鉄道ホビダス

ノルマンディーに欧州最古の現役内燃機関車を訪ねる。(上)

080712n2.jpg
▲工場のバックヤードを併用軌道でクレイピットへと向かう500㎜の軌道。かつてはここノルマンディー地方でも随所で見られた光景だったはず。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
クリックするとポップアップします。

昨秋のフランス“RAIL EXPO”の旅では、北部フランスの煉瓦工場の軌道(アーカイブ「リリプットの森」参照)とともに、もう一箇所、ぜひとも訪ねておきたい、やはり煉瓦工場の軌道がありました。パリから190キロほど離れたノルマンディー地方のリジュウにある、これまた決して大きくはない煉瓦工場です。

080711004n.jpgラグリブ煉瓦工場(Briqueterie LAGRIVE)を名乗るこの工場の創業は1896年とされ、いまだに戦前のユンク製内燃機関車を使用していることで欧州のインダストリアル・ナローゲージャーの間ではそれなりに知られた存在です。動態保存を除けば、現役の内燃機関車としてはヨーロッパ最古ということになりますが、ただ、その姿形はとても「機関車」のイメージからはほど遠いと言わざるをえません。それだけに、こんなモノをわざわざ見に行く気が知れない…と仰られるかもしれませんが、私にとっては専門分野(?)だけに一度はこの目で見ておきたかったのです。
▲この行程ではたいへん役に立ったミシュランのルート検索サイト。100m単位の非常な細かさでルートを示してくれる。スピード・カメラ、日本で言うところのオービスの位置も詳細に記載されている。
クリックするとポップアップします。

080711003n.jpg
▲ラグリブ煉瓦工場会社案内に見る工場位置図。リジュウ(Lisieux)の街外れに位置し、この案内図ではパリからは高速A13を使うように記載されている。
クリックするとポップアップします。

さて、ノルマンディー地方というと、大半の日本人にとってはあの“ノルマンディー上陸作戦”がまず思い浮かびますが、それから先はというとお寒い限り…というのが正直なところではないでしょうか。私も例外ではなく、あとは世界遺産で有名なモン・サン・ミッシェルの修道院や、セーヌ川下流域の肥沃な平原といった程度の認識しかありませんでした。

08712n4.jpg実際、パリからの高速A13を下りて一般道に入ると、なだらかな丘陵地帯が延々と続き、広大な牧草地や畑が広がるなかを、ひたすら直線の道が続きます。カマンベールチーズが名産品だそうですが、酪農と農業に支えられた典型的なフランスの田舎といった風景でしょうか。途中のスタンドで買った、なぜか奇妙なフレーバー入りのリプトン・アイスティーを飲みながらお目当ての工場を目指しますが、かなり退屈なドライブではありました。
▲正門から見た工場内。右側の平屋の建物が事務所で、外観とは裏腹に、中に入るとOA機器の並ぶ近代的なオフィスとなっている。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
クリックするとポップアップします。

080712n3.jpg
▲19世紀創業という長い歴史のシンボルでもある煉瓦積みの巨大な煙突。この工場正面側からは軌道はまったく見えない。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
クリックするとポップアップします。

そろそろ目的地リジュウの町に入ろうかという時、ラグリブ煉瓦工場は突然その姿を現しました。地平線まで見渡せるような平地の進行左手に、忽然と巨大な煉瓦作りの煙突が現れたのです。幸い操業中のようで正門は開いています。
毎度のことながらアポなしの突然訪問、しかも言葉もまったく通じない異国の地で、いよいよ撮影交渉を始めねばなりません。

080712n1.jpg
▲“理想的な”ヘロヘロ度合いの本線軌道。軌間はメトリックゲージの500㎜で、もちろんオリジナル・ドコ?ビル。'07.11.23 Briqueterie LAGRIVE
クリックするとポップアップします。

※「今日の一枚」がついに1万枚を突破! (→こちら

keihaku-banner2.jpg

レイル・マガジン

ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2018 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.