鉄道ホビダス

岸さんからの届かなかったメール。

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▲昨年末の初のライトアップイベントのひとコマ。暗闇に20系のブルーがくっきりと浮かび上がる。'07.12.23 P:天竜レトロ・トレインクラブ

6月14日の岩手・宮城内陸地震の際、駒の湯温泉で犠牲となった鉄道博物館の岸由一郎さん(「岸由一郎さん遭難の報せに…」)を悼む声はいまも随所で耳にしますが、ご実家のある前橋市で行われたお通夜の際に、天竜二俣でキハ20をはじめとした保存活動をされている「天竜レトロ・トレインクラブ」(TRTC)のリーダー・山崎義和さんから実に衝撃的なお話を伺いました。

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▲道路側(山側)側面の本塗装中。ナハネ20の塗装は、ここから始まったという。'07.8.5 P:天竜レトロ・トレインクラブ

山崎さんとはこの時が初対面でした。携帯電話の画面をかざしながら「名取編集長ですか」と尋ねられ、何事からんと伺ってみると、山崎さんらが取り組んできた保存活動が新たな段階を迎え、近々イベントを行うことをこの「編集長敬白」で取り上げてほしい…しかし面識もないのにいきなり連絡するのも…と、その仲介をほかならぬ岸さんに頼んだのだそうです。
見せられた携帯電話の画面には、「これから出張にでるので、週明けにでも私の方から名取編集長にメールでその旨を頼んでおきます」といった内容の遭難直前の岸さんのeメールが…。何ということでしょう。すっかり暗くなった斎場前庭で朧げに光る携帯の画面にしばし言葉を失いました。

岸さんは博物館学芸員というお仕事を離れた休日も、プライベートで各地の歴史的車輌や文献資料の保存に奔走されておられました。天竜二俣の山崎さんらの保存活動も、自らメンバーに名を連ねて限りない応援をされていたと聞きます。それだけに、今週末、7月5日・6日(土・日)に予定されているナハネ20形客車車体再塗装完成記念「七夕イベント」も楽しみにされていたに違いありません。
▲道路側(山側)側面の本塗装中。「やってみたい」という気持ちを大切にしたいと、あえてみんなで出来る「ローラー刷毛」を使用したという。'07.8.5 P:天竜レトロ・トレインクラブ
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■ナハネ20車体塗装完成記念「七夕イベント」開催のお知らせ
天竜レトロ・トレインクラブ(TRTC)では、天竜二俣に保存しているナハネ20の車体塗装が完了したのを記念して、七夕に合わせたお披露目イベントを開催いたします。
■日時:2008年7月5日(土)、6日(日)
      5日 13:00?20:30/6日 10:00?15:00
     ※入場無料
■場所:天浜線 天竜二俣駅 改札口を出て、左側すぐ
■内容
○車内公開
○鉄道模型(ジオラマ)
○記念品販売
○ヘッドマーク掲出(キハ20)
○ライトアップ       
 キハ20、ナハネ20の車内を公開。今回はドア開閉、室内等点灯、扇風機作動、ヘッドマーク掲出、ライトアップなども行なう。
 また5日(土)には、地元・浜松城北工業高校のメカトロ研究部SL班の協力により、会場でライブスチームを運行する予定。
■企画・主催:TRTC 天竜レトロ・トレインクラブ

▲線路側(海側)側面の本塗装中にみんなで記念撮影。'08,3,18 P:天竜レトロ・トレインクラブ
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岸さん、あなたからのメールは届きませんでしたが、確かに「七夕イベント」ここで紹介させていただきましたよ。あなたが全国各地に育ててきた保存の夢は、きっと、きっと多くの皆さんが受け継いでいってくれるに違いありません。

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