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“ランケンハイマー”の汽笛。

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▲現在活躍中の“C.P.HUNTINGTON”。2軸先台車を持つ動輪一軸の「A型機」である。'08.1.18
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「としまえん鉄道フェスタ」がいよいよ近づいてまいりましたが、園内に「模型列車」と名づけられた600㎜ゲージのエンドレス軌道があるのをご存知でしょうか。かつて『トワイライトゾ~ン・マニュアル』1・2巻で「遊園地をあなどってはイケナイ!?」と題して全国各地の遊園地鉄道を紹介したことがありますが、豊島園のこの軌道は、その中でもとりわけ謎に満ちているトワイライトな鉄道です。

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▲こちらは休車となっている先代の“C.P.HUNTINGTON”。この汽笛に謎の打刻が…。'07.12.14
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まず気になるのはその軌間です。いま600㎜ゲージと記しましたが、なぜ2フィート(609㎜)ではなくメトリックの600㎜なのでしょうか。今もってその経緯は詳らかではありませんが、同系の西武園の園内鉄道に旧鉄道聯隊の軌匡が使用されていたことを思い起こせば、戦後はやい時期に西武鉄道が大量に入手した鉄道聯隊資材が用いられた可能性は否定できません。かつて、機関車研究の泰斗、かの臼井茂信さんから、終戦後この豊島園の園内軌道に小型蒸気機関車が走っていたという情報がある…とうかがったことがあります。果たしてどんな蒸機が煙を上げていたのか気になります。

mokeiressya103.jpgところでこの鉄道、「模型列車」とは奇妙なネーミングだと思われないでしょうか。実はこれにも隠された背景があります。園内鉄道をリニューアルする際に、米国の遊具メーカーであるチャンスから車輌を購入、この際に輸入されたのがアメリカの大陸横断鉄道Southern Pacific(サザン・パシフィック)鉄道の1号機“C.P.HUNTINGTON”のミニチュア、つまり模型だったのです。「模型列車」という名前にはそんな理由が秘められているのです。
▲そしてこれがその汽笛のアップ。うっすらとではあるが、“LUNKENHEIMER”と読み取れる。'07.12.14
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▲予備機に付けられた製造銘板(?)。“CPH LOCO 06693L2HR 81~50-183-24”の刻印が見られる(右)。左はエンドレス中央部の側線でなかば廃車状態の4-4-0機。'07.12.14
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この模型列車の“C.P.HUNTINGTON”を見ていて驚きの発見がありました。なんと、汽笛に“LUNKENHEIMER”なる打刻があるではないですか。えっ、ランケンハイマー! ランケンハイマーといえば古典蒸機ファンにはつとに知られた日本甜菜製糖磯分内工場の謎のB型機(アーカイブ「“ランケンハイマー”のお砂糖」参照)が思い浮かびます。今もって素性の知れないこの機関車は、研究家の間でも諸説紛々ですが、前出の臼井茂信さんは『機関車の系譜図』の中で、アメリカに「バルブとか暖房関係の器具を製造する会社」が同名で存在したことを指摘されています。果たしてこの“C.P.HUNTINGTON”とその会社との関連は…そして遥か日甜に果てたランケンハイマーとの関係は…。

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▲こちらも現在予備となっている4-4-0。“C.P.HUNTINGTON”とは異なり、国産機とのこと。いずれにせよ合計4輌の機関車が“在籍”しているわけだ。'07.12.14
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なお、「としまえん鉄道フェスタ」については、本日の鉄道ホビダスで詳細をご紹介(→こちら)しております。ぜひご覧のうえお運びください。

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