鉄道ホビダス

桜谷軽便鉄道を訪ねる。(上)

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▲晩秋の住宅街を眼下に「草軽」がゆく。このデキ12は2004年製で、後ろに続くホハ150とともに南山線の主力編成のひとつ。'08.12.6
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先日、まだ名残の紅葉が残る桜谷軽便鉄道南山(みなみやま)線を訪ねてきました。桜谷軽便鉄道は小誌200号記念号やムック『今日からはじめる庭園鉄道』でもご紹介していますが、持元節夫さんが次々と消えてゆく軽便鉄道や鉱山鉄道、森林鉄道など“失われゆく軽鉄道”のイメージをご自宅の庭に再現しようと“自作”し始めた究極の乗用庭園鉄道です。

081216n017.jpg軌間は英国のロムニー鉄道などで用いられ、世界最小の実用鉄道ゲージとして国際的に認知されている15インチ(381㎜)ゲージ。当初は鉱山の坑内軌道などに見られる1フィート8インチ(508㎜)ゲージでの敷設を夢描いたものの、さすがにご自宅の敷地に敷設するには無理があり、最終的に落ち着いたのが15インチだったのだそうです。とはいえ、普通の住宅街のご自宅に、母屋を取り巻くように“軌道”を敷設し、なおかつそこに“乗用”の車輌を走らせようというのですから驚きです。
▲駐車場から“本線”をゆく秋保電車風モハ1408を見上げる。まるで実物を見ているかのようで、思わずシャッターにも力が入る。'08.12.6
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▲大きくループを回って桜谷駅を出るデキ3牽引の列車。デキ3は一昨年製造された“新車”である。'08.12.6
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sakuradanimap.jpg試行錯誤の末にご自宅を一周し、さらに側線まで備えた延長75mの電化軌道が完成、妙見山麓に存在した銅鉱山「桜谷鉱山」から名前を拝借して「桜谷軽便鉄道」と命名されました。普通のお宅の玄関を横切るスライスチーズのような“電車”はたちまち話題を呼び、マスコミにも大きく取り上げられることとなります。
▲桜谷軽便鉄道南山線位置図(桜谷軽便鉄道ホームページより)
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地元の子どもたちはもとより見学者も増え続け、さすがにご自宅では限界があると、一大決心をしてご自宅付近の敷地を購入し、本格的な建設を開始したのが桜谷森林鉄道南山線です。「南山」は古地図にあった同地の名称だそうで、鉄道以外にも鉱山や鉱物収集などの趣味をお持ちの持元さんらしいネーミングといえましょう。

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▲風の峠駅の車庫に並んだ車輌たち。給水塔も備わり、左奥には当線唯一の蒸気機関車8号機の姿も垣間見える。'08.12.6
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▲簡易な電動ポイントもすべて自作品。そればかりかきちんと信号とも連動しているから驚き。'08.12.6
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▲桜谷軽便鉄道南山線線路図。桜谷駅には破線で示されている退避線がすでに新設されている。(桜谷軽便鉄道リーフレットより)

2001(平成13)年8月10日に開業したこの南山線は、両端の「桜谷駅」と「風の峠駅」に設けられた二つのループを複線が結ぶ大規模なもの。開業当初は非電化でしたが、その後電化(直流30V)され、現在では車輌工場まで備えた立派な“鉄道会社”といった完成度です。

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▲きらめくすすきを掻き分けるように尾小屋風キハ3が行く。ガソリン・エレクトリック(?)のためいっぱしのエンジン音も雰囲気を盛り上げる。'08.12.6
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おうかがいした当日は、妙見山から吹き下ろす風が思いのほか冷たいものの、名残の紅葉に囲まれたまたとない好天で、次々と姿を現す「草軽」や「尾小屋」に思わず時の経つのを忘れて興じてしまいました。

※桜谷軽便鉄道公式ホームページは→こちら

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