鉄道ホビダス

鉄道博物館0系21形を公開。(下)

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▲内部から見た“光り前頭”部(画面右上)。乳白色のメタアクリル樹脂製の前頭部がほのかに光っているのがわかる。左側は前照灯で、尾灯切り替え用の赤色板が見える。
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修復にあたっては、“車両はできるだけ開業時に近い状態に復元する”ことを目指し、随所に並々ならぬ拘りが見てとれます。その代表格が伝説の“光り前頭”の再現です。0系先頭車は当初その先頭部(いわゆる丸鼻)が乳白色のメタアクリル樹脂製で、内部からの照明で光るようになっていました(本誌最新号「一枚の図面から」参照)。しかし、鳥などが衝突して破損することから透明性のない強化プラスチック(FRP)製に交換されてしまったため、実際に“鼻”が光っているのを目にした方はけっして多くはないはずです。今回の展示では鉄道博物館収蔵品を取り付けることによって、その幻の“光り前頭”が見事に再現されています。

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▲21-2の運転台。0系新幹線電車の運転台は在来線電車と異なり、右マスコンハンドル、左ブレーキハンドルと機関車と同様のレイアウトとなっていた。
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▲運転席のメーターパネルまわり(左)。メーターは左から圧力計(上:SAP、BC/下:MR、CP)、速度計、架線電圧計、インバータ電圧計の順。助士席(右)は新製当初設備されておらず、後年追加されたもの。
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▲乗務員室ドアのロック装置と戸閉スイッチ(左)。右は乗務員室背面の配電盤で、リレーを多用した現代的感覚ではきわめてアナログな機構。
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ところで新幹線電車の運転機器配置はマスコン・ハンドルが右、ブレーキ・ハンドルが左と、在来線電車とは逆、つまり機関車と同様のレイアウトとなっています。入換え時など乗務員室窓から後ろを振り返ってのブレーキ操作が頻繁な機関車の場合はブレーキ弁が左側配置なのは理にかなっていますが、新幹線電車の場合はなぜ右=加速、左=制動となったのでしょう。停車駅も少なく、ATCを装備したことによって、加速操作に重点を置いたため…とするのが定説ではありますが、開発・設計段階での経緯もありそうで、こんなところにも興味をひかれます。
※ご注意:乗務員室内は一般公開されていません。

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▲“ホーム”中間部はピット状に掘り下げた床下観察スペースとなっている。通常はなかなか見ることのできない0系の床下機器をゆっくりと見学できる。
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▲0系新幹線の要でもあったDT200形台車(左)と、CS21形主制御器(右)。カム軸式の内部が良く見えるようにミラーが置かれているのがありがたい。
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もうひとつ特筆されるのが床下です。もともと深いスカートに覆われた新幹線電車の床下は見ようにも見られない部分ですが、今回の展示あたっては線路脇にピット状の観察スペースを設け、主要床下機器に解説パネルを添えて見学できるようになっています。一部はケーシングを透明アクリルに変更して機構内部がシースルーで見えるようになっているほか、主制御器など角度的に見にくいものに関してはミラーを立てるなどの配慮もなされています。

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▲東京駅新幹線中央乗換コンコースの19番線側正面柱に1967(昭和42)年に設置された記念碑のレプリカ。「この鉄道は日本国民の叡智と努力によって完成された」と高らかに謳いあげている。
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▲新丹那トンネル熱海口で行なわれた東海道新幹線起工式で十河総裁が使用したクワと、新幹線総局モデル線管理区の看板(左/ともに実物)。右は東海道新幹線0キロポスト(レプリカ)。
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091021n3670.jpg車内のPCモニターでの各種情報検索・掲示もさることながら、展示室内に設けられた大型モニターによる0系縁の方々へのインタビュー映像も必見です。とりわけ、当時、国鉄本社工作局の旅客車設計担当として関わられた星 晃さんのインタビューは、はじめてお聞かせいただく秘話も少なくなく、まさに目から鱗…の思いで拝見いたしました。ちなみに今回の展示にあたっては、RMライブラリー101巻『国鉄車輌誕生 ―車輌開発の黄金時代―』でもその片鱗をご紹介している星 晃さん撮影の画像がふんだんに活用されております。ぜひその辺もお目をとめていただければ幸いです。
▲展示スペースに設置された大型モニターでは星 晃さんや島 隆さんら、東海道新幹線開発に尽力された方々のインタビューを見ることができる。
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▲公開初日には夕方からの一般公開にも関わらず250人もの方が列をつくったという。0系新幹線のその温和な顔は、今や日本国民共通の“心の故郷”とさえ言えるのかもしれない。
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