんのツテを頼ってこちらに来ることになったそうです。元々模型は好きで、伝説のメーカー「鉄道模型社」などにも通っていたとか。当時は子供の数も多く、模型屋をやればもうかるのでは、という大望を持ってこの土地にやってきたわけです。注意すべきなのは、まだこの時代、国産のプラモデルは存在しないということ。国産初のプラモデルはマルサンというメーカーが1958年にやっと出したことになっているため、当初の品ぞろえは竹ヒゴと紙でできたライトプレーンや、おおざっぱに切り出された木片がバラバラ入っている木製キット、それに学校教材用の電子キット(モーターとか呼び鈴とか)だったそうです。多分Oゲージの鉄道模型などもあったのでしょう、カツミさんからはよく仕入れた、というようなこともおっしゃっていました。その頃は学校の授業で模型的な教材を扱うこともけっこうあり、そうした学校納品の商いでずいぶん助かったんだそうです。自転車で一日がかりで遠方の学校まで行商に行ったこともあったとか。

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閉店の記念に、みんなに見てもらおうと貼り出した、昭和40年代の店頭写真。建物自体は今と同じ。

その後プラモデルが大ブームとなり、その頃はお向かいのスポーツ用品店と共に、木更津駅前商店街の中でもかなり繁盛した部類のお店だったようです。ですがあくまで地道に商売に励み、決して高望みをするわけでもなく、特に子供が少ない小遣いでも買える安いプラモや自作用素材をちゃんと揃えておくことを、最後まで心がけておられました。模型作りが子供たちにとって大変良い教材になり得ることをよく理解されていたため、最後の最後まで看板には「学校教材」という文言が入っていたのです。恐らく既に学校に納品するような仕事はやっておられなかったと思うのですが...。

私が訪問したのは閉店の前日。そのだいぶ前から閉店セールをやっていたため、店内の在庫はだいぶさびしくなっていました。ですが逆に、それまで奥に仕舞い込まれていた大昔の半端モノが少しずつ出てきており、なんと開店当時におじさん自ら作られた木製模型の戦車を見せてくれました。もちろんモーターで自走するもので、キャタピラはブリキ製のものを1コマ1コマ、カシめて作っているものでした。走らせたら「キュラキュラ...」という感じの音がしたのかもしれませんね。

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見てビックリした木製タンク模型。さすがに破損も激しいが、模型文化財的な価値があると思う。

おじさんは、「ホントはもう少しがんばって店をやるつもりだったけど、去年に2回も入院するケガをしてしまってね...。ここらへんが潮時だと思ったんだ」とちょっと寂しそうに語っていました。ですが一方で、「今週末に静岡でホビーショウがあるでしょ。僕はその第1回に行ってるんだよ。だから今年も、もう仕入とかはないけど、お世話になった方にご挨拶しに行くんだ。そしてそのまま足を延ばして、関西の方に旅行に行くつもり。なにしろ、お店をやっている間はほとんど泊まりがけの旅行なんてできなかったからね」と言う横顔は、ひとつのことを長年やり通した、「カッコ良いオヤジ」のそれでした。決してこの世界で有名なお店ではありませんでしたが、上総の土地における模型文化の、大事な担い手であったことは間違いありません。個人的にも、自分の模型観はこのお店で培われた部分が大きいと思っています。本当に長い間、ありがとうございましたと、心を込めて申し上げる次第です。

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「模型の國のおじさん」こと丸山國雄さん。これからもお元気でお過ごしください。

RM MODELS215号発売!

皆さんこんにちは。先週末の静岡ホビーショーでは今回も魅力あるニューアイテムが発表され、資金繰りに愉しくも悩ましい気分の方もいらっしゃることと思います。誌面でのショーレポートは来月号となりますが、まずは『RM MODELS』215号(2013年7月号)、本日発売です。

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今月の特集は、「レイアウトもジオラマもミニがイイ! ~省スペースでも情景は楽しめる!~」。過去にも何度も扱ってきた「地面系」の特集ながら、今回は特に「ミニ」なものに的を絞った内容です。

皆さんこんばんは。GWの谷間、如何お過ごしでしょうか? 有給を合わせての長期休暇中に御自宅で寛ぎながらこのブログをご覧になっている羨ましい方もいらっしゃると思いますが、編集部は本日も全員通常勤務のようです。それはさておき、本日は連休前に無事発売に漕ぎ着けた別冊をご紹介しましょう。

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毎号、特定の系列・形式に焦点を当てて実車・モデルの双方向から掘り下げていく『鉄道車輌ガイド』シリーズ。今回発売となった14巻のテーマは、シリーズで初めて国鉄・JR車輌を離れた「営団丸ノ内線の赤い電車」です。

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