鉄道ホビダス

日本鉄道保存協会2009年総会。(下)

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▲工業技術博物館では動態保存されている2109号機を特別運転していただいた。1891(明治24)年製の“英国機”の元気な姿にゴードンさんも感激の様子。ただ、降り止まぬ雨には「テクノロジーの発達した日本には“雨のスイッチ”があるだろう。オフにしてくれ。」と無理な注文も…。'09.10.2 日本工業大学工業技術博物館
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2日目は埼玉県宮代町にある加盟団体・日本工業大学の工業技術博物館を見学いたしました。東武伊勢崎線の東武動物公園駅にほど近い日本工業大学は、B6・2109号機の動態保存で知られていますが、収蔵機器178点が国の登録有形文化財という工業技術博物館は世界に誇れる施設で、この機会にゴードンさんらにも是非ご覧いただこうと、松野建一館長にご案内いただきました。

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▲工業技術博物館はわが国の産業発展に寄与した工作機械等250台以上を機種別、製造年代別に展示しており、しかもその7割が“動態”で維持されている。写真はベルト伝道の機械加工工場で、東京の実在工場をほぼそのまま移設しており、こちらももちろん動態。'09.10.2 日本工業大学工業技術博物館
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この工業技術博物館には“マザーマシン”と呼ばれる各種の機械製品を生み出す工作機械を中心に、大小合わせて400点以上にのぼる機械・機器類が保存されており、しかもその多くが動態であることが驚異的です。

091002n006.jpg2109号機もこの工業技術博物館の収蔵・展示品のひとつで、もちろん動態に保たれています。通常は毎月第3土曜日(8月、12月を除く)に有火運転が行われていますが、この日は日本鉄道保存協会の見学会ということで特別に運転していただくことができました。参加団体にはこのB6の寄贈元である大井川鐵道さんもおられ、ひさしぶりに目にする元気な姿には感無量のようでした。
▲本館入口には1909(明治42)年フランス・ドライエ社製の古典自動車が素晴らしい状態で展示されている。'09.10.2 日本工業大学工業技術博物館
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▲快走する2109号機のキャブ。右側運転台で、お話によると現在の使用圧力は4㎏/c㎡、元空気溜めへの補給は地上のコンプレッサーを併用しているとのこと。'09.10.2 日本工業大学工業技術博物館
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ところでこの2109号機を目にして最初にゴードンさんがおっしゃったのが、キャブの屋根が嵩上げされているということ。確かに多くのB6はキャブ屋根が嵩上げされていてオリジナルのシルエットを崩していますが、B6自体をご存知のはずもないのに、ひと目見てそこを指摘するゴードンさんの慧眼にはあらためて恐れ入りました。

091002n002.jpg松野館長のご配慮でゴードンさんとマーチンさんをキャブにご案内。わずかな距離ながら自走する“19世紀の英国機”を体感していただくことができました。保存状態の素晴らしさにもいたく感激されたようで、昼食会を兼ねて行なわれたフェアウェル・パーティーでは、「わが英国の“最新”の機関車をお買い上げいただきありがとう」とまたまた冗談を交えてその感動を語っておられたのが印象的でした。お二人はこの日の夕方の成田エクスプレス、しかも営業運転二日目のE259系で成田空港へと向かわれ、続いてオーストラリアで行なわれる保存鉄道国際会議に出席のため日本を後にされました。
▲これが英国式の投炭だ…とばかり投炭にトライするゴードンさん。さすがに手馴れたもの。'09.10.2 日本工業大学工業技術博物館
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▲B6のキャブでゴードンさんとマーチンさんお二人揃って名残の記念撮影。お二人にとって初めての日本でのエクスペリエンスは生涯忘れ得ぬものとなったに違いない。'09.10.2 日本工業大学工業技術博物館
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東武博物館と日本工業大学を舞台に催された今回の日本鉄道保存協会総会も、多くの加盟団体、賛助会員、そしてオブザーバーの参加を得て成功裏に幕を閉じることができました。来年の総会開催地団体は北海道遠軽町(丸瀬布森林公園いこいの森)。それまでには一般社団法人化をはじめとして課題が山積していますが、私も顧問の一人として微力ながらお手伝いできればと思っております。

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