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“NE Trainスマート電池くん”誕生。

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▲“NE Train スマート電池くん”の外観。パンタグラフを搭載して、蓄電池ユニット搭載部の側窓を換気口に変更している。 JR東日本提供

キハE200系ディーゼルハイブリッド車輌を開発し、2007(平成19)年から小海線で営業運転を行なっているJR東日本は、さらに新たな非電化区間の環境負荷の低減策として「蓄電池駆動電車システム」の開発を進めていますが、このシステムを搭載した試験車輌がこのほど完成いたしました。その名も“NE Trainスマート電池くん”。電化区間では通常の電車として走行し、非電化区間では蓄電池のみで走行、さらに折り返し駅などの非電化駅に設けられた地上側充電設備で充電して走行することが可能で、今月から試験走行を開始する予定です。

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▲主な改造項目の概略図。 JR東日本提供

「蓄電池駆動電車システム」は、電車に大容量の蓄電池を搭載して非電化区間の走行を可能とするものです。環境負荷の低減(CO2排出や騒音の低減)や車輌運用の効率向上(電化区間・非電化区間の共通運用化)、車輌メンテナンスの効率化(エンジン・変速機など手のかかる機械部品の削減)の実現を目指します。

091009n005.jpg試験車輌“NE Trainスマート電池くん”は、燃料電池ハイブリッド車の“NE Train”(旧キヤE991系=アーカイブ「世界初燃料電池ハイブリッド鉄道車輌誕生」参照)を東急車輌で改造したもので、全長は19500mm、幅は2800mm、全高は4052mm、重量は44t。制御システム機器と大容量蓄電池を搭載し、屋根上には停車中の大電流通電に対応した、試作型シングルアーム式パンタグラフが新設されています。側窓の一部を換気口に変更して、この部分の室内にはリチウムイオン蓄電池9ユニット(600V、163kWh)が搭載されています。床下には、架線の直流1500Vと蓄電池用600Vを双方向に変換できる電力変換装置と、VVVFインバータ方式(入力電圧600V)のモーター制御システムを搭載。主電動機は誘導電動機95kW×2台が1台車のみに装架されています。
▲室内に搭載された蓄電池ユニット。 JR東日本提供

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▲運転モードと開発課題。 JR東日本提供

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▲試験車輌“NE Trainスマート電池くん”主要諸元表。 JR東日本提供

最高速度は100km/h。平坦な線区で駅停車時の電力消費を含まない場合は、約50kmの走行が可能とのことです。なお、試験走行は大宮総合車両センター内の構内試験線で今月から開始するとともに、来年1月頃からは本線での試験走行を予定しており、試験では最適な蓄電池容量の見極めや、充電に要する時間などが検証されます。また、非電化区間の地上側に設ける充電設備の開発を進めるほか、2010(平成22)年度以降には、車輌と地上側に設ける充電設備を組み合わせた「蓄電池駆動電車システム」の総合試験を実施する予定となっています。

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