鉄道ホビダス

ノルマンディーに欧州最古の現役内燃機関車を訪ねる。(中)

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SNCF(フランス国鉄)のストの影響で、パリの高速環状線の大渋滞に巻き込まれてしまったことが災いし、お目当てのラグリブ煉瓦工場にたどり着いた時には、すでに時計の針はお昼を過ぎてしまっていました。実にパリ市内から4時間以上も掛かってしまったことになります。
▲併用軌道からミル(工場)へと入ってゆく軌道(画面右)。ささやかな築堤で高度を稼ぎ、これまたささやかなトレッスルで2階部分へと引き込まれてゆく。写真は入口のドアが閉まっている状態。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
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果たして見学させてくれるものかどうかとオフィスを訪ねると、室内には人気がまったくなく扉になにやらカードが下がっています。どうやら13時半までお昼休みらしく、やむなくこちらもリジュウの町までクルマを飛ばし、手軽なマックで昼食をとることにしました。

080713n1.jpgさて、13時半きっかりにオフィスに戻ると、おじさんがせわしく電話を取っています。突然現れて中を覗き込んでいる謎の東洋人を“警戒”しているようですが、電話が終わるなり、とりあえずはフレンドリーにご挨拶。やはり英語は通じそうもなく、こんな時のために予め用意していた“ユンク”のカタログ写真を見せ、身ぶり手振りで日本からコレを見に来たと説明したところ、おじさん、驚いたのなんの! 俺が案内してやるからついて来い…とばかりにオフィスを出てずんずん工場の方へと導いてくれます。
▲画面右側の建屋がキルンとミルを併設した工場で、2階の軌道へは幅50センチほどの鋼材製の梯子をよじ登らねばならない。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
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▲オフィスでいただいたラグリブ'煉瓦工場の立派な製品案内。キルンは25万個の生産能力を持つそうで、“リリプット”がいるシモ煉瓦工場よりかなり規模は大きい。
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なにやら派手なジェスチャーを交えていろいろと説明してくれているようなのですが、9割方は何を言っているのかさっぱりわかりません。とにかく後をついてゆくと、工場建屋脇の資材置場の狭い梯子を登れとのこと。丸棒のような鋼材で頼りなげに組まれた幅50センチほどの梯子は、汚れ放題に汚れ、カメラバッグを担ぎ上げることさえ一苦労なほどでした。

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▲バックヤード側の入口からミル内部を見渡す。クレイピットからナベトロで運ばれた用土はここからストレーナーを通してビンに落とされる。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE

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▲ミルの奥には簡単な分岐器が(左)。なんとこの軌道の全線を通して唯一のポイントである。右はミル上部よりバックヤード側の入口を振り返ったところ。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
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果たしてこの梯子を上がった2階部分に軌道が引き込まれていました。どうやらクレイピットで採掘された用土は、軌道によって直接このミルを併設した工場内に引き込まれるようで、眼下では成型機が耳を覆う大きな音を立てて動いています。

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▲予備のナベトロ。“運用”に就く5輌とこの予備の2輌、それに屋外に捨てやられていた2輌ほどがすべての被牽引車。ただ、このナベトロ、ただものではない。その証がナベ上部に…。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE

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▲ナベ部に燦然と輝く(?)ドコービルの銘板と軸受部の陽刻。そう、このナベトロ、博物館もののオリジナル・ドコ?ビルなのである。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
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運搬車はすべていわゆるナベトロですが、このナベトロ、よくよく見ると銘板までしっかりと残ったドコ-ビル社製ではないですか。かつて荒川知水資料館に保存展示されているドコ-ビル製ナベトロをご紹介したことがありますが(アーカイブ「年のはじめはドコ-ビル詣で」参照)、さすが“本国”だけあって現役で活躍している仲間がいるとは驚きです。

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▲そしていよいよお目当ての“ユンク”にご対面…え、ヨーロッパ最古の現役内燃機関車はどこにいるのか…ほら、目の前にいるそれですよ…。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
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さて、いよいよ待ちに待った“ユンク”とのご対面ですが、案内役のおじさんが言う(恐らく…)には、朝まで雨が降っていたため、今日は動かないとのこと。どうやらクレイピットの用土が水を含んでしまった状況では運転しないようで、残念至極です。ただ、熱心に案内してくれるおじさんに巡り合えただけ良しとせねばならないのかもしれません。

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