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「鐵樂者三人展」を見る。

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▲ギャラリーそのものは決して広くはないが、タイトル通り三者三様の極めて濃密な空間が展開している。'08.9.3
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8月22日から開催されている金澤 忠さん、杉 行夫さん、野口信夫さんの写真展「’08 鐵樂者三人展」に遅ればせながらお邪魔してきました。都電荒川線の鬼子母神前電停にほど近いギャラリーは、規模こそ大きくはないものの、アットホームな落ち着いた雰囲気で、ゆっくりと作品を拝見することができました。

080903.001n.jpgうかがったところでは、お三方のそもそもの出会いは杉さんがメンバーだった「けむりプロ」が1971(昭和46)年にリリースした『鉄道讃歌』(交友社刊)にまで遡るそうです。もちろん当時金澤さんは中学生、野口さんは小学生で杉さんと直接面識があろうはずもありませんが、『鉄道讃歌』が提起した鉄道情景の再現方法に強く影響を受け、これによってその後のお二人の趣味が方向付けられたようです。
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▲金澤 忠さんは三人の出会いの場でもある「ゆめ牧場・まきば線」を縦横無尽に展開。ギャラリー表正面に掲げられた巨大なプリントも必見。'08.9.3
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▲野口信夫さんは中国の綏?森林鉄道をモノクロームで展示。“情景”に拘るメンバーならではのカメラアイに注目。'08.9.3
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実際に顔を合わせたのは今から8年ほど前の2000年頃のこと。金澤さんと野口さんは成田「ゆめ牧場」で羅須地人鉄道協会が運転している蒸気機関車運転日に欠かさず足を運んでいた常連で、ここで同協会の杉さんと出会うことになります。そして次第に交流を深めるなかで、三人それぞれが思いを寄せたひとつの鉄道を独自の視点から表現しようと今回の写真展が決まったといいます。

080903n11.jpg金澤さんは三人の出会いの場でもあり、撮り続けてきた「ゆめ牧場・まきば線」を、野口さんは長年追い続けている軽便蒸機の中から「中国・綏?(すいりん)森林鉄道」を、そして杉さんは1960年代に4回にわたって通った「貝島炭鉱鉄道」をテーマに取り上げ、三者三様の展示でそれぞれの世界をアピールしています。

金澤さんや野口さんと同様に『鉄道讃歌』に強くインスパイアを受けた私にとって、杉さんの「貝島」はとりわけ強く印象に残りました。筑前宮田~長井鶴(六坑)間しか知らない私たちの世代からしてみれば、二坑、五坑、そして庄司と路線を張り巡らしていた時代の貝島は、北の大地のオールド・アメリカンとともに手の届かなかった憧れの象徴でした。その鉄道情景を空気感ごと封じ込めたような杉さんの作品の数々には、まさに圧倒される思いです。
▲「ゆめ牧場」での三人。奥から金澤さん、杉さん、野口さん。(展示プロフィールより)

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▲『鉄道讃歌』で一部は発表されているものの、杉 行夫さんの貝島炭鉱鉄道は未発表作が大半でまさに圧巻。'08.9.3
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本来は8月一杯の会期も、好評につき今度の日曜日=9月7日まで延長されているそうです。会場は木曜日が定休ですから、ご覧になれるチャンスは今週末の金曜・土曜(ともに12:00~18:30)、日曜(12:00~17:00)の3日間のみ。都電の散策を兼ねてお出でになってみては如何でしょうか。

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