鉄道ホビダス

沼田のホイットカム動態復活。 動画付き

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▲林業機械化センターに仮設された線路をエンジンの唸りも勇ましく疾走するホイットカム。距離は短いとはいえ、“動態”の素晴らしさをあらためて実感。'09.10.4 P:木村一博
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昨日は津軽森林鉄道の保存車輌が焼失という残念なニュースをお伝えいたしましたが、同じ森林鉄道の保存車輌でも、打って変わって今日は明るい話題をご紹介いたしましょう。日曜日に行なわれた「第4回 根利森林鉄道まつり」で、なんと1926(大正15)年米国ホイットカム製のガソリン機関車が“動態復活”を遂げたのです。

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▲午前11時開式。林業機械化センター所長の挨拶に始まり、「よみがえれボールドウィン実行委員会」の丸山会長、来賓各位の挨拶ののち、お披露目のテープカットが行なわれた。'09.10.4 P:木村一博
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沼田市利根町根利にある林野庁森林技術総合研修所林業機械化センターが所管している森林鉄道車輌が経年劣化してしまっているため、これを見かねた有志が「よみがえれボールドウィン実行委員会」を立ち上げたのが2006(平成18)年のこと。同年にはボールドウィン3号機(1921年製)の塗装修復を完了し、以後、2007(平成19)年には協三工業製DL(1956年製)、2008年(平成20)年にはわが国の森林鉄道に初めて導入された輸入ガソリン機関車の1輌であるホイットカム(長野営林局7号)と作業を進めてきました。今年は運材台車(岩崎レール工業製)の塗装修復作業を行っていましたが、実は並行してホイットカムの動態化も進めていたのだそうです。

091008whitcomb04n.jpg好天に恵まれた10月4日(日)、多くの来場者の前で、当日一番のサプライズとしてホイットカムの動態披露が行なわれました。開会のテープカットに続いて「ホイットカム」の警笛が2声。すると重厚なセルの回転音とともにエンジンが始動、ホイットカムが息を吹き返したのです。その後、呼応するかのように「ボールドウィン」「協三DL」と汽笛2声で応じ、再び「ホイットカム」が警笛1声。運材台車を牽いた「ホイットカム」が多くのギャラリーに見守られながら走り出しました。1回目の披露運転は一往復。停車してエンジンを止めると、会場は大きな拍手に包まれたそうです。
▲運材台車が連結されるとホイットカムの手ブレーキだけでは心許ないため、ブレーキ係が運材台車に添乗しブレーキをアシストする。'09.10.4 P:木村一博
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今回の披露にあたっては、保管されている古レール(15㎏/m)を使用して、既設の展示用線路から15mほど延長するかたちで仮設線路が敷設されました。歪んでいるレールを「ジンクロ」という道具で修正し、枕木を並べてスパイクしていきますが、想像以上にたいへんな作業だったようです。

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▲運材台車の最後の仕上げ(左)。塗装剥離前に写し取っておいた「営」の字を完成した台車に書き写してゆく。右はレタリングも完了した晴れ姿。'09.10.3/4 P:木村一博
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展示棟建物内ではこれまでの修復過程を紹介したパネル展示も行なわれ、車輌修復とともに進められてきた根利地区に存在した森林鉄道(利根林道)遺構調査報告の展示も行なわれました。

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▲ボールドウィンと並んだ“動態”のホイットカム。来年の「育樹祭」に向けて新たな展開が期待される。'09.10.4 P:木村一博
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ところで来年秋に行なわれる「第34回全国育樹祭」の開催地は群馬県。この千載一遇の機会に、「よみがえれボールドウィン実行委員会」のこれまでの成果がどう反映されてゆくのかも、今から楽しみでなりません。
なお、木村一博さんからホイットカム走行シーンの動画をお送りいただきましたのでご覧ください。

動画「ホイットカム+運材台車習熟運転」(2分33秒)は→こちら
動画「ホイットカム添乗」(2分57秒)は→こちら

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