鉄道ホビダス

消えるモンキーパークのおとぎ列車。(上)

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▲山間の雰囲気が漂うモンキーパークおとぎ列車。路線延長のわりにはバラエティーに富んだ情景が展開する。'09.1.12 P:服部重敬
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RMライブラリー『富山地鉄笹津・射水線』で健筆をふるわれた服部重敬さんから、名鉄の遊園地・日本モンキーパークのおとぎ列車が「復活運転」をするという情報を頂戴いたしました。復活運転?といぶかしく思われる方もおられると思いますが、実はこのおとぎ列車、さる1月12日をもってひっそりと営業運転を終了しているのです。それでは服部さんからのお便りをかいつまんでご紹介してみましょう。

090308n002.jpgこのおとぎ列車は1958(昭和33)年に開業し、モンキーパークの催事館前から成田山の裏まで約800mの距離を結んでいました。車輌が遊園地風であるためファンの関心は低かったのですが、シチュエーションは鉄橋あり、踏切あり、信号所あり、転車台ありと、本物の鉄道と比べて遜色なく、写真のように沿線の雰囲気はまさにローカル鉄道そのもので、撮り方次第では英国の保存鉄道を彷彿させる(というとオーバーですが)雰囲気すらありました。個人的にも様々な思い出がつまった鉄道であり、廃止は残念に思います。
▲モンキーパーク信号所をゆく。繁忙期の2列車運転時にはここで対向列車と交換した。なお、復活運転は1列車運行のため、この信号所での列車交換はもう目にすることはできない。'09.1.12 P:服部重敬
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その最終日である1月12日に現地を訪問しましたが、廃止がモンキーパークのホームページに紹介されただけのためか知る人も少なく、ファンの姿も限られて、寂しい最後でした。そのため、廃止を知らなかった人たちから、再度運転してほしいとの要望が寄せられたためか、今月、日付を限って運転を再開することになりました。
■復活運転概要
復活運転日:3月7、8(土・日)、14、15(土・日)、20?31日の合計16日間(雨天中止)
運行車輌:トーマス編成のみ
※詳しくは日本モンキーパークHP(→こちら

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▲イギリスの保存鉄道?を思わせるシーンが展開する。勾配標も本格的で、線路だけ見ると遊園鉄道とは思えない。'09.1.12 P:服部重敬
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090308n004.jpgところでこの鉄道、調べてみると単なる遊戯機器にとどまらず実に面白い鉄道であることが判明しました。まず軌間ですが、2フィート(610mm)ゲージです。レールも骨董品が使われています。ご覧にいれる写真は、園内の踏切で撮影したレールですが、1886(明治19)年Joliet製が現役で使われています。1913(大正2)年カーネギー製が中心のようですが、同時代の様々なレールが使われており、中には日本でほとんど見つかっていない珍しいレールもあるようです。これらのレールは、ホームの柱などで使われている例はありますが、現役としてはかなり珍しいものと思われます。言い換えれば、明治のレールが現役の鉄道にタイムマシンのように残っているわけです。
▲1886年(明治19年)製のJoliet(米国)製レールが現役。先日ご紹介した西武鉄道安比奈線にもJolietが残っているが(1887年製・アーカイブ『安比奈線再訪』参照)、こちらは“今なお現役”。'09.1.12 P:服部重敬
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シチュエーションの良さも特筆されます。沿線の雰囲気はローカル鉄道そのものといってもよく、信号所や転車台があります。2列車運転の時には信号所で通票の交換をしていましたし、終端駅では機関車を転車台で回転するなど、ファンの心をくすぐる要素が揃っています。
(つづく)

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