鉄道ホビダス

2009年3月30日アーカイブ

こんにちは、副編まるはねです。さて、先日ライター/モデラーの木本晃彦さんに誘われ、大井川鐵道井川線のDB1形ディーゼル機関車ラストランイベントに行ってまいりましたので、その模様をお届けしたいと思います。

このDB1形(DB8・9)は、1952年製造の加藤製8トン機で、岐阜の東上田発電所の工事用に新製され、1955年に大井川鉄道に入線しました。その後長らく旅客列車の主力として活躍しましたが、1985年頃にDD20形と世代交代し、その後はイベント列車「かわかぜ号特別便」やチャーター運転の他は川根両国の車庫構内での入換用として用いられてきました。今や車籍を持つ機械式DLとしては国内唯一の存在となっています。

本日の主役、DB9「加藤くん」。加藤製のDLと言えば軽便用がイメージされるが、本機は誕生時から1067mm軌間だった。連結器高さは大井川入り後に低い位置に移設された(元の座の跡が残っている) 井川

なぜ今回ラストランになってしまったかと言うと、井川線にこの度ATSが導入されることになり、車上子が取り付けられないDBはそのために本線上での単独運転は今回限りとなってしまったというわけです。

誇り高き「KATOWORKS TOKYO」の陽刻。井川

さて当日の運転は井川発千頭行きの片道運転で、編成は、千頭方よりDB9+スハフ4+スハフ6。DBは通常と異なりボンネットを千頭方として、正向き運転となるようにしていました。812列車として12:25に井川発車。約60名、満員のファンを乗せて元気に出発です。

途中、名所の関の沢橋梁ではサービスで2分ほど停車(もちろん下車はできません)。対岸の展望台にかすかに見える撮影ファンの多さは、井川線始まって以来ではないかと車内で大いに話題となりました。

列車は秘境駅として有名な尾盛駅で10分ほどの撮影タイムです。曇っていた日差しも、この駅では一瞬晴れ間を見せてくれました。

編成はDBにとってはけっこう一杯一杯と思われる客車2輌編成。スハフ4と6はオープンデッキの古典的な形態。この客車に乗れるだけでも貴重な体験! 尾盛

接阻峡温泉駅、奥大井湖上駅といった通過駅にも大勢のファンが追いかけてきています。そして長島ダム駅~アプトいちしろ駅間の名物アプト区間では、DBの前にED902を連結。巨人と子供といった大きさの対比も興味深いものでした。近年の「かわかぜ号特別便」は通常はアプト区間までは入らなかったので、この顔合わせ自体貴重なものだったと思います。

このサイズの違い…! とても同じ線路に乗っているとは思えない!? 長島ダム

奥泉駅では甘酒が乗客に振舞われ、寒い中思わず窓を全開にしてしまい冷え切った体を温めさせてくれました。次いで桜の名所土本駅では折りよく5分咲きほどとなった桜と絡めての撮影タイム。途中ヘッドマークを外すという演出もあり、皆心ゆくまで撮影を楽しんだことと思います。

桜と木立に囲まれた土本駅でのフォトセッション。数分間、ヘッドマークを外して「素」の表情を見せてくれたDB。

列車は14:45分に千頭駅に到着。その後にもう一つイベントが用意されていました。DBの向きをいつも通りに戻すため、ターンテーブルでの方向転換です。これも途中角度を変えるたびに撮影タイムを設けるなど、DBは最後の瞬間まで千両役者ぶりを発揮してくれたのでした。

The last show…。手押し式ターンテーブルで方向を変えるDB。背面のディテールもおわかりいただけるかと。千頭

たっぷり2時間強のツアーは、終わってみればあっという間でしたが、DBとの名残を惜しむには十分な、盛りだくさんの内容だったと思います。また記念品として配布された昭和34年(井川線運輸営業開始時)の時刻表や手作りのしおり(硬券をあしらったもの)、組立図のコピーを挟んだ小冊子なども非常に嬉しい内容で、これでツアー代金2,000円(しかもお弁当付き)は大満足でした。今回の企画を主催してくださった大井川鐵道南アルプスアプトセンターの皆様に感謝し、DBの長年の働きをねぎらいたいと思います。

機械式の操作系。クラッチ操作もあり、運転には熟練が必要だったという。井川

なお、本線での単独運転のできなくなったDB2輌ですが、廃車となるわけではなく、今後も構内入換には活躍するとのことです。こちらも一安心といったところですね。

P:まるはね(2009.3.28撮影)

当日配布された「紙もの」のおみやげ。良い記念になります。

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