鉄道ホビダス

34年前の Hythe Pier Railway。

090114nn001.jpg
新年幕開けにお送りした世界最古の桟橋鉄道“Hythe Pier Railway”(アーカイブ「最古の桟橋ナロー Hythe Pier Railway」参照)に関して、思わぬレスポンスを頂戴しました。媒体アドレス宛にお便りをお送りいただいたのは東京都にお住まいの猪股伸雄さん。なんと34年前、短期間ながらハイスの町にホームステイし、日常の足としてハイス桟橋鉄道を利用されていたのだそうです。若干退色したエクタクロームの画像とともに、そこはかとなく時代の感じられる心打つお便りですので、お許しを得てご紹介してみたいと思います。
▲フェリー乗り場で折り返しを待つ34年前のピア・トレイン。まだ塗色がブルーとホワイトの塗り分けであったことがわかる。'75.9 P:猪股伸雄
クリックするとポップアップします。

突然のメール、失礼いたします。貴誌ならびに、ホビダスブログ、いつも楽しく拝見しております。私は、50代の一レイルファンです。正月明け、いつものように「編集長敬白」を拝見して、驚きと懐かしさのあまり、このメールを送らせていただきました。

090114nn003.jpg私は、大学生時代に、ハイスの住宅地に住む、高齢のご夫婦のお宅に、短期のホームステイをさせていただいたことがありました(1975年夏、私が20歳の時のことです)。そのお宅から、サウザンプトンや、そこから列車に乗ってロンドンやRomney, Hythe and Dymchurch Railway(RH&DR)まで、足を伸ばしたり致しました。
▲泊めていただいた部屋から見たハイスの住宅街。'75.9 P:猪股伸雄
クリックするとポップアップします。

その際、必ず利用したのが、ハイスの桟橋鉄道だったのです。地元の通勤客と一緒に、海風に揺られながら数分の旅を楽しんだものです。結構な混雑だったように記憶しております。一度は、ロンドンからの帰りに、遅くなってしまい最終のフェリーに乗り遅れたため、サウザンプトンの駅からタクシーで陸路を帰りましたが、大変な時間と金額がかかり(おまけに、タクシーの運転手もハイスへの道をよく知らず)、フェリーと桟橋鉄道のありがたさを実感しました。

090114nn004.jpg
▲ホームステイ先のお宅から桟橋へ向かう道。この周辺の雰囲気は現在でもほとんど変わっていない。'75.9 P:猪股伸雄
クリックするとポップアップします。

当時は、最古の桟橋鉄道ということも知らず、写真も真面目に撮っていないのですが、ブルーと白の塗り分け時代の写真を、1枚だけ添付させていただきます。エクタクロームで退色もしておりますが、ご笑覧ください。

090114nn002.jpgハイスのことについて、もう少し付け加えさせていただくと、私がホームステイさせていただいたご夫婦は、Hetleyさんとおっしゃいます。ご主人は60代半ばで、フォードのコルチナが愛車、私を乗せてハイス周辺の田舎道を100㌔以上のスピードで突っ走る、元気で穏やかな英国紳士でした。奥様も優しい方で、東洋から来た、髪の長い若者を暖かく迎えてくださいました。
▲ホームステイ先のHetley夫妻と若き日の猪股さん。'75.9 P:猪股伸雄

私が初めてHetley家を訪れたのは日曜日の午後だったのですが、あちらでは、日曜は3時のおやつをいただいて、夕食は無し、という習慣を知らず、待てど暮らせど夕食の声がかからなくて、面食らったことも、懐かしい思い出です。そういえば、手みやげに日本製の小さな電卓を持参し、大変喜ばれたのも、時代を感じます。ちなみに私は伸雄なので、nobyと呼ばれておりました。

090114nn005.jpgご推察の通り、当時ご高齢だったご夫婦は、すでに他界され、ご遺族の方とも連絡が取れなくなっております。残念です。ちなみに、このホームステイは、大学(日本大学生産工学部機械工学科です)が企画した欧州研修旅行の一環でした。西ドイツ、フランス、デンマーク、スイス、イタリアなどを1ヶ月あまりで回る旅で、ハイスには1週間ちょっとの、本当に短いホームステイでしたが、とっても印象深い経験でした(それ以来英語は全く上達しておりませんが…)。
▲ハイスの対岸に位置するサウザンプトン駅。「座席毎に出入り扉がずらっと並ぶ車輌は、写真でしか見たことがなかったので、開けると先客が居たりして、大いに戸惑いました」と猪股さん。手前に腕木式信号機が見える。'75.9 P:猪股伸雄
クリックするとポップアップします。

ご参考までに、何枚か写真を添付します。鉄道をきちんと撮っていないのが、お恥ずかしい限りです。
これからも、多様で楽しい記事を期待しております。時節柄、ご自愛の上、ご活躍下さい。

090114nn006.jpg
▲サウザンプトン駅からロンドンのウォータールー駅で乗り換えて訪ねたRomney, Hythe and Dymchurch Railway(RH&DR)。日本では“ロムニー鉄道”の通称で知られる15インチゲージ鉄道だ。起点のHYTHE駅は奇しくもハイス桟橋鉄道と同じスペル。'75.9 P:猪股伸雄
クリックするとポップアップします。

猪股さんほんとうにありがとうございました。まさか30年以上前にあのハイス桟橋鉄道を日常の足として利用され、しかも写真を撮っておられる方からお便りを頂戴できるとは思ってもいませんでしたので大感激です。重ねて御礼申し上げます。

numajiri_bunner.jpg

レイル・マガジン

ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2018 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.