鉄道ホビダス

1080号機梅小路入りに寄せて。(下)

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▲『機関車種別及哩程』鉄道作業局汽車部(明治35年頃?発行)よりD9形650号(のちの6270形6288号=1070形1078号に改造)。上付き弁室がよくわかる。 (本多邦康さん提供)
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▲『機関車種別及哩程』第四 鉄道作業局汽車部(明治39年発行)よりD9形形式図。 (本多邦康さん提供)
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引き続き本多邦康さんからお送りいただいた1080号機関連の資料を見てゆくことにしましょう。
『運転便覧』(昭和8年)所収の「軌道応力に依る機関車制限速度」によれば、1070形は30㎏/mレールで制限速度90km/h、25㎏/mレールで制限速度45km/h、22㎏/mレール以下は入線禁止であったことがわかります。

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▲「局別機関車現在数表」(昭和7年12月末日現在)。この時点で1070形の在籍数は53輌。機関車のみならず、蒸気動車や、まだキハニ5000やキハニ36450の2形式のみだった気動車も含まれており、興味は尽きない。(『運転便覧』昭和8年2月18日発行) (本多邦康さん提供)
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090911n040.jpg模型製作で知られる平野和幸氏からは「大阪鉄道局機関車配置表」の昭和5年版と昭和17年版を頂戴しましたが、昭和5年8月末現在の大阪鉄道局機関車配置表を見ると、1070形は、梅小路庫・使用休止車1090号、湊町庫・営業列車用1092号・1107号・1110号、王寺庫・入換工事用1117号、和歌山庫・営業列車用1088号、奈良庫・営業列車用1091・1093・1106・1108・1109・1111・1115・1116・1118号の合計15輌が配置されているのがわかります。
一方、昭和17年9月30日現在の大阪鉄道局機関車配置表では、鳥取区・営業列車用1117号。奈良区・入換専用1110号、紀伊田邊区・入換専用1076号の3輌に減少しています。

▲「蒸気機関車の構造(車輪配置)に依る制限速度」。1070形の理論上の最高運転速度は92km/hと読み取れる。(『運転便覧』昭和8年2月18日発行) (本多邦康さん提供)
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▲昭和17年9月30日現在の大阪鉄道局機関車配置表より装備一覧。 (本多邦康さん提供)

この昭和17年9月30日現在の大阪鉄道局機関車配置表には機関車の装備一覧表も併載されており、昭和17年の1070形は、電気前灯装置・速度計装置・空気砂撒装置が付いていないこともわかります。入換機関車に電気前灯装置が付くのは、C53など廃車部品転用の頃なのですが、空気制動機がついても砂撒は、自然落下式のままだったわけです。

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▲『機関車種別及哩程』第四 鉄道作業局汽車部(明治39年発行)より機関車牽引定数表。 (本多邦康さん提供)
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あらためまして本多邦康さんありがとうございました。今回の資料の数々で、これまで知られていなかった1070形という機関車の実態が多少なりとも見えてきた気がいたします。
折りしも、梅小路蒸気機関車館では明日、1080号機の譲渡式が執り行われ、翌9月15日(火曜日)から一般公開される予定です。すっかり綺麗になった1080号機と再会できるのがなんとも楽しみです。

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