鉄道ホビダス

静岡鉄道駿遠線のB15。

080826n1.jpg
▲すっかり綺麗になって郷土博物館前庭に保存されている静岡鉄道駿遠線B15。柵に囲まれて写真は撮りにくいが、四方からディテールを観察できるのは嬉しい。'08.8.23
クリックするとポップアップします。

先日、大井川鐵道を訪ねる道すがら、藤枝市に残る静岡鉄道駿遠線の蒸気機関車B15を見てきました。しばらく前にほかならぬ大井川鐵道で化粧直しを施されたと聞き、ぜひ修復なった姿をこの目で見てみたいと思っていたところでした。

080826n2.jpg御前崎を巡る静岡鉄道駿遠線は、総延長64.6㎞(大手~袋井間)と戦後に残された軽便鉄道としては破格の規模で、歴代活躍した蒸気機関車ものべ25輌を数えます。しかし、戦後在籍した蒸気機関車の多くは自社の大手工場・袋井工場で「蒙古の戦車」と異名をとる自家製ディーゼル機関車に改造され、最終的に蒸気機関車のまま残されたのはこのB15だけでした。髙井薫平さんの『軽便追想』によると、1954(昭和29)年時点でこのB15もディーゼル機関車に改造する予定であったとされていますが、幸い(?)改造に着手されることはなく、静岡市の駿府城公園に静態保存されることとなりました。
▲戦時下における車輌統制会の「系列設計」に基づくだけに、随所に国鉄B20との共通点が見出せる。煙突に付けられた金網状の火の粉止めは現役時代からのスタイル。'08.8.23
クリックするとポップアップします。

080826n3.jpg
▲後部炭庫を持たないバックビュー。全体のディメンションは雨宮製の8トン機を踏襲しているとされる。'08.8.23

080826n4.jpg080826n5.jpg
▲キャブ内も木部を含めてすっかりレストアされている。右側運転台である点に注意。'08.8.23
クリックするとポップアップします。

駿遠線といえば前身の藤相鉄道から引き継がれたコッペルのBタンクを思い浮かべますが、残念ながら最後に残されたのは産業用ロコに近いこのB15でした。そのスタイルを見ればどことなく国鉄B20に似ていると思われるでしょうが、本機は戦時下の車輌統制会が定めた戦時規格型機の流れを汲むもので、角型のドームなどにもその影響を見ることができます。なお、B15の“15”は駿遠線蒸気機関車の通し番号で、自重は8t、僚機B16も同形機でした。

080826n6.jpgメーカーはB20と同じ立山重工業(製番8008)。少ない物資のなかで工程数を極力減らして実用本位に作られた機関車だけに、趣味的に見れば少々無味乾燥なスタイルにも思えます。駿河湾沿いをのんびりと走る軽便よりは、工場専用線の方がしっくりくる機関車と言えるかもしれません。
▲ワルシャート式の変哲のない足回り。軸距は1220㎜。'08.8.23
クリックするとポップアップします。

当初は駿府城公園に保存されていたというこの機関車が、どのような経緯で藤枝市に移管されることになったのかはわかりませんが、現在は蓮華寺池公園内にある藤枝市郷土博物館のエントランスで実に手厚く保存・展示されており、このたびの整備で、さらに末永く駿遠線の歴史を語り継いでいってくれるに違いありません。

keihaku-banner3a.jpg

レイル・マガジン

ホビダス・マーケット新着MORE

  • 俺がイル
ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2016 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.