鉄道ホビダス

1080号機梅小路入りに寄せて。(中)

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▲1080号機の僚機1112号機。真空制動機と空気制動機の両方併用時代の姿。1112号機は6286号機からのタンク機関車化改造機で、1927(昭和2)年浜松工場の施工。(『略図の機関車』初版=昭和8年) (本多邦康さん提供)
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引き続き本多邦康さんからお送りいただいた1080号機(鉄道作業局D9形651号→鉄道院6270形6289号→タンク機関車化改造1070形1080号)関連の資料をお目にかけましょう。

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▲名鉄所属『機関車一覧表』大正15年9月1日現在より1080号機の項目を見る。項目中、給水器の「G」はグレシャム式給水器を、火床の「DrR」はドロッププレート付きのロッキング式を、弁装置の「SB」は上付き弁室のステフェンソン式を、「SD」は内側弁室のステフェンソン式を示す。 (本多邦康さん提供)
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話を1070形1080号に移して、名鉄所属『機関車一覧表』大正15年9月1日現在をご覧ください。1080号は、他の1070形と特に違いはなく(弁室の位置種別のみ)、タンク機関車らしく暖房管は前後とも装備されており、真空ブレーキを示す「眞」表現があります。

090911n036.jpg次にD9形651号に関する資料です。『機関車種別及哩(マイル)程』鉄道作業局汽車部(明治35年頃発行)によれば「組立後(明治)三十三年度末迄ノ運転哩数」について、D9形651号は、明治33年は新製(1901年=明治34年製)前年度のため記述がありませんが、ここにお目に掛ける『機関車種別及哩程』第四/鉄道作業局汽車部(明治39年発行)によれば、「(明治)三十七年度末迄ノ運転哩数」について、D9形651号は、121,782.9哩とD9形の中では少なめの走行距離です。

121,782.9マイルはキロ換算すると約194,852キロとなりますから、新製後4年と考えて、1年約5万キロ程度の走行状態であったことがわかります。さらに…

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▲「機関車種別及哩程」第四.鉄道作業局汽車部(明治39年発行)。各機の走行距離とともに車軸番号が記載されていることに注意。 (本多邦康さん提供)
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「番号蘭内ノ大数字ハ機関車番号 小数字ハ全車軸番号ニシテ種別欄内ノモノハ炭水車ノ車軸番号ヲ示ス」とあり、651号で言えば、先輪の車軸番号が4563・4564、動輪の車軸番号が459・460、炭水車の車軸番号が6717・6718・6719となります。
明治41年の車輌履歴簿制度導入以前の車輌管理は、まず走行距離と車軸管理だったと思われます。受持ち工場別に車軸管理台帳(軸焼け履歴等)があったのかどうか?想像が膨らみます。また、現在の1080号の車軸に残る刻印が、4563・4564・459・460かどうか見てみたいものです。もしそうであれば製造時のオリジナル車軸という事になると思います。

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