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紀州鉄道キハ603ついにラストラン。

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▲多くの方に愛され、定期運用最終列車は満員。'09.10.25 御坊―学問 P:早川一茂さん (RMニュースより)

かねてよりその引退が取りざたされていた紀州鉄道の古参気動車キハ603が、昨日ついに最終運行を行ないました。地元紙などでは春頃から引退間近かと報じられていましたが、とりたてて大きな事前発表もないまま、実にひっそりとした最終運行だったようです。

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▲懐かしい白熱灯の客室内。木製の床にエンジン点検蓋、天井の換気扇など、とうの昔に消え去ってしまったはずの光景が残されている。'08.7.20 西御坊
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091026n037.jpgキハ603は大分交通耶馬溪線の生き残りで、1960(昭和35)年新潟鐵工所製。全長18m、正面2枚窓のいわゆる“湘南顔”に懐かしい“金太郎”塗り分け、そしていわゆるバス窓と、DMH17形のエンジン音とともに、非電化ローカル私鉄華やかなりし頃の生き証人ともいえる車輌です。大分交通時代は先に廃止された国東線用の2輌(602、604)とあわせて4輌の仲間がおり、601は「やまびこ」、604は「なぎさ」と愛称が付けられて主力として活躍していましたが、1975(昭和50)年秋の同線廃止後は603と604がここ紀州鉄道へ、601と602が地元・中津市内のレストランに静態保存され、幸運なことに全車が今もってその姿を留めています(アーカイブ「紀州鉄道キハ603を見る」参照)。
▲側面の形式番号標記は大分交通時代のまま。手書きのサボが味わい深かった。
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紀州鉄道では僚車キハ604を部品取り用としてキハ603を使用してきましたが、さすがに各部の老朽化によって交換部品の確保が難しくなり、北条鉄道から2輌目のレールバス(フラワ1985-1)を導入したのにともない、ついに使用休止を決めたものです。それでもキハ603の人気は日増しに高まるばかりで、今年は金・土・日・祝日に優先して同車を運用に充当するありがたい配慮もなされていました(アーカイブ「紀州鉄道は今…」参照)。

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▲間仕切りのない開放式の運転台。ワンマン機器が追加されているが、概ね大分交通時代と変わってはいない。'08.7.20 西御坊
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昨日のお別れ運転は定期運用で行われ、「惜別 1960~2009」と描かれたヘッドマークを付けて、34年間にわたって走り続けた全線2.7キロを往復、御坊15:25発西御坊行きがラストランとなりました。なお、地元紙『日高日報』によれば、御坊商工会議所地域活性化委員会が来る11月29日(日曜日)に開催する「復活 商工祭」の一環としてこのキハ603の“引退式”を計画しているとのことで、諸々の問題がクリアすれば同日9時から15時にかけて、ふたたびキハ603の走る姿を目にすることができそうです。
鉄ホビ・最新鉄道情報「紀州鉄道キハ603 定期運行終了へ」参照

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