鉄道ホビダス

RMライブラリー『日本硫黄沼尻鉄道部』完結。

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▲春の日差しを浴びて林の中からガソ101の列車が併用軌道に踊り出てきた。通学途中の小学生にとっては“日常”の光景に過ぎないのだろうか…。'65.5 酸川野-名家 P:梅村正明 (RML『日本硫黄沼尻鉄道部』下巻より)
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青木栄一さんによるRMライブラリー『日本硫黄沼尻鉄道部』は、たいへんご好評いただいている上巻につづき、いよいよ下巻が完成しました。

090121n002上巻では沼尻鉱山の成り立ち、馬車軌道としての開業から第2次大戦までの沿革、沿線、設備、運転についての解説を収録しましたが、続く下巻ではコッペル製の蒸気機関車から、内燃機関車、客車、内燃動車、貨車に至るまで、この鉄道の歴代の車輌について、多くの写真や図面とともに解説をいただいています。特に客車については、昭和25年以降在籍した14輌すべての写真はもちろん、青木栄一さんが訪問時に鉄道事務所で複写された馬車鉄道時代からの1~3の竣功図も収録。また、この鉄道唯一の自社発注ガソリンカーであったガソ101についても、梅村正明さんが撮影された貴重な走行シーンや、湯口 徹さんによる解説も収録するなど、その魅力を存分にお伝えする内容になっております。

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▲梅村正明さんによる「ガソ101との遭遇」は、動く機会の少なかったガソ101との邂逅を綴ったコラム。土煙をあげて併用軌道をゆくガソの姿は軽便ファンの心に残る。 (RML『日本硫黄沼尻鉄道部』下巻より)
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また、開業時に地元で行われたこの鉄道を猪苗代へ接続しようという運動の顛末を、日本硫黄最後の総務部長であった田中新一さんご所蔵の資料によりひも解くコラム「幻の猪苗代駅連絡線始末」(青木栄一)も必読です。さらに、ほとんどの旅客車輌が動員された「スキー客輸送」(梅村正明)もこの鉄道の実像を知る上で見逃せません。

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▲下巻では沼尻鉄道に在籍した車輌たちを詳述。蒸気機関車(左)はもとより、客車(左)についても貴重な写真・資料の数々を収録。 (RML『日本硫黄沼尻鉄道部』下巻より)
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巻末では、硫黄鉱山と衰退と共に観光鉄道化を目指した鉄道が、「磐梯急行電鉄」と名を変え、そして休止を迎えるまでの顛末について、田中新一さんへの聞き取り調査で判明したこれまでほとんど知られることのなかった内容も踏まえて解説。また、梅村正明さんによる最終日のレポートは、この鉄道の休止がいかに突然であったかが、生々しく伝わるものとなっています。

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▲こんな軽便でもスキーシーズンともなればたいへんな賑わいとなった。ガソも動員しての豪華7輌編成が沼尻スキー場を目指す。 (RML『日本硫黄沼尻鉄道部』下巻より)
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休止から40年以上を経て、今なおファンに絶大な人気を誇る沼尻鉄道。本書はその決定版というべきものです。ぜひ上巻ともどもお手許にお揃えください。

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